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とみ~☆かいらのブログ一覧

2025年09月04日 イイね!

【代車】BMW・120(F70)

【代車】BMW・120(F70)今日から車検。

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代車は120である。

直近のBMWでは確かこの1シリーズ(F70)から命名規則が数十年ぶりに改訂されており、ガソリン車の車名から「i」の表記が削除されることになった。

そもそもこの「i」は本来「電子制御インジェクションガソリンエンジン」であることを表す符号であるので、EFIエンジンが特別な存在だった時代ならばいざ知らず、それが主流となり、さらにキャブレターエンジンの存在が消滅して久しい現在では敢えて表記する必要がなかったのだが、どういうわけかずっと表記が残っていたような形であり、またBMW iシリーズ(BEVシリーズ)とも被るので削除されることとなったようである。

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1シリーズという車はBMWのエントリーモデルであり、現行世代は4世代目。

4世代目とはいえ実際には先代のビッグマイナーチェンジモデルに近い形であり、最新モデルにも拘らず何気にF世代扱いの車である。

初代・2代目はかつての3シリーズコンパクトを真面目に作り直して独立車種に分離したような生い立ちだったので、Cセグメントに位置するにもかかわらずFRだったのだが、3代目からは同門のミニのプラットフォームを流用する形になっており、ごく一般的なFF車になった。

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1シリーズ、とてもいい。

結局のところ、「1シリーズだから」というある意味後ろ向きな理由でもあるのだが、伊達に日本車よりも敢えて高い金を払う意味を感じる程度に良い装備が奢られているし、かつイマドキのBMWっぽい雰囲気はちゃんと纏っているので、値段の割りになんか物足りないなと感じさせる3シリーズと比べると自然と満足感が高くなる。

上級車種では「他のと一緒かよ…」と思わせるカーブドディスプレイが逆に1尻では「BMWらしさ」になっている感じであり、やっぱり「他のと一緒かよ…」と思わせるコンソールのコマンダー類もこれなら「BMWらしさ」に見えるのである。ふしぎ!

要するに、あの辺りの装備の「コスト感」が3シリーズ以上だと安物に見えるのでしょうな。

こういう視覚的な要素というのはとても大切。
同じデジタルディスプレイを使うにしてもインパネとかをちゃんと作り直す会社の方がいい意味でのクラス感というものを実感できるだけに。

でもこの車にもあるマイモードはスポーツとかエフィシエントとか如何にもなモードはともかく、それ以外はディスプレイの背景がアーティスティックなものに変わったりする以外はマジで意味不明である。(いちおう、それ以外にもエアコンの制御とかなんか変わってるのは分かった)

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でもまあ乗り味自体は意外と薄味な感じで、乗りやすいんだけど外車的な何かというのはそれほど感じられない。

ごく一般的なCセグメントくらいの車らしく静かで、乗り心地が良く、それなりに走るといった感じ。

たぶんその辺りで一番「なんか普通」感を演出してしまってる要素はシートで、最近の日本車のシートと出来的にはあまり差を感じませんな。現行フィット辺りとほぼ同じ感触である。

元々BMWのシートは人によって合う・合わないがはっきり分かれる傾向があって、自分は合わない方なのだが、F70では完全に合わないというわけでもないけど、比較的快適性重視のクッションを持たせた上で、身体のどこをどう支えたいのか?というような意思が明確には伝わってこないので「並」だと思うのである。

でも車自体はちゃんとできているし、やっぱりこれより上のクラスの「これでいいのかなぁ」みたいなモヤモヤ感の残る部分が1シリーズでは割り切りに切り替わるのか、総合的には不満を感じるようなことがない。

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足回りなんかはドイツ車らしくダンパーが強めな感じで車体の無用な揺れなんかはきちんと抑えられていて、ハイペースでの走行では安心感を感じる。

それに対してバネはソフトな設定になっていて、当たりはマイルドになっており快適性も高い。

2シリーズアクティブツアラーなんかは意外とバネが強くて「よく走るけどこれでファミリーカーはちょっと合わないんじゃないか」って感じだったけど、こちらは普通に万人向けに仕上がっている。

