おや、バイクもホンダさんだな。でも行きます。
お猿から派生した、ホンダさんちの可愛いワンコです。
【HONDA DAX】
「ホンダ ダックス」です。ダックスからの派生も少しご紹介します。
1969年のこと
お猿ことモンキーの派生モデルとしてホンダ ダックスは誕生しました。
スペック
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ、排気量49cc、最高出力 4.5馬力です。尚、バッテリーは6Vになります。
鋼鈑プレス製法によるTボーンフレーム、サスペンションは前輪をテレスコピック、後輪をスイングアーム、ホイールサイズは10インチです。
他にもブレーキなども基本型はモンキーから受け継いでいますが、モンキーより太いタイヤと長い車体で直進の安定性が良く、少々の悪路も行ける仕様になっています。
これは、モンキーから火がついたレジャーバイクの需要が内外で高まり、キャンプ場などでも使いやすいモデルをという要望に答えた形がこのスタイルです。
名前は勿論、犬のダックスフントから来ています。胴長の車体がダックスフントを連想させるからという理由です。
ちなみに車名は正しくは「DAX HONDA」表記で読み方も当初はダックス ホンダでした。しかし、これは初期モデルのみで、HONDA表記は後程消えてシンプルにダックスとなります。
初期の特徴である通称「兜フェンダー」、後方が反り返っていて、兜を連想させることからそう呼ばれています。フロントフェンダー側もこういう形状です。
ハンドル中央のノブ、はい、お猿の一族ですから、これを回すとフロントセクションを分離することが出来ます。モンキーと同じく車載しやすいようになっております。
車載時の注意書き、バッテリーを外したり、キャブからガソリンを抜く手間はありますが、この指示通りに作業をすれば、車体を横倒しにして車に積載してもタンクからガソリンが溢れないようになっているそうです。
ハンドル回りの組み立て説明書、わりと簡単に出来る模様。
そして、海外にも輸出されていて
こちらが輸出仕様のダックス、マフラーがアップになりスクランブラー的なスタイルに手直しされています。排気量は70ccで馬力は5.5馬力になります。
1976年にマイナーチェンジ、このスタイルのダックスが皆様一番馴染みが深いのではないでしょうか?。見ての通り輸出仕様(エクスポート)のスタイルがスタンダードになりました。アップマフラー、リヤキャリアなどが装備されて外観上の特徴になっています。
70ccも並売になり、また、前後フェンダーの形状が選べるようになりました。
ここで、変わり種をひとつ。
ST90マイティダックス、ホイールのインチアップ、前後サスペンションのストロークアップのために伸長された足まわり、90ccへ排気量アップにより少々荒れたオフロードも走れるダックスです。最早胴長短足とは言わせない。かなり珍しいダックスですよ。
1979年には段つきシートとフロントフォークを延長、ロング&アップな絞りハンドルを装備したST50C(トランスミッションによってはM)も追加、この頃はアメリカンが流行りで各メーカーから様々な邪メリカンが誕生していた時代、ダックスにも邪メリカンモデルが追加されました。かなりハンドルがゾッキーなレベルの絞りハンになっていますが、メーカー純正なんですよこれ。
1981年にダックスシリーズは生産終了、結構長めの生産販売期間でした・・・。
さて、中にはこう思っている方も居るかなと。
「ダックスにはノーティ ダックスというのも居なかったっけ?」と。
こちらがノーティ ダックスです。プレス製法のTフレーム・・・に見えますが、鋼管ダイヤモンドフレームでヘッドライトが角目であること、そして、一番の違いは・・・
こちらがスタンダードのダックス
こちらはノーティダックス
正解は、搭載しているエンジンからして違うんです。
ダックスはモンキーと同じくスーパーカブ系列のエンジンですから、シリンダーブロックが前方へ80度の角度で前傾していますが、ノーティダックスは
CB50系統のエンジンが流用されていて、シリンダーブロックが直立しているんです。
つまり、名前は同じダックスなんですが、この二台はほぼ別車種なんです。1973年に追加されたモデルでタイヤの幅もダックスより広く不整地での走りが向上しています。
ノーティとはヤンチャなとか悪ガキという意味合い、本来の綴りはNaughtyと書きますが、このノーティダックスの場合はNortyと書きます。本来のNaughtyの方だと性的に下品(つまり【変態】?)なという意味合いもあるそうなので、あえて綴りを変えたそうです。
