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とみ~☆かいらのブログ一覧

2024年04月22日 イイね!

トヨタ・クラウンセダン Z(ハイブリッド)

なんか「クラウン」というブランドとしてトヨタの中から独立しつつあるクラウンだけど、前衛的なコンセプトとFFベースに転換したことで衝撃を与えたクロスオーバー、かっこいいけどクラウンである必要もあんまりなさそうなスポーツ、そしてこれから出るエステートに対して、今回は唯一シャーシから別物となるセダンを試してみる。

別に他意は無い、と思う。

***
クラウンセダンは新世代クラウンシリーズの中では第2弾モデルとなり、シリーズでは唯一FRベースとなるGA-Lプラットフォームを採用する。

最もGA-Lプラットフォームは先代220系とも共通しており、また現行型からはFCEVモデルも存在するが、こちらは2代目ミライとシャーシを含めて共通だったりするので、「クラウンのセダンが欲しい」という声(アキヲちゃんからもなんか言われたらしいけど)に応えてなんとかこさえることになったモデルとも言えなくもない。

でも、これだけシャーシが違うというのも非効率的なので、敢えてFRというのもやっぱり思うところがあったんだろうか。

***
とはいえセダンが法人や保守的なユーザー特化のモデルなのか、と言われると、これカッコ良すぎるんですね。どう見ても。

ローアンドワイド、そして近年のトヨタのセダンデザインの特徴であるロングノーズ・ショートデッキを極限まで推し進めたような超ショートデッキデザインとか。

でも、グレード構成は実質的にモノグレードなので、エンドユーザーに向けた選択肢が事実上無いというのは、フリート的とも言えるけど。

***
乗り味は素晴らしくスムーズ。そしてクラウン的。
スポーティという感覚は一切無いけれども、極めてフラットかつふんわりと路面の凹凸をいなす感覚はこれぞクラウンに求めていた乗り味という感じで、ここまで乗り心地が良い車っていうのは久しぶりに乗った気がする。

先代220系も乗り味の点では十分クラウンだと思っていたけど、まだスポーティの方に色目を使っていた感じもあって、ハンドルを握る分には良くてもその点が雑味でもあったと思う。

その点今回はスポーティの部分をクロスオーバーとかの兄弟モデルに振ることでセダンはコンフォートに全振りしているという感じで、ただクロスオーバーなどを「新しいクラウンです」とごり押しするばかりではなく、セダンを作ったのは正解だったのかもしれない。

でも、そんな足回りのソフトさの割りにはコーナリングなどで不安感を抱かせないなど走りの部分もしっかりしていて、この辺りは220系などでも定評のある走りの部分も備えたGA-Lプラットフォームの面目躍如、往年のような乗り心地だけの車でないところも特筆すべき部分である。

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とはいえ動力性能は従来のクラウンでも2.5リッターくらいの雰囲気で、速からず遅からず全く印象に残らない。

ただひたすら静かでスムーズ、乗り心地の良い足回りと合わせて、走りの世界は確かにクラウンであるが。

伊達なエクステリアの印象から、パーソナルユーザー向けにもっとパワーがあっても、というか先代にあった3.5リッターのマルチステージハイブリッドくらいはあっても良いとは思うのだが、足回りとのバランスを考えるとあんまりパワーがあるのも考え物かな。動力性能が低いからこそコンフォート一辺倒でも成立するとも言えるので。

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ユーティリティ・ホスピタリティの点からいうと、言われて気づいたのだが現行型からクラウン特有のスイングレジスターと、上級車ならではのリヤ独立クーラーが無くなっている。

まあこの辺りは絶対的に何か便利になったりというほどの装備ではないし、無ければ明らかに見劣りする装備や機能は当然ある、それにコネクティッドナビのような新世代のサービスには対応しており、この辺りがいちいち何かアピールをしてくるので寂しい感じはあまりしないのだが、車が甲斐甲斐しく何かをやってくれることを期待するという意味では、従来の旅館の仲居さん的なウェットなホスピタリティから、ホテルのコンシェルジュ的なドライなホスピタリティに転換したという感じで、この辺りは時代の流れなのかなあという感じである。

とはいえ、従来の日本的なホスピタリティも近年ではむしろドイツ車なんかがやらんでもいいようなところまで手を突っ込んでくるようなお節介さを見せていることを考えると、そういったところの大御所であったはずのクラウンが逆にかつての欧州車のような顔をしているのは、やっぱりこう寂しいものがある。