ただ、上級車種と比べるとスタビリティの高さを感じる面は少なく、低速から高速まである意味走行フィールが一貫していて、外車的なおっと感じる部分がない。

この辺りはアジリティ重視な車作りとよく評されるミニのシャーシを流用した影響なのかなと思う。

その割りにはコーナリングは意外とFFらしい鼻先の慣性を感じる曲がり方だけどね。

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エンジンも車格なりにフツー。

直3・1.5リットルターボで156馬力/240Nmに1460Kgの車重と、全くを以て特色のないスペックであり、速くもなければ遅くもないという感じ。

ただ、静粛性が非常に高く普通に走っている限りではエンジン音が全く聞こえないので、この辺りはちょっと上質感。

トランスミッションは7速DCT。
先代には8速トルコンもあったのだが、現行型ではトルコンは廃止された。

しかしDCTの悪癖は抑えられていて、クリープ制御のレスポンスが悪くかつ弱く感じる以外はDCTっぽいカクカクしたところもなくスムーズに走り、特にこれといった印象を残すこともない。

まあこれが何万kmと走ったあとにどうなるかまでは知りませんけど…。

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でも、トータルで見るとやっぱり満足度の高いいい車なんだよねえ。

確かに粗を探せば普通に見つかるんだけれども、これはこんなもんと納得できるのでそういう部分が気にならない。

やっぱりどんなに安くても600万円(10年前の5シリーズと同価格)払わないといけなくなった3シリーズに対して1シリーズはぎりぎり500万円で済む選択肢があるというのは、比較的コンパクトな外車としては心理的な障壁が一気に下がるのである。

むしろ、お値段以上の部分がとてもよくて、その部分の良さが粗を探す気にさせなくしてくれるので、いい車と。

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タイヤがMAXXISっていう会社のタイヤが付いててなんやこれって思ったら、これ台湾製なのね。

純正でハンコックとかですらないアジアンブランドのタイヤが付いてくる時代か…

実は帰りに線状降水帯みたいなすごい降雨にぶち当たったけど全然大丈夫だったから、性能もしっかりしてる。

そうか…もう本当にアジアンだからって舐めたらアカン時代なんだな…
Posted at 2025/09/04 15:48:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 代車日記 | 日記
2025年08月24日 イイね!

ネオ・ノスタルジア

ネオクラシックという言葉自体は覚えている限りでは30年近く前からあったと思うが、昔のネオクラって確か「少ない負担でクラシックを味わえる車に乗ろう」みたいなジャンルだったと思うけど、いつから今みたいな本来ならオールドタイマーというべき車を祀り上げるジャンルに変質したんじゃろうな。

言葉の意味だけを考えれば「ネオクラシック」とは「新しい懐古」となり、昔のネオクラって本物の旧車はとても扱えないけれども、その代わりに国産車で言えばY30や70マークⅡのワゴン、外車ならW123のベンツとかボルボ240みたいな、生産期間が長くて比較的高年式なのに年式以上の旧車に見えて、かつ車体も部品も豊富に出回ってて安価で維持が比較的簡易な車で旧車感覚を楽しむっていう、一種の代替案的なところから始まったと思いますけれども、いつの間にか最初にたまたま選択肢として選ばれていた80~90年代車をほぼ無条件にネオクラシックと括るようになったように思う。

単にそういう風に言葉の意味が変わってジャンルも再定義されたのならいいのだけれども、今やネオクラとはどういう車に乗るかどういう風に乗るかの「スタイル」ではなくその車が生きていた「時代」を表す言葉になっているにもかかわらず、本来ならオールドタイマーになっているところをこのジャンルが成立した頃から時間が止まったままのように「気軽に乗れるちょい古車」という感覚もずっと引きずってしまっているところが悩ましい。

勿論ネオクラと呼ばれるものは今やほぼ純粋な旧車趣味で、それを理解して飛び込むのならいいのだけれども、結局今のネオクラブームというのはそういうことに対してオブラート被せて実態を隠してる状態でありますから、まずそこを理解するべきで、本来のネオクラシックを考えるならそもそもの考え方を変えなきゃダメなんですよね。

確かに直近では本来の意味でのネオクラ車ってほとんどいなくなってしまったけれども、本来ネオクラっていうのは気軽に乗れていい感じの車なら年式が新しくても全然OKって世界で、何事にも高かったら意味がないですけれども、この考えって「古い」ですか?

