今回はお車です。
ホンダの意欲がシンクロ率400%をオーバー!、もう危険です!なレベルで暴走してしまった軽自動車をご紹介。
【HONDA Z】
「ホンダ Z」です。
オイ、待てや
ホンダZやりましたやん、紹介済ですやん・・・いや、このスタイリッシュな軽スペシャルティーの方ではありません。
こちらの2代目Zです、つまりホンダのZ2です(違っ)。
一見四角くてプレーンな感じのまあ、分類的には一応SUVなんですが(販売当時はSUVという概念はありませんでしたが)・・・ホンダの迸る熱いパトス(情熱)の塊のような軽自動車ですよ。
1998年のデビューです。
まずはスペックから。
水冷直列3気筒SOHC12バルブ(ターボ)、排気量656cc、最高出力52馬力(64馬力)です。
エンジン自体は当時のライフからの流用ですが、NAとターボの二本立てグレード構成、ご存知でしたか?、Zは実はホンダ軽自動車初のターボエンジン搭載車だったんですよ。何故そうなったのかという理由は後述します。
さて、この妙にハイトな車体にはかなり凝った機構が満載なんです。
横からの断面図、ちょうどリヤシートの真下あたりにエンジンがあります。そう、このZはなんとミッドシップレイアウトなのです。
このレイアウトをホンダはUM-4(UNDERFLOOR MIDSHIP 4WD)と呼んでいました。
まず、3気筒エンジンを横倒ししてフロア下に縦に置き、その前方に4速オートマチックトランスミッションを配して、出力をビスカスカップリング式センターデフを介して前後輪を駆動するという・・・ね。
おお、軍曹殿が遂にカラーにw
更に詳しく書きますと、直列3気筒エンジンを横に倒して直列配置に、出来るだけ高さを低くして、それをリヤシートの下に押し込んで、更にそのエンジンの前に4速ATトランスミッションを接続、そこからビスカスセンターデフを介して前後輪にドラシャで駆動力を配分・・・と。
一応、ミッドシップですがエンジンの配置的にはRR(リヤエンジンリヤドライブ、代表はポルシェカレラ系)に近いですね。後輪軸よりかは前にエンジンがあるので一応ミッドシップですけど。
尚、この当時ホンダには軽自動車用の4速ATトランスミッションは無かったので、当時のシビックの物を流用、そのままでは載らないので90度向きを変えて押し込んでいます・・・。
説明するのもめんどくさくて嫌だ~www。
はい、このZはまさにめんどくさ~い機構の塊なのです。
まあ、本当の所は同社の軽トラであるアクティ4WDのレイアウトの流用でもあるんですが。
しかし、実は意外な車もこのZと同じような機構を持っているんですよ。
その車はランボルギーニ ディアブロ(紹介済)、これもミッドシップ4WDで前輪への駆動力伝達のやり方はZとほぼ同じなんです。
つまり、この2代目Zはランボルギーニと同じ機構を持った軽自動車なのです。
室内、ミッドシップレイアウトの恩恵でボディの幅や長さは勿論軽自動車規格ですが、その室内は軽自動車にしてはかなり広く一つ上の小型車クラスと変わらない空間を確保しています、また、頭上も高いので解放感もあります。
リヤシートを倒すとフルフラットとは行きませんが広大な空間に、これ、車中泊は楽に出来そうだな。
運転席、非常にシンプルですが何気にホワイトメーターだったり、使い勝手は良さげですね。
エンジンが後方、ではフロントボンネット内には何が?