でも、レクサスLSやセンチュリーのような更なる上級車種もまだトヨタは抱えていることを考えると、これがトヨタの限界とは到底考えられず、パワートレインとかの作りもそうだけど、セダン市場の見極め的にあまり派手なことは最初からはやらず、ロイヤルサルーン「G」というよりは素のロイヤルサルーンを作っただけのような感じでもある。

***
後席は・・・なんか狭いね。

シートは前席にも増してフカフカだ。
このあたりは座席としてはがっちりしていてもどこか前席をもうひとつ付けているようなミニバンの2列目とは異なった価値観ではある。

でもやっぱり空間設計的に「後ろは壁」っていう感じが大きいし、これはセダンではよくやる手法だけど視界確保のために前席より一段高い位置にヒップポイントを持ってくる設計が逆にヘッドクリアランスの圧迫感を出していたりして、如何に足元とかを広くしてもどうにも閉塞感が出てしまっている。

故にどんなにセダンとして真っ当に作っても後席では同じセダンでも前席では気づかない息苦しさみたいのを感じてしまって、なるほど高級車としてもミニバン(アルファード)が売れるわけだと。

***
なんだかんだで車の出来自体には満足したんだけど、高い金を払って買う車にしては、面白みが無いかなーって。

なんかその辺りには先進性の強調のために過剰に色んなことをしてくるBEVの高級車や、従来の手法ではやることが無くなってクラウン的な部分の土俵にも踏み込んできた欧州の高級車の方に利があり、さらに絶対的なユーティリティやコンフォート性ではミニバンの方が上と、単にそういうところに気付かれたからセダンや国産高級車って売れなくなったんだろうなあと。

なんかそういうところが良く出ていた車でちた。
Posted at 2024/04/22 01:08:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | インプレッション | 日記
2024年04月21日 イイね!

BYD・ATTO3

いよいよ日本上陸を果たした中国車。

と言っても乗用車では実は紅旗の方が参入も型式認証も早かったのだが、中国を代表する高級車であり、元々あまり拡販は望めないであろう紅旗の動きは鈍く、一般にはBEV専門ブランドという飛び道具もありBYDの方が印象は強くなるのではないかと思う。

BYDは1995年創業という非常に新しい会社であり、本業は電池メーカーであるが、自動車産業へは2003年に参入したという。

当初はプラグインハイブリッド車の製造から始まったようだが、BEVを強烈に推す中国政府からの追い風も受けて、今やBEVメーカーとしてはテスラと世界一を争う巨大なメーカーとなっている。

その巨大さ故なのか日本展開の方も極めて迅速かつ巧妙に進められており、先行するテスラが良くも悪くも我が道を行くスタイルで名目上は全国展開でも不便なのか便利なのかよく分からない体制で、ちょっと興味がある程度では手が出しづらい状態であるのに対して、BYDはオーソドックスに店舗を拠点に販売・サポートを行うスタイルであり、従来の自動車の商習慣に慣れた人にも受け入れやすい方向性を意図している。

勿論、まだ「開業準備室」という形で正式な店舗を持っていない地域も多いのだが、ほぼ47都道府県すべてにディーラー網を展開するという、輸入車ディーラーとしては破格の体制を構築しつつある。

石川のBYDディーラーは当地でBMWディーラーなどを展開するEPMが担当することになっているが、現時点では上記の「開業準備室」扱いとなっており、正式な店舗はまだ開業していない。

現在販売店検索で出てくる店舗所在地は恐らくEPMの本社または系列店の架装工場が本来の役割のようで、そこにBYDのディーラーを新たに設立する形と思われる。

***
ATTO3はCセグメント前後のSUVとなるが、4駆モデルは設定されていない乗用車色の強い性格となる。

BYDはテスラなどの先進性最優先のブランドと比べるとオーソドックスな車作りを志向しているようで、インフォテインメントシステムは高度な自然言語処理が可能な音声認識・制御機能を持つなど最近の車らしい部分もあるが、自動車の基本となる運転操作などはインフォテインメントから切り離して従来の自動車とほぼ同等のUIを備える、Cセグくらいの車だからコストの縛りもあるのだろうがなんでもかんでも電動・自動化はされていないなど、「説明書が無いと動かせない車」感は意外と薄い。