***
でも逆を言うとネオクラシックって意外と車だけじゃなくてライフスタイルまで食い込んでくるような話なんですよね。

旧車趣味自体は車自体が目的なのだからそれ単体でも成立するけど、ネオクラっていうのは車そのものというよりは車が醸し出す古い雰囲気を味わいに行くのが主なんだから、元々ビンテージが好きでライフスタイルに組み込んでる人じゃないと、何がいいか分かんなくて辛いんじゃないの?的な。

当初ネオクラでウケてた車なんか、まさに雰囲気の車でしたからね。

・・・だから今はいわゆる当時の高性能車とか元々なんか箔が付いてるようなのがウケてるのかなぁ。
Posted at 2025/08/24 14:21:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車コラム | 日記
2025年08月20日 イイね!

FSD

急にテスラがFSD(フルセルフドライビング)の国内テストを開始すると発表した。

様々な状況を精査すると、9月に発効する予定の自動運転に関する国際基準を国内法規にも反映する予定で、それにFSDが適合すると国内認可も可能となる見込みの模様で、それに向けたデモンストレーションであると思われる。

FSDに関しては実は日本でもだいぶ前から選択可能となっているが、選んで装着できるだけで未認可の機能については封印状態となっており、現状ははテスラへの40万円のお布施付きエンハンストオートパイロットである。

・・・でも先日おテスラの店に行った時はFSDの進展についてはいつもの調子(ウチはとにかくいきなり来ることもあるんで〜っていうアレ)だったので、こんな直前の時期にも関わらず現場には全く情報が下りていない感じだった。或いは緘口令でも敷かれているのか。

しかし保安基準や法改正絡みとなるとある程度前から基準や改正時期が明記されるのが常なので、テスラのようにある程度準備が整っているメーカーならそれに沿って動けるはずなので、断片的でも情報を下ろしてコントロールできるはずなんですよね。

なのに何もないということはテスラという会社は現場で顧客対応をする従業員を何だと思っているのか。緘口令が敷かれてるだけならいいんだけど。

しかし、一方で国内の保安基準と照らすとまだFSDの認可に必要な基準が揃ってないということで、本当に利用可能になるのは当面先なのではという見方もある。

もしそうだとすれば公式にアナウンスできる状態ではないということで、現場は何も知らないというのも一応筋が通る話でもある。
Posted at 2025/08/20 17:40:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 輸入車 | 日記
2025年08月18日 イイね!

【試乗】ポルシェ・パナメーラ4 E-ハイブリッド(972)

【試乗】ポルシェ・パナメーラ4 E-ハイブリッド(972)かつてスポーツカー専門メーカーとして成らしたポルシェも80年代~90年代にかけての経営不振と市場拡大が正義とされた400万台クラブ時代の価値観により、2000年代に入ると今まで手を出していなかった分野──つまるところの(スポーツカーではない)乗用車分野にも食指を伸ばすようになってきた。

つまりSUVやセダンになるのだが、SUVモデルであるカイエンやマカンがフォルクスワーゲングループ内で同系車種とプラットフォームを共有する大きな意味での兄弟車であるのに対して、パナメーラは何気に専用プラットフォームを奢るポルシェ専用車となる。

しかしポルシェだからRRとかミッドシップでセダンを作ったのか?と言われればそうではなく、トラディショナルなFRを基本とするモデルとなる。

それなのに何故か実態としてはセダンというよりはハッチバックに近いスタイル・構造とし、Fセグメントなのに伝統的なセダンのスタイリングをしていない珍奇さと、スポーツカーのポルシェのノリそのままのマッシブなパッケージングという、凡そ高級車という枠組みに囚われない在り方は、この車が登場した当時自動車業界が患っていた拡大志向の産物で、いわゆる一種の流行りもの、長くは持たないのではないかとも思ったものだが、あれから15年以上が経ち色々な意味で独特な生い立ちを持つセダンとして市場からの一定の支持は得ている形となっており、現行型は3代目となる。

ポルシェのセダンとしては他に純BEVのタイカンがあるが、より前衛・先進性のイメージが重要そうなタイカンの方が伝統的なセダンに近いスタイリング・パッケージングをしているところが面白いところである。

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E-ハイブリッドと銘打つハイブリッドシステムについては一般的なパラレルハイブリッド形式であるが、エンジンとトランスミッションの間に挟み込むモーターは190馬力/450Nmものパワーを発揮する。

またプラグインハイブリッドでもあり、バッテリーも25.9kWhと十分な容量が確保されているので、強力なモーターを活用した純EV走行など一連のプラグインハイブリッドカーとしての実用に耐えうるスペックを持ち合わせている。

