ホンダさん、出番ですよ~!。
さて、ホンダで特別なバイクと言えば。
やはりCB1100Rでしょうか、今では軽く500万円を越えてしまいますね、800万円なんてモノもあったりしますよ。
いや、キミの場合はホンダは気でも狂ったのか?というべき特別ですけどねw。
RC213V-S、お値段【2190万円】ってこれ、買った人いるんでしょうかね?w。
とまあ、ホンダという会社は時々(時々だけかな?w)・・・気が触れることがありますw。
これが、私がホンダのバイクを優等生とは呼びたくない理由ですw、やっぱり個人的にその称号はヤマハが似合うんじゃないかな~と。
そんなホンダがおもいっきり気が触れた・・・一台事でござる!。
【HONDA VFR750R】
「ホンダ VFR750R」です。
多分、こう書いてもピンとこないかも、では、はっきりとわかるようにこう呼びましょうか。
「RC30」(形式名)とな!(文中でもこれで統一します)
1985年の頃から
ホンダは純ワークスレーサーであるRVF750で耐久レースなどでご活躍でした。
それからSBK(いわゆるスーパーバイク世界選手権)が1988年(今も続いていますよね)から始まるよ~とのお知らせが。
ホンダさんとしては、なになに規定は750ccまで?、4気筒まで?、じゃあRVF750でいいわなと思っていたんですがレギュレーションを更によく見てみると・・・
「参加車両は【市販車】でホモロゲーションを獲得した車両がベースであること、純ワークスレーサーはダメ!ガッカイ(違っ)」
つまり「はぁ~!?」になったわけですな。
あら、「純ワークスレーサー」であるRVFではダメですやん!と気づいた15の夜・・・
そして一方、議題は商品開発あたりかな~の営業サイド主体のお偉いさん会議・・・
営業:あのさぁ~、VFR750なんだけどさぁ、何かこう・・・レーサーRVFの「ようなモノ」を造ってよ、あ、あくまで「ガワだけそっくりさん」程度ので充分だかんね!、いっちょ頼むわ!開発さん!
開発主査:解りました・・・
(ニヤリ・・・)
こうして後のRC30の開発は始まったわけですが・・・
しかしだ!、そんな「ガワだけRVF」なんか開発主査を始めホンダ開発陣の多くの人(特に技術屋の皆様)が納得いかないわけで。
そう、ホンダも結構開発が【変◯】(それは私の称号だbyスズ菌)なのですよ。
気がついたらまずはFRP製のカウルとか(普通市販車は樹脂系を使いますよね、FRPは軽いけど割れやすいし生産コスト高いし)、エンジン内はチタンコンロッドだのクロームモリブデン鋼製のカムシャフトだのこのバイク専用の360度クランクだのメインフレームには極太の異形5角形断面材を使用したアルミツインチューブのバックボーンフレームだの・・・
フロントは正立フォークですが極太のインナーチューブで、更にクイックリリース式アクスルシャフト(車軸だね)をクランプ式固定のボトムケースに組み合わせてあったり・・・これ、つまりフロントホイールが簡単に外せます、全てはクイックなタイヤ交換のために・・・
マフラー配置、ご存知ですか?、普通「市販車」ではチェーンが付いている側にマフラーを出したがらない事を(勿論必ずではありませんが)、何故なら理由は音量の測定の段階でチェーンの音も拾ってしまいやすいからです。
そうするとマフラーをもっと消音しなければならない→パワーが落ちるわけで、それを基本的には嫌うのでチェーン側と反対側にマフラーを配置するのですが。
しかし、敢えてRC30はそれを選択
した、何故って?それは・・・
だってぇ~!、レースでタイヤ交換の時に邪魔じゃん!、それにこの方が見た目も「栄える」しカッコいいだるぉぉ~?(マジで開発陣はこう言い放ったらしいw)
あ、これもうアカンやつやw、なんかもう開発陣が己の技術に酔ってしまって・・・
暴走!ww
とまあ、当時の市販車(1980年代後半ですぞ)としては有り得ない贅沢の限りを尽くしたわけです。それも「開発側が勝手に」ねwww
ここで、ふと我に帰る開発陣達
開発主査・・・お偉方(営業部)が黙っちゃいませんよ・・・
「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進めることは出来る。後から説得すればいい・・・・」
そして、また会議(という名の吊し上げ大会)開始
確かにこれは素晴らしいバイクだ、しかしだ、これはつまり会社側(営業サイド)の意向を完全に無視したということに他ならないよねぇ・・・・。
しかも!、1台100万単位の価格で売っても多分採算なんか取れないよ(テヘペロw)だとぉ~?、ふざけんなよコラ!💢。
上層部と営業側の逆鱗に触れ、遂にRC30は開発にストップが掛けられてしまいました・・・・。
そりゃそーだわwww
だって会社側(営業サイド)が欲しいのは「羊の皮を被ったヤギ」程度のモノだったわけで。
誰が保安部品を外したら即サーキットを走れるレベルの「擬似レーサー第三形態」みたいなのを造れと言ったのよ!ww、しかも販売価格は100万円単位だとぉ!ウチの開発はバカなの!ねぇ!www死ぬの?wwwwとなりますわなw。
しかし、開発主査さん達も禁じ手を使ったのです。
まずはそれはもう昭和コソコソ話レベルで闇に紛れて開発を続けながら・・・遂に意を決して
RC30(プロジェクト)を・・・返せ!と
RC30に翼(お墨付き)をくださいと、あるお部屋に突撃Go!