普通に乗り込んで、パワースイッチを押して、シフトレバーを動かせばあとはアクセルを踏み込むだけという、車を動かすに当たって慣れた光景が広がっている。

またBEVであるにも関わらずワンペダル操作はテスラとは逆に一切対応しないなど、この辺りのコンセプトの違いは世界を代表するBEVメーカー2社で明確に分かれているのは大変興味深い。

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車としての乗り味はATTO3はBEVとしては破格の公称航続距離470kmを誇る長距離ランナー的な部分とは相反して、シティコミューター的な小回りの利きやすい部分を重視しているらしい。

乗り心地はスムーズで優しく、各部の操作性も軽く乗りやすい。
ぐにゃぐにゃしているのではなく、強固なボディにちゃんとバネとダンパーをチューニングしたふんわりした方の柔らかさなので、乗り味の質感も上々。
総じて輸入車的な、或いはBEV的なごっつい乗り味に辟易してる人にも受け入れられるものと感じられる。

パワーフィールもおっとり加速しておっとり減速するという感じで、ICEのエンジンブレーキと比べるとやや強めに調整された回生ブレーキはちょっと目立っていたけれども、全体的にリラックスして乗れる車に仕上がっている。

***
BYDは本国ではいろんな車を出しているので、新興メーカーに類するとはいえすでに設計のノウハウはかなりのところまで貯まっているようで、お洒落な遊んだ内装とかのイメージとは裏腹に自動車としてケチが付くような設計の粗や、機能面での不備は認められない。全く普通のCセグメントSUVとして付き合えてしまう。

とにかく「ここはライバルと比べて不足と言わざる得ない」や「これはさすがにオーバーコスト」みたいな部分がなく、プレミアムCセグメントモデルとしての「見切り」のバランスの良さが目立ち、なんか自動車メーカーとしてめちゃくちゃ手慣れた感じがある。

ただ、シートなんかが一昔前の日本車的な感じで、クッションはソフトに仕立てられているが若干サイズ感に不足を感じるので、街乗りを重視しているという売り文句そのままに、恒常的に或いは一気に長距離を走るような乗り方はあまり想定していないのかもしれない。

中国って結局なんだかんだで結構車で長距離を走る文化のようなので、この辺りの仕上げに関しては案外日本より知見が貯まりやすいというか要求のプライオリティが高いんじゃないかと思うので、わざとやってるんじゃないかなあ。

***
そんなわけで、自動車としては極めて手堅くまとまってはいるのだけれども、反面手堅過ぎてなんか日本車みたいなので、20年前にヒュンダイが「劣化日本車扱い」で大失敗したように、「輸入車」が欲しい人には輸入車っぽい部分が案外無いし、「中国メーカー」という大マイナスポイントがあるので厳しい車かもしれない。

でも、きめ細やかなディーラー網を築いたり、第一印象を重視したCMを打つなどの泥臭いマーケティングは、如何に日本市場に受け入れられるかということをよく研究している感があり、「輸入車というよりはBEVのブランド」という確変要素がある以上、ディーラー網が完成した暁には今までの輸入車とは違った意味で受け入れられるかもしれない、そんな気もする。

実際ATTO3ってたまに走ってるんすよ。テスラよりは少ないかな程度の割合で。
Posted at 2024/04/21 19:06:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | インプレッション | 日記
2024年04月06日 イイね!

テスラ・モデル3 ロングレンジAWD

テスラ・モデル3 ロングレンジAWD9年ぶりくらいのテスラ。

モデル3はテスラの最量販モデルとして登場したD~Eセグメントくらいのセダンモデルとなるが、今度出すだか開発中止だかで揉めてるさらにボトムの「モデル2」なんてあるんだっけ?

今でこそ世界各国で順調に生産が進んでいるモデル3だが、当初は製造の開始が遅れに遅れ、2017年に生産が始まってもトラブル続きで実際に生産できた台数が数百台とかいうレベルで思うように進まず、40万台とも言われた受注に対して本当に大丈夫なのかと周囲を不安がらせたりもした。