実はこのプラグインハイブリッドシステムの電動部分のスペックはE-ハイブリッド車で全車共通であり、電動部分の性能は非常に高い。

この辺りはハイブリッドなどの電動化技術の開発に出遅れた+それなのにとにかく電動化電動化と音頭だけは周囲が勝手に取る+アウトバーンという他国にはない厳しい走行条件が求められるドイツ車(欧州車)特有の、とにかく力技で物事を解決してしまう脳筋思考が現れている気がする。

エンジンはV6・2.9リッターツインターボでシステム総出力は470馬力。
エンジン部分は素のパナメーラハイブリッドでは304馬力しかないのでツインターボもいらないような気もするが、とにかくツインターボである。

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走りの方はやっぱりプラグインハイブリッドだけにバッテリーが十分残っていると街中はほぼEV走行になる模様。

ただスペックの割には若干モーター走行時の足が遅いというか、アクセルを踏んだ時に変なもたつきを感じる。

PDK(DCT)と組み合わされているせいだろうか。

ところでEV走行モードの名前がE-POWERっていうらしいんだけど。

***
今回試乗した個体にはポルシェ・アクティブライドと名乗るアクティブサスペンションシステムが搭載されている。というか今回はこれを探していた。

このアクティブサスシステムはポルシェが独自に開発したシステムであるが、基本的な構造は従来から存在している油圧制御式のものと大差はない。

ただコンポーネントの小型化や、このシステムはタイカンとパナメーラハイブリッドのみにしか現時点では採用されていないように、電動化技術を活用した効率化のような現代的な改良は入っている。

またこのシステムはエアサスペンションも併用しているが、役割的には制御油圧の低減のために装着されているヘルパースプリングを従来は金属バネで構成していたものを空気バネで代替したものとなり、機能上も標準グレードのエアサスではデュアルチャンバー仕様によりスプリングレートの可変が可能なところ、固定レートのシングルチャンバーと簡略化されていて、エアサスとしての特別な機能は持っていないようだ。

フォルクスワーゲングループ内にはこの他にアウディが採用する、こちらはアクティブスタビライザーの発展型に近いアウディ独自の構造を持つタイプも存在しているが、それとはまったく別のシステムとなる。

***
ポルシェアクティブライドは最大応答速度は13Hzということで、この辺りも従来の油圧アクティブサスと比べての性能上の大きな進歩は見られない。

アクティブサスとはいえ制御領域を超える振幅に対しては基本的にパッシブサスとして振舞うので、「どこまでの振幅に対応させるか」というのはある意味アクティブサスを開発するにあたってサスペンションの性格・味わいを決めてしまう要因になる。

10~20Hz付近の振幅というのは概ねロールやピッチングのような傍目からも動きが分かるような挙動変化の10倍細かい領域となり、路面の継ぎ目のような小さな凹凸をタンタンタンと越えたときのような、振動で済ませるにはややはっきりと感じすぎてしまう、ああいった入力がその辺りの振幅となる。

なのでアクティブサスのプロモーションでよくある、車を自在に躍らせてみたりであるとか、大きくうねる路面を高速で通過してもタイヤが上下に動くだけで車体は揺れないというような感じの場面には十二分な制御性を持たせることができるが、体感上路面の凹凸を全く消し去ってしまうにはあと一歩足りない程度の性能である。この辺りが昔からアクティブサスの「クセ」としてネガティブに捉えられることが多い。

なお、中国車が先日採用したクリアモーションという会社(BOSEから技術等を引き継いだ会社)がパテントを持つアクティブサスも存在しており、こちらはアクチュエーターで回生電力を回収することによる省エネ化や40Hzにも及ぶ高応答など、新世代のアクティブサスと言っていいスペックを誇るが、実はポルシェもクリアモーションと技術提携を行ったらしいので、今後アクティブライドはその方面からも進化の可能性を残しており、今はまだ「アクティブサスというものはこういうものである」というアピールをポルシェオーナーなどに行うための「第一世代」といったところである。

***
では実際のアクティブライドの乗り味はどうなのかというと、思っていた以上にアクティブサスのネガとポジの部分を上手くミックスしており、完成度が高い。

最初走り出した時はこれは本当にアクティブ制御しているのか?と思ってしまったくらいまず制御感が無い。

アクティブサスというものは特有の浮いているような感触やその滑らかな乗り心地の中にノイズのように混ざる小さな突き上げが違和感としてあげられることが多いが、アクティブライドの場合はまず目視でなんとなく予想ができる程度の適度なロードインフォメーションを伴いながらも、よく仕上げた高級車のサスペンションのような雑味の無い柔らかなフラットな感触が先に来る。