「ちゃーっす!開発主査でぇ~す!、あのぅ~上層部や営業さん達がぁ~!こんなバイク過去に例がないからと予算と許可を下ろしてくれなくてぇ~!と~っても困っとるんっすわ~!」(最早マダ(ピー)化w)と、熱く直談判した相手は。
当時の本田技研社長だった川本さん。そう、社長室へGo toトラベリングですw。
すると社長はこう言いました。
「なぁ~に、1車種失敗したところでホンダは潰れたりしないからぁ~もう好きにするといいよ~。もしも、これに反対する人が居たら俺のところに寄越してちょ」と。
よっ!社長!太っ腹っ!
こんな長くかつくどくて熱いやり取りの後の1987年
VFR750R(RC30)はこの世に生を受けました。
あ、この開発主査殿のお名前はホンダの「本多さん」です。いや、ホントにホンダのホンダさんなんですよw。
ここでやっとスペック
水冷4サイクルV型4気筒DOHC16バルブ、排気量748cc、最高出力77馬力です。
さて、販売については限定車しての販売となり、国内限定販売台数は1000台と決定。
そのお値段はなんと「148万円」で決定しました、1987年での国産750ccバイクは、新車で高いものでも80万円台ぐらいの時代に・・・ですよ。今なら300万円以上ぐらいの感覚ですかね。
営業「やっぱりバカだわコイツらwww、国産750ccバイクがそんな値段で売れる訳がねーわwwww」
しかし、いざ蓋を開けたら・・・1000台の予定販売台数に対して3000人以上の購入希望者が集まりましたとさ。
はい、つまり限定台数の3倍以上の応募が殺到して、最終的に販売方法は「抽選方式」となりました。
ちなみに上記の本多さんも購入希望で応募をしたそうですが・・・落選したそうですよw。
そりゃ、レースも盛んな頃でしたし、保安部品を外せば即サーキットを走れるレベルのバイク、メーカーワークス以外のプライベーターは喉から手が出るレベルで欲しくなりますわな。
ほぼレーサーレベルの750ccバイクが高額とはいえリッターカーの新車ぐらいの価格で買えるんですから尚更ですよ。普通市販レーサーはそんな値段では買えませんし。
ところで国内の750ですから77馬力で180kmメーターですが。
ちゃんとフルスケールのメーターもあります、海外でも(限定で)販売されているので。尚、スピードメーターは凄く簡単に取り外せるそうです、レースではスピードメーターなんていらないのですからね。
国内で中古で流通しているのもこれに交換されていることが多いそうです。
最高出力もSPキットなるものがちゃんと用意してありまして、これを装着して、マフラーも輸出仕様のモノに交換すれば100馬力以上に向上します。このフルスケールメーターもリミッターに関わるので必要です。
尚、純正マフラーは一式で現在でも新品は35万円ほどのお値段です、ステンレスですが下手な社外のフルエキマフラーより高額ですよ。
しかし、年式的にえっ?な部分も、まず、リヤタイヤは18インチです。そして、フロントタイヤは17インチですが何故かフロントだけバイアスタイヤだったりします。リヤは18インチだけどラジアルなのにな。
やはり年式的にはまだまだ過渡期のバイク、80年代を引きずっていたのです。いわゆる害悪なフロント16インチとかアンチノーズダイブとかはありませんが。
さて、これによりレースのためのホモロゲーションも獲得し、晴れてSBKにも参戦可能となったわけですが(むしろそのために開発は我を通したわけで)。
いきなりデビュートゥウィンを飾り、88年~89年のレースで優勝と素晴らしい戦績を残しました。
鈴鹿8耐にも様々なチームから出走しています。ワークスを喰える(かもしれない)バイクですからね。
海外でも販売されたわけですが。
こちらが海外販売仕様のRC30、最大の違いはヘッドライトで地域によっては大型化していて、これが輸出仕様との見分け方となっています。輸出仕様も結構日本にも入っていますよ、当然リミッターなど無くてフルパワーです(仕様地で若干馬力に違いがある模様)。
