
テスラをゆっくり使ってみよう!
ということで岐阜までやってきた。本題は岐阜県庁で開かれているシンデレラグレイ展である。
外車専門レンタカーは数あり、その中にテスラを扱っている会社も多い。
しかしそういうレンタカーは基本的に大都市圏にしかなく普段は借りる術がない。
ところでテスラはやはり電気自動車という特異性があるからか、テスラ専門で扱うレンタカー屋が各地に幾つか存在し、岐阜のCOCONEXTもその一社である。
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COCONEXTで取り扱いのある車種はモデル3の前期型RWD。
最新型ではないが前期型は乗ったことがないのでちょうど良い。
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前期型の乗り味は非常に硬いと聞いていたが、特にそんなことはない。
硬めではあるが動力性能や車格、車の性格を考えれば常識の範囲内である。
まあレンタカーで距離は嵩んでるだろうから本来の姿ではなかったのかもしれないし、ハイランド(後期型)でも乗り心地がしなやかだったRWDなので最初からこんなもんなのかもしれない。
しかしふと気づいたのだが、この個体ミシュラン(パイロットスポーツ4)を履いている。
ミシュランは軽くしなやかなタッチが特徴のタイヤで、困った時はミシュランを付けておけば間違いないと言われるほどOEM側にも絶大な信頼があるタイヤである。
恐らく他ユーザーが「硬い」と特に感じるファーストタッチの部分はタイヤで吸収してしまっているのだろう。
実際、サスペンションが動き出すと結構硬めであるところが顔を出すこと多かったので、これがブリヂストンとかだと全方位にゴツゴツとなっていた可能性が高い。
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やはり基本的な考え方としてはバネも硬めだがダンパーを非常に締めて車を味付けしているように思える。
普通の車なら大きく煽られるようなアンジュレーションでも車体が煽られず路面に張り付くように走るので、重心もそうだがダンパーが硬い。
なので姿勢変化が基本的に少なく、操作に対する車の応答が早い。
ハンドリングが鋭いのはロックトゥロックが少なめで少ないハンドル操作でもタイヤがガバっと切れてしまうという設定もあるだろうが(VGSがあるのかどうかは知らない)、この車の旋回の雰囲気はオーバーハングに重量物の載ってない車そのものであって単に重心が低いとかではこのハンドリングは出ない。
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高速域でもヨーロッパ車のように速度が上がるほど車が安定してくる感じの安心感を感じさせる味付けではないが、速度域による乗り味の変化を感じさせず一貫した乗り味で不安を抱かせないタイプのようで、そういう意味では乗りやすい車である。
またこの車は空力性能が高いので風切り音が少なく、空気の壁にぶつかってる感じが薄くするするスピードが上がっていくのも特筆すべき部分か。
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ドライバビリティの点としてはやはり「BEVの魅力とはモータートルクの立ち上がりのレスポンスである」とよく喧伝されるように、テスラがパワフルに感じるのはジャーク制御がズドンとトルクが立ち上がるように味付けしてあって、ペダル操作なりのトルクの発生が特に早い部類の車になるので、ある意味非常に分かりやすい車作りをしている。
あくまでジャークなのでゲインを弄ったときのような「操作に対してトルクの出方が思ったのと違う」ということが無いのもポイントである。
テスラはこういう「人がどう感じるか」というところのチューニングが非常にあざとく巧みなので、「らしい車」として魅了されやすい点があろう。
また、誰にも邪魔されず自由に独りで乗っていると、テスラの言うところのワンペダルドライブの快適性は確かに抜群に良いということである。
自然かつ直感的にスムーズに加減速が可能で、緊急時でもない限り気づくと本当にブレーキペダルに自然と全く触れていないことに気づく。
これは驚くべきドライバビリティである。
とはいえワンペダルが本当にいいのかといえば洗練不足だったり、ワンペダルという操作そのものへの違和感を拭えないユーザー向けに手加減してる車もあるので、これが必ずしも正解というわけではない。
前々から思っているが、テスラは非常に優秀な車好きのテストドライバーを抱えているのだろう。
ただいざブレーキペダルを踏み始めるとやや独特な挙動を示し、踏み始めの制動力が全く上がっていかない。
なのでワンペダルでは少し足りないくらいの制動力を補いたいときに全くブレーキが効かないような少々戸惑う挙動が出る。
普通の車比で少しグッと意識して踏んだところから初めて制動力が上がってくる感じである。
恐らくブレーキを踏む以前でもすでにワンペダルの回生で一定の制動力が立ち上がっていることもあろうが、踏み始めのところはもしかしたら回生と摩擦のブレンド制御の関係で一定の制動力になるよう制御しているのかもしれない。
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エアコンの効きが良くない。
しかしこれはエアコン自体の性能が低いというよりは、様々な要素が積み重なって低く感じるというところ。
まず第一に吹き出し口の設計が非常に悪い。
ミニマリズム重視で前席はダッシュボードに隠れるように配されているのだが、それにより吹き出し口に高さが無く風の縦の広がりが非常に悪い。また位置的にも普通の車よりも乗員の正面寄りのようで横の広がりも弱い。
そのため人に風が当たりにくく効きが悪く感じるのである。
そして第二に節電のために人が乗ってない席のブロアを勝手に切ってしまうようだ。
これは乗車直後の急速冷房時でも同じらしく、それにより空気の循環と空調効率が落ち、効きが悪く感じるというわけである。
こういう作り自体はトヨタのS-FLOWのように前々から存在はするものの、指図されずとも積極的に活用するのは乾いた雑巾でも絞らざる得ないBEVらしいところか。
総じてこういうところが問題点で、しばらく乗ってるといつの間にか適温になってはいるのだが、まあ予約空調で予め適温の状態で出発することもできるし、キーンと効く感じが基本的に無いのでエアコン嫌いな人には喜ばれそうな作りではある。