そしてその感触のままずーっと走り続けてしまうのだが、このときにタイヤがうねうね動いて車体を水平に保ち続けようとしているような感触とか、車体が押さえつけられているような感触が一切無いので、まるで綺麗に舗装したての道路を走っているような感覚がずーっと続くのである。

あまりに違和感がないので最初は都会(都内)だし見た感じ道路も隅々までそれなりにメンテが行き届いているから、そんな場所じゃどんな足回りでも一緒なのかなと思っていたのだけれども、そこにセールス氏から「実はこの道、結構荒れてるんですよ」と言われたので、よくよく路面を見てみると確かにこれで車が揺れないというのには無理がある程度には路面がうねっている。そして試乗を終えた後に改めて同じようなルートを自分の車で辿ってみると、その印象そのままに車体が揺さぶられたりしたので、確かにしっかりとアクティブ制御が為されている。

それでも普通の道路がアクティブの御利益がしっかり感じられるほどボコボコしてたりするわけではないので、分かりやすいところでは店舗から道路への出入り口の段差、あれを乗り越えるときの感触が実際の段差の1/10くらいになっている。

しかし、なぜここまで違和感が無かったのかを考察してみると、おそらく適度にロードインフォメーションを感じたところから、制御上は昔のニッサンとかのアクティブサスと比べると、常にシステムの限界までアクティブ制御をするのではなく、がっつり制御を入れる領域はローリングやピッチングなどのアクティブの本懐である姿勢制御部分と、バウンスでは敢えて車体を明らかに揺らすようなレベルのものに抑えて、アクティブが苦手とする平素の細かい入力に対してはパッシブで受ける領域を広く取っている感じなんじゃないだろうか。

***
そんな感じなので乗り心地のマナーは発進の瞬間から完璧で、かつドライブフィールにもこういうソフトなチューニングをベースにしたサスペンション特有のふわつきも無いので、センチュリーの乗り心地を更に進化させてそこにポルシェの安心感が一緒についてくる感じである。

これがアクティブサスである。

パナメーラは高級「セダン」であるので、911よりも当然快適性の高いパッケージングや操作性をしており、911みたいに車としては完璧なんだけど普段使いもするならもうちょっと緊張感がない感じの方がいいな、という要求を完全に満たしてしまう。

いやこれは本当に分かりやすく素晴らしいな。

***
でも、アクティブライドってドアを開けたときに乗降支援で車高が上がるんだけど、この時の動きがニッサンのアクティブサスの「跳ね上がり」みたいで…

もしかしてぶっ壊れてる?って一瞬思っちゃった。

ニッサンのアクティブサスは乗降支援というよりはエンジン停止後の油圧(車高)保持制御の一環としてやっぱり車高が数センチ上がるんだけど、平時は跳ね上がりを感じさせない程度にゆっくり上品に上がる。
(つまりニッサンのアクティブサス車で跳ね上がりが出る個体はアクティブのアキュムレータが劣化して性能が落ちている。少なくとも正常な状態とは言いがたい)

***
実は最初はポルシェスタジオ日本橋でタイカンの予定だったのだが、予定の行き違いでこれが飛んで練馬のポルセンでパナメーラになった。

だから、色々試すというほどの乗り方はできなかったので高速性能とかはまたお預けだけど、実際のところアクティブサスの特性って主に低速で出るので、まあこれはこれで結果オーライじゃないかと。

ポルシェスタジオだったら高速走行もできたかもしれないけど、先日の7尻みたいにドイツ車は高速乗せたらだいたいいいのは分かり切ってるので・・・。
Posted at 2025/08/18 21:53:34 | コメント(1) | トラックバック(0) | インプレッション | 日記
2025年08月17日 イイね!