***
エクステリアデザインはモデルSを一回り縮小したようなハッチバックとノッチバックの中間のようなシルエットだが、ハッチバックとなるモデルSに対してモデル3は室内とトランクの間に隔壁を持つセダンとなる。

また、昨年デビュー以来初めての大幅改良があり独特の愛嬌があったカエル顔から、モデルSのようなシャープな、それでいて古典的な自動車的な顔立ちにフェイスリフトした。

テスラは搭載されるハードウェアのバージョンアップなど細かい変更を定期的に行っており、マイチェンなどの括りが従来の自動車とかなり違うのだが、今回のフェイスリフトを伴う変更をもって「フルモデルチェンジ」と謳うメディアも存在する。
が、車台自体には変更が無く、メーカー的には普通に「マイナーチェンジ」だそうだ。

***


ミニマリズムを追求したシンプルなインテリアは、やりたいことは分かるけど大雑把で消化不良感も大きかったモデルSと比べるとさすがに一気に洗練され、コンセプトとデザインが一致したように思う。

パッケージングの方も大幅に進歩しており、バカでかいのにどこか窮屈なモデルSとは違いサイズなりに常識的な空間設計となっていた他、乗っていてどうしても気になってしまう不思議な粗も認められなかったので、テスラも自動車メーカーとしての成熟を急速に高めており、普通に乗用車として合格点を与えられる。

またD~Eセグメントに位置する中級車でありながら装備の充実度は目を見張るものがあり、あらゆる部分が電動化され、シートヒーターなども全席完備、リヤシート向けのエンターテイメントシステムに至るまで用意されるなど、下手なFセグメントを超えるほど至れり尽くせりぶりである。

ただ、ほとんどの操作系・計器類を中央のメインモニターに統合するやり方はモニターUIの複雑化を招いており、正直これで操作性が改善しているようには全く思えない。

ナビなどのインフォテイメント周りはスマホ・タブレットライクな操作性の高さを持つのに、基本の自動車としての機能の部分──例えばステアリングやミラーの調整などはモニターでファンクションを呼び出した上で、ハンドルのスイッチで最終的な調整をするという二段階の手順を踏む必要がある他、必ずしもモニター内だけで操作が完結しないなど、直感性が高い部分と最悪な部分が同居してしまっている。

何故かエアコンの吹き出し口が電動になっててモニターでグリグリ操作できたりするのは面白いんだけど。

シンプルな操作で複雑な情報を扱うという統合思想は近年では各社で見られるが、その開祖であるBMWのiDriveなんかも初期の頃はあまりに操作系をシンプルにすることに気を取られ過ぎて肝心のシステム側の構造の複雑化などを招き、実際の操作性・実用性には問題も多く、その改善のため旧来的なUIへの一部回帰をせざる得なかっただけに、テスラもこの後その辺りの折り合いをどうつけるか、見ものである。

個人的にはまだ昔のモデルSの方がその辺りの塩梅のバランスがよくて、色々直感的に良かった気がするけどね。

でもその割りには何故かパワーシートスイッチだけはシート側に独立して付いてるんだよな。

***
運転を始めて一番面食らうのが「ボタン式ウインカー」だけど、これはGTフォースだな!

PCでユーロトラックシミュレーターとか遊ぶときにハンドルに付いてる十字キーにウインカーを割り当てたりしたけど、あのノリ。

でも左右ウインカーボタンの配置が上下になってたので、だったら実車でも十字キー付けた方が良かったんじゃないの?

***
ドライブフィールの方はトラディショナルな自動車感も残っていたモデルSと比べると、モデル3は一気にロボットカー感を強めた。

何でも、完全にワンペダル操作に最適化させたそうで、走行モードはワンペダル1モード、モデルSでは可能だった回生ブレーキの調整や、クリープなどの動作が削除された、とのこと。

またブレーキホールドも完全に自動動作するようになっており、ワンペダル操作と合わせて統合的に制御されているようだ。

そのため発進から停止に至るまで常に車が人間の操作をオーバーライドして「何かしてる」感がバリバリと伝わってきてしまうのだが、この車ならそれも味や個性の一部か。

ワンペダルの操作性自体はモデルSのときにも感心したように極めて自然で直感的に扱えるのでこれでも問題は無く、普段は全くブレーキペダルに触れなくても安全に走行できるのだが、何故こういう操作体系になったのかというと「足の移動を最小限に抑えることで運転ストレスの低減を狙った」なんだそうだ。

でもこれが本当にストレスの低減につながるのか?と言われるとどうなんだろうね。
住めば都とはよく言うけれども。

***
また街乗りの感触では足回りがかなり硬い。恐らくダンパーの方がかなり締まっている。

ボディ剛性も極めて高く感じるので、ハンドリングマシンとしてはかなりいいとこ行ってるのだが、快適性はと言われると同乗者には不快感を訴えられる一歩手前といったところで、路面の状態に合わせて縦揺れ・横揺れの周期がかなりはっきりしている。

そんな感じなので革新的でデジタルな感覚のドライブインターフェースと比べると、走りの方は魔法の絨毯のようにスムーズとはいかずかなり古典的なスポーツセダン風味。

この辺りはモデルSとも共通しているので、走りの味付けはかなりの車好きがやってるんじゃ?