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Grokが何気に便利。
車載版Grokは2025年7月からアメリカを皮切りに順次展開が行われており、日本では26年7月から実装となっている。
まあAIの中身自体はスタンドアロン版とほぼ変わらず、単に車載向けにボイスチャット&カーナビ連携(将来的にはFSDとも連携するらしい)に機能を限定している形なので、スタンドアロン版のGrokのボイチャを知っていれば実はほぼ新味は無いし、機能的にはイマドキのAIに期待したいことができるわけでもなく、車の全能を司るわけでもなく、そこまで万能ではない。
なのでそういうことを予め知っていた身としては薄々分かってはいたけど、車がアスラーダになるような期待していたような何か革新的なことが始まることは特に無く、単に知り合いが助手席に乗ってきた程度の違いしかない。
とはいえ実際に使ってみると普通にどこそこまでのルートを出してくれみたいな直接的な指示以外にも、「近くの駐車場が広くて空いてそうな公園」や「時間を潰すためのいい感じの回り道ルート」みたいな曖昧なニュアンスをちゃんと解釈し、会話ベースで色々考えてくれながらルートや目的地を検索・提案してくれる(結果が合っているとは言っていない)。
そういう意味では確かにGrokがあることでドライビングエクスペリエンスは向上しており、気づくとしみじみ感心する要素である。
スタンドアロン版だと先行するAIに対して性能的に劣勢で、ライバルみたいな使い方ではイマイチ影が薄く、唯一の強みが他ではできないエロ画像とエロ小説生成みたいなところがあるけど、使い道をお膳立てしてあげるとちゃんと使えるんだな。
ただ読み間違いがスタンドアロン版で遊んでたときから気になっていたけど、相変わらず難読でもない漢字をちょくちょく間違えるところや、それ以外も妙な読み間違いがたまにあるところは変わっていない。
中身は基本同じだから仕方がないと言えばそうなのだが。
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デジタルキー機能に関しては面倒があると厄介なので連携しなかったけれども、やっぱり連携しないと使えない機能も多いので、そういう意味ではまだ「普通の車」的な状態で乗っていた。
実際のところドライバープロファイル機能は特に欲しい(まあテスラに限らずこの手の機能はイマドキの車にはよくあるが)けれども、これはこれでプロファイル設定したドライバーが複数人必要でそれなりに長く(最低数日以上)使い込んで初めて有難味が分かるような機能ということで、レンタカーではどのみちメリットを享受しにくい。
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やっぱりセンターディスプレイを基本とした統合UI思想はちょっとやりすぎ。
基本的にほぼiPadが車のど真ん中に付いていると思っていい。ディレクトリ構成からUIの作り方まで。
結局、こういうのをやるならやるでUIの整理誘導もきちんとしなければいけないのに、テスラはそれをやっていない。りんごのコピーをしただけ。
物理スイッチ・ボタンを排した機能が特にUI的に整理もされず一括で全部突っ込まれているのは勿論、ファンクションとして使用頻度の高い機能と低い機能が同じディレクトリ階層で構成されていたりと、この辺りの実際の直感性・操作性という面では非常に突っ込みどころが多い。
この辺りはiPhoneやiPadが実現した物理ボタンの廃止かつタッチ操作による直感的な利便性というものを形だけトレースしたものと言っても過言ではない。
前期型はまだウインカーやシフトレバーなどは物理的スイッチが残されているので最低限車を動かすだけならまだ大きな問題はないけれども、ハイランド(特に初期型)はこの辺りの思想がUI的に最適化されてないのにさらに推し進められているからね…
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前席の空間設計やドラポジの作り方はやっぱり80~90年代の背が低めのセダンを地で行く感じ。
結局全高が1435mmと割りと低めな割にバッテリーを積み込むために床がやや厚いので、その分室内の天地がイマドキの車としてはかなり薄い。
そういうパッケージングを成立させるためにベルトラインが低めで足を放り出すようなドラポジになり、しかも相変わらず(実際には前期型なのでちょっと変な表現だが)シートも一昔前の日本車みたいな作りで妙に窮屈で小さいので、なんだか懐かしい感じの運転感覚である。
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後席はハッチバック的なルーフラインが車の後端近くまで伸びている恩恵でこの手のセダンとしてはヘッドクリアランスは優秀な部類なのだが、足元がかなり狭い(シートの下につま先が入らないとで特に狭く感じる)ので、痛し痒しといった感じのところである。
椅子の具合は後席もやっぱり「昔の日本車っぽい」
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電ピ
エネルギー画面の見方がよく分からんのだけど、「充電以降」の項目が今回走った距離とほぼ等価に見える(バッテリーも出発時は確か95%はあったはず)ので、149.2Wh/kmというところらしい。
ルート的には岐阜羽島駅近くの拠点から岐阜県庁まで走る~高速に乗って星ヶ丘の辺りまで~星ヶ丘周辺の市街を適当にぐるっと走行~また高速に乗って拠点に戻るが大まかなルート。
良いのか悪いのかは単位が普通の車と違い過ぎるのでよく分からない。
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トータルで考えると、人から借りて一人で乗ると割りと普通の車、たぶん所有して日常的に多人数(家族共用的な意味で)で乗るととても便利っていうのがしみじみ分かるタイプじゃないかなぁと。
面白いけどセカンドカーとしては贅沢すぎる、ファーストカーとしては身の回りだけで使うならOKだけど、自分は割りとこういう風に「ええやん」で200km程度の移動は思い立ったらするタイプなので、そういう使い方をしたときに未知数(自宅と経路的に充電スポットが非常に少ない)。