一部欧州(なんかスイス仕様らしい?)では、当時まだバイクの二灯が許されていなくて角型単灯のヘッドライトのRC30も居たそうです、なんか初代のNSRみたいですね。勿論激レアな車両ですよ。
海外でも基本的には数量は限定販売で、どこでも台数に対して数倍の購入希望者が殺到したそうです。
いつ頃まで販売されたのかはわかりませんでしたが、最終的には国内も合わせて4600台ほどが生産販売されました。生産は専用ラインでほぼ手作りだったとか。
さて、中古市場ですが。
走行5万キロを越えた超過走行な車両でも約380万円w(フランス仕様のフルパワーです)。
走行5000キロ以内の極上国内仕様で・・・約600万円ww。
他にはASK(応談)も、しかもこの応談車両は「走行距離懐疑車」(つまりメーターが一度交換されているから走行距離はわからんよ)な車両ですよ!、普通は人気がある古いバイクでもこういうのは価格は安めになるんですが応談(ASK)です!、むしろリミッターが外されている証拠だなとRC30についてはそれが付加価値になるというねw。
だいたい国内外で500万円あたりが相場みたいですね、高っw。
最初はガワだけRVFみたいなのにしてね~と営業や上層部に言われたのに、開発はここぞとばかりにそんな中途半端なモノなんかつまらん!くだらん!、というかSBKホモロゲーション獲得のために最早一応公道を走れるレーサーとしか言えないモノを、会社の意向?知るかそんなもんw!と暴走して開発w、一度はプロジェクト解散の危機を迎えながら開発サイドの禁じ手でそれを強引に継続w、遂に日の目を見ることになった正に究極の750ccバイク、それがホンダVFR750R(RC30)です。
所有するなら?、一切いじっちゃダメでしょうこれは、SPキット取り付けとメーター交換(むしろ付加価値ですからw)、海外仕様の純正マフラー投入ですかね。後は灯火類のアップデートと(LED化)とスリップオン装着ぐらいまでかな。
過走行しか買えそうに無いな・・・とお嘆きの貴兄、大丈夫、ホンダさんはちゃんとこのRC30には手を差しのべているのです。
これ、再塗装と補修(FRPは定期的な補修と修正が必要です、車(ロータスのエランやヨーロッパとか)でもそうですが)がされたRC30の外装一式です、実はこの補修や再塗装を手掛けたのはなんとメーカー、つまりホンダさん自身です。
はい、実は「RC30フォーエバー、熱きHondaスピリットの塊、RC30よ、永遠なれ」と銘打って、ホンダさんがRC30リフレッシュプランを去年あたりから実施しています!。
外装は見ての通りで、他にもエンジンやら脚周りやら電装やら多岐にわたり、お値段は「61万円から」となっております(オプションの作業等も設定されていますのであくまで最低ラインの価格ですが)。
このリフレッシュプラン専用のホンダのwebサイトもあって(検索)、対応してくれる店舗一覧も掲載(まずは診断からですよ)されています。
基本的には二輪直営のホンダドリーム店が対応、そこから熊本にある専用のリフレッシュセンターへ行き、整備された後に再び納車されるそうです・・・、尚、これに合わせて長らく欠品していたRC30の純正部品も走行に関わる重要部品をメインで再生産されています。
熱い、熱いぞホンダ!。
実はNSRやCB750Fとかでも既にやっているみたいですが。
ただ、北海道も最近は今まであった大きめのバイク屋さんが、直営のホンダドリーム店(札幌にも今年できました)に変わって2ヶ所ほどあるんですが、まだ北海道には対応しているドリーム店が無いんですよね・・・。
こちらも対応よろしくお願いしますね。
尚、ホンダさんはこの後に更に気が触れたVFR系をまた生み出してしまうのですが。それはまた、別の回にw。