***
ところでテスラといえば自動車販売としては特異なサービス体制が挙げられる。

今回の試乗は「特別試乗会」ということで名古屋のショールームから試乗車とスタッフが派遣されてきていると思われるのだが、相変わらず販売は事実上実店舗を持たず、公式ホームページ上から注文する通販スタイル。

なので、「ディーラーが無い」というのはテスラの場合端から作る気が無いのだが、一方でそういう感じにネット経由でいつでもどこでも注文できるし納車もする、サポートは専門の人員などを随時派遣するので実質47都道府県すべてをカバーしていますという主張である。

最もそれ以外にもサービス拠点として各地の整備工場と提携して特約店を設けており、恐らく今回の試乗会も近所に新たにできた特約店絡みのものであると思うのだが、特約店はあくまで修理などのサービス拠点でしかなく販売は扱わない模様。

一方で特約店があるからといって出張サポートは無くなるのかというとそうでもないそうなので、まあより手厚いサービスが受けやすくなるという点では喜ばしいのだけれども、それでも今のようなスタイルは少なくとも日本では「知る人ぞ知る」になり、「店が無い=存在しない」という認識になる人間は普通に多いので、一般ユーザーにリーチするためには実物を見せてちゃんと買って扱える拠点が最低1県に1店ずつは要ると思うんだけど、イーロンにその気は無さそう。

***
結局、テスラって結構不思議な車なんですよね。

お作法に従来の自動車の文法を完全に無視した未来的な部分を持たせるのに、スタイリングとか走りの乗り味の面では少なくとも従来の車好きにも訴えかける部分を持たせている。

この辺りは中国系のBEVがテスラの成功や政府の後押しもあって先進性一辺倒でもやっていけてるのと比べると、BEV専業メーカーとしてはパイオニア的な位置にあり、従来のしがらみから逃れられなかった点とも言えるのかもしれないけど、その分自分らのような古い車好きには安心できる部分でもあると。

ま、あとは壊れなきゃ文句は無いんですけどどうですかその辺り。
Posted at 2024/04/06 20:40:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | インプレッション | 日記
2023年12月10日 イイね!

【試乗】ニッサン・スカイライン 400R

V37スカイラインも登場から早10年。

当初はハイブリッド専用車としてインテリジェントに登場したかと思えばベンツとの協業で2リッターターボ仕様が登場したり、ある意味スカイライン本体とはあまり関係が無さそうな400Rの名前を復活させてみたり、モデルサイクルの中で車の立ち位置というかコンセプトはころころ変わっている気がする。

その上ハイブリッドモデルは何故か騒音規制をパスできず、今は400Rを含め3リッターターボのICE仕様だけという、当初のラインナップから比べたらまるで別の車のようになっていますが。

で、今日は400Rなわけです。

***
400R。

かつてスカイラインGT-Rのコンプリートカーとしてニスモが送り出した限定車に使われたグレード名である。

ニスモ設立10周年記念としてサニーベースの「180R」、シルビアベースの「270R」、そして「400R」の3台のコンプリートカーを送り出したのだが、まず180Rはどうもコンセプトだけで実際には販売されていないらしく、270Rも限定30台と生産数は極少、そして400Rは何故か最も多い99台を生産予定であった。

しかし、新車当時は評価が最悪だったBCNR33をベースとした400Rはベース車の倍となる1200万円という高価格もあって、結局販売台数は38台とも60台とも言われ、どのみち予定数の99台は売り切れなかったらしい。

今だったら即日完売だろうに。

で、これらコンプリートカーの数字の意味はもちろん馬力に由来しており、今回の400Rも実際には405馬力とちょっと多いのだけれども、やはり同じくエンジン馬力に由来しているはずである。