【試乗】BMW・XM Label(G09)

【試乗】BMW・XM Label(G09)X7の変わり種かと思っていたら、なんとこの車はベース車種が存在しないM専用車種らしく、そんなモデルはM1以来なのだという。

確かによく見てみると顔立ちこそG70・7シリーズから始まった分厚い2段ヘッドライトのデザインを踏襲するが、シルエットはSUVではあるが明らかにX7と異なって低くスポーティに、そしてダイナミックに構えている。

そしてドライブトレーンもMなのでM5と同じV8ツインターボにプラグインハイブリッドである。詳細はグレードによって若干異なるが、基本はこれしかない。

***
結局のところ、SUVでもハイウェイをかっ飛ぶことしか考えてないようなハイパフォーマンスモデルというのは前々から定番のように存在しており、別にXMのような存在は珍しいものではないし、従来から存在しているXシリーズにもMはある。

だが逆を言うとBMWは走りのイメージが強いがあくまでフルラインナップメーカーであるので、相対的に走りのイメージの薄いメーカー(ランドローバーとかキャデラックとか)が走りの分野に乗り込んできたり、逆に土臭いイメージが全く無かったメーカー(ポルシェとかランボルギーニとか)がSUVに手を出してくるのと比べると、堅実ではあるもののやや存在感が薄いというような気がしないでもない状態であった。

BMW自体もSUVの処女作自体はポルシェ辺りと変わらない時期に出しており、歴史的にはそれほど長いわけではないのだが、その処女作であるX5はアメリカ市場を重視したような伝統的なSUVらしさを重視したラギットさがあったので、BMWらしい車かというと必ずしもそうではなく、X6などのようなSUVクーペにも手を出してはいるが、どちらかと言えばSUVシリーズはラグジュアリーカー的なイメージの方が強かった。

恐らくそういうイメージを覆そうとしてこのような恐竜を生み出してきたのだとは思うが、それ以上を語ろうにも歴史とかが無さすぎて語るものが無いのだが、逆を言えばSUVのMということでこれから歴史を作っていく車である。

***
中身はメインストリームから外れるモデルだけに好き勝手やり過ぎである。

そもそも最低2000万円払わないと購入できない御大尽車なのだが、とにかく厳ついシルエットにこれ見よがしにゴールドのアクセントが奢られていたりと(なんとゴールドが標準である。ちなみに黒くすることもできる。試乗車は黒くされていた)、派手好きなアメリカ・中国辺りでもちょっと忌避されるセンスのコーディネートを基本にしているので、たぶんこれ中東辺りで売るのが本番の車だろ。

知っての通り中東市場はオイルマネーを元にした常軌を逸したお金持ちが多い地域でもあり、なんというかモラルというかセンスもアレなところもあって独特の市場を形成しているので、昔から中東市場専用の超高級グレード(BMWならL7とか。日本でも売ってたけど)や純金をあしらった特別仕様車なんかがあったりする。

***
乗った感じはSUVの形をしたM5。

本当にそんな感じ。

まあパワートレインは全く一緒だし(但し今回試乗したのはレーベルなのでM5よりさらに20馬力程度上乗せされている)。

車の作り込みに対する考え方が完全にMのそれなので、独立車種としてX7を超えるウルトララグジュアリーSUVを期待するとスパルタンすぎるから、お金持ちが単純にBMWの中で一番高えSUVだ!っていう見栄だけで買ってしまうと速攻手放しそうな感じけど、Mだと考えると乗りやすくて快適至極、でもなんか味薄めだねっていうG世代特有のアレ。

少し前にXMを買っただか乗らせてもらっただかみたいな感じのナントカ活系のお姉ちゃんが乗り心地が悪すぎてびっくりしたみたいなことを言ってたのをチラ見したことがあるんだけど、車に興味が薄い人からするとそういう評価を受ける、まあそういう感じの車です。

またG90よりもさらに重くてしかもSUVらしい懐の深さがあるせいか、足回りは硬いのにフラット感も異様に高いわりと独特な乗り味をしている。

でもSUVの形をしてるけど、足回りのセッティング含めて完全に土の上は考えてないね。

あくまでアスファルトの上、それも高速道路でウェイウェイするための車。

意外と従来のXシリーズはパリダカに出たりとか、SUV的な野生的なイメージの構築に努めてたりするけど、この車はSUVの形をしたスポーツカーを作った感じ。

でもメーカーが考えているところとユーザーの捉え方が明確にズレている感じも強い。

Mを知らないと相当キツい車なのに、そうであって欲しいユーザーは忌避していてそうじゃないユーザーに第一印象で刺さってる感じ。

逆を言うと過去現在とBMWの中では比べられる車が他にないので、それくらいしか言いようがない。
Posted at 2025/08/17 21:09:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | インプレッション | 日記

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