つまり、通常のダックスよりヤンチャで悪路での走り重視のバイクなのですが、1980年で生産終了。ダックスよりやや短命でした。
さて、1980年代初頭に一度は消滅したはずのダックスですが。
1995年に再生産&再販されています。細部の違いはありますが、基本的には6V後期のアップマフラーのダックスを踏襲していてエンジンもスーパーカブ系統の物が使われています。
スペック的にも変化は無く、ほとんど形を変えずに販売され人気となりました。丁度このあたりの時代はレーサーレプリカが下火になり、ネイキッドや邪メリカンやTWやビクスクが流行り出した時代、こういう昔のモデルが形を変えてもしくはそのまま再販された時代なのです。同じホンダの250ccスクーターであるフュージョンもそうでしたね。
タイヤは初期よりややワイドになり、電装関係が12V化されています。古いダックス系統は6Vでしたからね。
この再生産版ダックスは2000年代初頭ぐらいまで生産販売されました。
さて、中古市場ですが・・・かなり上がっています。
50ccの6V後期が一番流通しているようで、安くて30万円あたり。程度の良い物だと50万円に迫ります。
1969年製の最初期のモデルでは70万円以上という物もありました。
かなりプレミアがついていますね、モンキーの最初期と同じような扱いです。
マイティダックスで50万円あたり、これはかなりの珍車で発見出来たのは1台だけでした。
尚、ノーティダックスだと30万円あたりの物がありますが、通常のダックスほどは売れていなかったので、まず程度の良い物を探すのが大変だったりします。見つけた2台も程度はイマイチかな?といった感じでした。
ノーティを除いて相場は更に上昇傾向です、まあ、70~80年代バイクは軒並みお宝物件になりつつありますけど。
お猿(モンキー)から派生した、新たなレジャーバイク。
名前はワンコからですがけっして犬猿の仲ということは無く、むしろお互いを補完し合うような仲の良い関係で、モンキーより長い車体と太いタイヤは路外での安定性も高くて、ホンダとしてはキャンプ場や砂浜などに車に載せて連れてって、一緒に楽しんでくださいという提案でしたが、街乗りでも優秀でスーパーカブ譲りの超燃費と相まって通勤スペシャルとしても大活躍、そして80年代初頭に一度は消滅したはずが90年代半ばに復活、皆に長く愛されたホンダの可愛いダックスフント、それがホンダ ダックスです。
所有するなら?初代初期(6Vの兜フェンダー)に乗りたいですね、基本ノーマルで電装のみ12V化を施したいです。
イジるなら6V後期か再販バージョンで、マフラーやらハンドルやらサスは前後ローダウンにて。
こんな感じで、これはかなり理想形に近いです。
まあ、完全なノーマルで乗るのが今なら良いかもですが。
CBエンジンのノーティに吸排気改造とハイカムを組んで激速50ccにするのも良いな。CB50はノーマルでも80km出たそうですし。
現在、モンキーは同社のグロムをベースにしたモンキー125として販売されていますが(44万円かよ・・・)、モンキー125がある以上、ダックス125も出るのでは?と言われ続けて久しいわけですが、あくまで「個人的見解」で言わせていただきます・・・。
ダックス125は当分出ません!、何故?、それはまずモンキー125は勿論CC110(クロスカブ)やクロスカブの125がバックオーダーを抱えまくっている状態なんです。しかも現在クロスカブ(モンキーも?)は生産が停止しているんですよ。
何故なら今年からの新排ガス規制に適合させるために改良中で、新しいモデルの生産販売開始は4月からとのこと、これは私自身がバイク屋さんで直接聞いたお話です。
だから昨年までのモデルの新車(特にクロスカブ)は最早バイク屋さん同士で争奪戦状態なんだとか。
私がお世話になっているバイク屋さんでもやっとのことで110を2台、125を2台確保したそうです(無論、即完売!)。
半導体不足も先が見えない、しかも今年から排気ガス新規制(EURO5だね)に対応しなければならない、とりあえずは今売れているモデルが安定した供給にならない限りはダックスは出ないと思われます。
バイクによっては下手をしたら新車と変わらないか新車より高い中古があったり(君のことだよカワサ菌w)・・・現在の状況は異常なんですよ。
勿論、ダックスも出したら売れるだろうなとは思いますし新しいダックスを見てみたいんですけどね。
現在の慢性的な新車バイクのタマ不足が解消しない限りはね・・・無いと思います。現在のホンダにそこまでの余力は無いことでしょう。