***
しかしカタログとかでは如何にもイカつい感じに紹介されている400Rだが、まずエクステリアもインテリアも標準車とほぼ同じである。あれ?

正確に言うとスポーツバンパーは装着されているのだが、400R専用品ではなくGT-SPと共通の模様で、それより下のグレードとは見た目は違うけれども少なくともGT-SPとは共通。うーむ。

***
気を取り直して乗り込んでみても、まず迎え入れてくれるのはとっても乗り降りしやすいコンフォータブルなシート・・・この手の車としては珍しくラグジュアリーグレードのシートをそのまま使っている感じで、サポート感は並でハイパワースポーツっぽくない。

目の前に広がるインテリアは最早10年間代わり映えのしないもので、特に語る部分は無い。

ただ、ステアリングとかの質感はかなり悪い。
革巻きのはずなのにウレタンステアリングに近いガサガサとしたグリップ感。

ドラポジはかなりアップライトだな。
セダンらしい寝そべり感があんまりなくて、最近のヘタなSUVよりも高く座らせる感じがする。

単純なグランドツーリングとしての快適性を考えればこれでいいと思うけど、スポーティさとかの演出・雰囲気ではかなり劣る。

***
エンジンをかけてみよう。

・・・普通だ。

400馬力もあって普通のグレードと明確に分けてある割には何のひねりも無く普通にブーンと始動して、こう、ウチの車とかGT-Rで見られるような、普通の車とは一味違う咆哮で如何にもスペシャルを感じさせる演出が無い。

まあ今それをやろうとすると騒音規制に引っかかる可能性があるから、もしかしたらそういう演出は無くなったのかもしれないけど。

でもアイドリングとかが落ち着いたあとの音圧も全体的に普通に高級車レベルに抑えられていて・・・っていうか、昔のハイブリッドはもっとうるさかったような記憶があるんだけど???

***
走り出してみる。

まず普通のトルコンAT由来のクリープのある走りがなんとも嬉しい。
アクセルゲインも400馬力に対応したのか、以前よりもかなりリニアに、穏やかになった気がして、ハイブリッド時代のビュンと飛び出すようなアジリティ(?)は姿を消した。
まあ400馬力あって無遠慮に飛び出したらあぶないよお。

そして店の敷地を出て公道をいざ走り出してみると、なんかめちゃくちゃ乗り心地がいい。
正確に言うと、柔らかい。

路面からの入力があると最初のワンタッチで一瞬ぐにゃってくる。
そのあとにスッと減衰して車の動きが止まる感じ。

でも最初の一瞬の動きはどっかゴムパーツ絡みの動きなんだろうけど、それ以降も全くガツガツ来ずあんまりバネは硬い感じがしない乗り心地。

フラットでハーシュネスは全くないから至極快適ではあるのだけど、全体的にこの手のスポーツグレードとしては非常にソフトな感じで、電子制御ダンパーはあってもこれで400馬力支えられるの?って感じの頼りなさがある。

世界初のステアリングバイワイヤであるところのダイレクトアダプティブステアリングは相変わらず異次元のステアフィールで路面からのキックバックを一切伝えず、そのくせどこをどう走ってもハンドルの向いた側を正確にトレースしてブレない驚異的な精度の走りを見せてくれるけど、表面的なフィーリングはこれも軽々。

昔のハイブリッドのあったころのV37はもっと乗り心地も走りも粗野な感じだった気がするけど、400Rっていう如何にも荒々しそうな見てくれに反して、車はより丸く高級志向になった気がする。

***
次に「ぜひ試してくれ」ということでドライブモードセレクトをいじってスポーツプラスでちょっと走ってみる。

このドライブモードセレクトはスロットル・トランスミッション・サスペンション・ステアリングの統合制御のはずなんだけど、少なくともスロットルゲインは高くなっているんだけれども、それ以外はなんか変わった?っていう程度の違いしかなく・・・。

あ、400馬力のパワーはとてもよかったです。

***
総評としては、如何にもスペシャルグレード的な宣伝をしている割には実際にはごくありふれたカタログラインナップの一部に取り込まれている車になっている。

BMWで言えば、400RはM3やM5じゃなくて、M340iとかM550iポジション。
レクサスでもFではなくて、Fスポーツレベル。
実はスペシャルグレードじゃないっていう。

でもああいうガチのスペシャルモデルはマジで「本格派スポーツカーに実用車のボディを被せた車」になってて、セダンだろうがSUVだろうがミニバンだろうが実は普段使いがしんどい車になってたりするけど、400Rにはそういう気難しさの部分が一切無いので、これはこれでありなのかもしれない。

でも、「400R」って名前や400馬力ってパワーに、標準車とは違うスパルタンさを感じたユーザーとは間違いなく方向性を違える作りになっていると思う。
Posted at 2023/12/10 21:08:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | インプレッション | 日記
2023年11月19日 イイね!