こうなっています。
ウォッシャータンク、バッテリー、スペアタイヤのほか、容量20リットルのユーティリティボックスを装備しています、なんかポルシェみたいだな。
尚、このレイアウトのおかげで前方のクラッシャブルゾーンを広く取る事ができ、今では当たり前の対人衝突被害低減ボンネットも装備と安全面でも抜かりなしです。
つまりSUV風の軽自動車で、実際のオフロードでの走破性は大した事は無いんでしょ?。
これでも?、この各数値は実は現行ジムニーに対しても若干劣るぐらいでひけを取らない数値なんですよ。この四角い型はミッドシップレイアウトが生んだわけですが伊達では無いんです。
まあ、モノコックですしジムニーほど動く脚では無いからあくまで簡易的機能ですがオフでもかなりの能力を発揮します。
ホイールも15インチで動力伝達もホンダ生活四駆にありがちなデュアルポンプ式ではありませんからね。
ただ、勿論このレイアウトによる弊害も多数あったわけで・・・。
整備性は「聞いてやるなよ」のレベル、見ての通りのレイアウトですからお察しですね。
そして欲張りすぎた機構のせいで車重がね・・・今のリッタークラス並みに重たい、乾燥重量が970kg・・・って私の33スイスポと同じ乾燥重量ですけどこれ、当時のパジェロミニより20kg程重かったそうです。
はい、ここでネタばらしw、ホンダ軽自動車初のターボ搭載はこれが理由だとも、NAの52馬力ではかなり重ったるい、ターボでやっと普通に走れるレベルだそうで、初期試作では5MTもあったそうですがそれはなかなか面白かったという現場の声が残っています。
あと、ハンドルが軽すぎるという多数のご意見も、ミッドシップの恩恵でもあり弊害でもあるのかも?。
販売面にも影響が出ていましてね。
これだけ凝った造りですから当時の軽自動車としてはかなり割高な価格、ターボのABS付きでお値段は138万円近く、そりゃ今の軽自動車の新車よりかは安いですけどね。
この価格は当時のホンダHR-VのFF駆動モデルより高額だったんですよ。
HR-Vは1600ccの105馬力、4WDもありましたがオンデマンド方式(滑ったら4WDになる方式)なのでFF駆動でも大差は無し。
さて、あなたならどちらを買いますか?。まして軽自動車をメインにすることは(特に男性なら)少なかった時代にです。
普通なら軽自動車指名買いでは無い限りHR-Vに軍配が上がりますわな。
実際そうなるケースが多かったそうです。仮に軽指名買いでも他にも安い生活四駆はありましたし。
Zは正直販売面では苦戦しています。
CMにあの「ZZ-Top」を起用したりと気合いは入っていたんですけどねぇ。
当時「ちょっ!ホンダっ・・・おまっ!アメリカの大御所バンドになんて事をさせるんだぁぁ~!」と思ったものですが・・・
ゼットだ・・・
来ないと思ってた?、残念、そこにZがある以上水木のアニキはいつでもどこへでも現れるさ!ww。
尚、ZZ-Topは今も健在ですよ、去年結成50周年でした。
2002年で生産中止、4年行くか行かないかぐらいの生産期間でした。
さて、中古ですが。
ドン底値ですな。下は7万円からw、高くて40万円あたりですね。走行距離は8万から10万キロあたりがメインです。
ホンダの意欲作、しかし、気合いと意欲が空回りして重く&高額(当時としては)になってしまい、販売面では正直苦戦しましたが、唯一無二のオールラウンダーとなり根強い人気も持っている車、それがホンダ Z(2代目)です。
というか、これも「今こそ売れる軽自動車」のような気がするんですけどね、ダイハツネイキッドと同じで。
ホンダさん提案、せっかくのスーパーカー駆動システム、復活させて排気量を1200ぐらいにしてターボ装着、今のS660風の車体に載せて「S1000」を造りませんか?。
別にオープンカーにしなくて良いので。クーペスタイルのミッドシップ四駆、良いと思うのですがというか出たら欲しいわ!。
Zとして所有するなら定番はハイリフト化でブロックパターンタイヤの装着ですけど。
あっ・・・これ、とても良いなぁ!ww。
リヤシートを外して少しでも軽くしてこの外観で乗るのも良いですね、こういう冗談はオヂサン大好物ですよ。
吸排気改造のインタークーラー大型化のロムチューンで、5速MT化にして脚はガチガチに固めて乗りたいな。
ホンダZ(2代目)、かなり面白そうな車です、乗ってみたいな。