【試乗】トヨタ・ヴェルファイア Z・Premier(5BA-TAHA40W)

大型ミニバンの大正義・アルヴェル兄弟がフルモデルチェンジした。

かつてはアルファードを超えるほどの人気を誇ったヴェルファイアも、先代30系のマイナーチェンジではちょうど同時期に販売店系列の再編があり兄弟併売になったことと兄弟間の差別化に失敗したことが合わさって、需要のほぼ全てをアルファードに吸収されるほどの不覚を取ることとなり、一時はモデル廃止が囁かれるほどだったものの、無事フルモデルチェンジを果たすことが出来た。

今回のフルモデルチェンジでは、かつてのY34セドグロのように車種間で仕様を若干差別化することで個性を表現しており、アルファードがコンフォート・ヴェルファイアがスポーツ寄りの性格となる。
またそのせいか両車からエアログレードが消滅し、ボディの仕様は一本化された。

そのほか、最上級グレードのエグゼクティブラウンジは両車に共通して設定されるものの、標準グレードではアルファードに対してヴェルファイアではハイブリッドの他にターボエンジンが設定され装備も充実しているなど、やや上級を志向する。

***
というわけで今回はそんなヴェルファイアターボ。

本当ならエグゼクティブラウンジにターボがあったうれしいのだけど、日本では(今のところ)そんなものはない。

このターボエンジンは直4・2.4リッターとなり一見フツーのNAエンジンのターボ版に見えるが、279馬力と430N・mを発生するので、ずばり先代までのV6エンジンモデルの代替となる。

馬力は先代よりも20馬力下がったがトルクは逆に70N・mほど太くなっており、ダウンサイジングターボらしく低速からトルクが出る設定となっているので、より実情に合わせた選択と言える。

しかしながら、シンプルなICE仕様だけに特に加速時には直4の音というのが思いのほか車内に透過してくるので、サウンドという点ではあまり上級感は感じない。

絶対的にはものすごく静かな車なんだけど、この直4の音の軽薄さがノイズに感じるので、この点は先代までの方が明らかに上質と言える。

パワーの点ではさすがに車重が2200kg近いので、このパワーとトルクをもってしてもアクセルを踏めばまあまあ速い感じのごくごく普通というレベルに留まる。

だが少なくとも気持ちだけ前に行ってしまうような事は無い。
そういう意味ではドライバーの感覚に合った余裕は間違いなく提供してくれる。

逆を言えばアルファードではICE仕様はNAエンジンとなるので(車重も100kg程度軽いが)、この車格では最早この程度のパワーは無いと余裕のある走りは得られないということになる。

***
足回りの方も車種間で性格分けされたこともあり、ヴェルファイアはややスポーツ寄りのセッティングとなる。

最もスポーツとは言っても車の性格上ガッチリ固めて~というのは当然できないので、クラウンアスリート・セドグログランツーリスモ的なスポーツである。

先代までは運動性はほぼ完全に犠牲にした形で快適性第一のセッティングだったが、今回のヴェルファイアでは少なくとも車の応答性の面では「荷重移動」というものを悪い意味でしっかり意識しないとマトモに走らないほどの鷹揚さは消え、一般の乗用車と同等レベルには軽快な応答を返してくるようになった。

なので運転は非常に楽である。

そして乗り心地がまた素晴らしく、パッシブのサスペンションとしては恐らく究極レベルにフラットな乗り心地で、上記のような必要な運動性を確保しながらボディは一切揺れず突き上げられずで、高級車としては満点である。

この車の2列目に座れる人は幸せですよ。

ただ一点、妙なローリング方向のふわふわした緩い揺れが出ることがあるのは何だったのかなと。

***
個人的には液晶メーターに外車みたいに詳細なナビが表示されるようになっただけでも大満足です。

***
でもこの車の真価はやっぱり下取りだよ。

5年残価53%は反則。

これなら迷わずエグゼクティブラウンジ買います。ターボないけど。
Posted at 2023/11/19 20:10:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | インプレッション | クルマ

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