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イイね!
2023年09月24日

マツダ・CX-60 XD-HYBRID Exclusive Modern

本当はCX-80の方がいいんだけど。

***
10年近く前、直6エンジンとFRプラットフォームを一挙に新規開発すると聞いた時には、マツダの企業規模や世界的なダウンサイジングの流れ的に机上の空論としか思えなかったけれども、マジで出しやがった。

最も、初期のSKYACTIVがコンセプトはともかくとしてトータルの仕上がりは荒削りであったように、今回もまた初物特有の荒削りさが話題のようで───。

***
乗り出してすぐ、たとえばいい意味で以前と変わらない馴染みのドラポジを自然ととれるところとか、プラットフォームも年式もまるで違うのに車の一挙手一投足に覚えがあるところとかは、この辺りの設計思想はいい意味で10年間一貫していて、同じメーカーを乗り継ぐ人には統一された設計思想を伝えてくる───欧州車に近いブランディングがずっと貫徹されていると思う。

そういう意味では乗りやすい車ですね。

***
プラットフォームそのものは大重量を支えるべく、しっかりと剛性が確保されているようで、ディーゼル+マイルドハイブリッド+4駆で2t近い車重を誇る割には悪くない。
少なくとも初期型のGJアテンザとかで感じたような線の細さは一切無い。

それはもう、とても重いであろう20インチホイールをしっかり履きこなせている時点で合格である。
アテンザの時は19インチを全く履きこなせていなかった。

で、話題の乗り心地だけど、確かにギャップとかを踏むと片っ端からバンバン跳ねる乗り心地、これは確かにちょっとすごい。

これくらいテストコース転がすだけでも速攻気づくはずなのに、なんでこのまま出してしまったんだろう。

今のマツダの初期型ってコンピュータ設計だけで済ませてるのかな。

でもよく見るとハーシュネスのピークは丸く、周波の短い揺れが連続しているだけである。
SKYACTIVの第1世代の車に共通していた、如何にもばね下重量が重く、微細な入力に対しては全くサスペンションが反応しないような、鋭い衝撃を感じるハーシュネスではない。

少なくとも、足回りそのものは微細な入力域からそれなりに動いているはずで、そういう意味ではサスペンションの洗練性は格段に良くなっていると思うし、シャーシ剛性の高さもそれを助けていると思う。

ただピロボールジョイントを使った車に共通する「曖昧さ」の無い部分が、恐らくはダンパーやバネ特性の設定のまずさでたまたま極端に強調されてる状態と見た。

なので、これは案外簡単に直るね。

***
ドライブトレーン。

こちらも話題のトルコンレス8速AT、こちらはスターティングデバイスに湿式多板クラッチを採用したものだけど、見事に大変思い出深い乗り味を思い出した。

そう、かつてのホンダマルチマチックSである。

かつてのHMM-Sもスターティングデバイスに湿式多板クラッチを採用しており、発進時の半クラッチに対するカカカッと軽いジャダーのような引っかかり感や、トルク増幅が無いことによるクリープの弱さ、発進時のエンジンのストール感などは、HMM-Sと全く一緒だった。

これはチューニングでどうにかなるレベルじゃなくて、根本的に解決するには従来のトルクコンバータみたいな流体クラッチに戻すしかないと思う。

ただ、HMM-SはCVTだったので発進してクラッチが繋がってしまえばあとは基本的にクラッチが緩解するのは車が止まるときだけだったので、全体として湿式多板クラッチを採用したことによるネガがあまり目立たたなかったが、この車はステップATなので、変速のたびにクラッチを解結する。

となると、変速のたびにクラッチがすっきりと解結せずギクシャクとするのが感じられて、特に低いギアの挙動がシングルクラッチのAMTに近い感じになっていて、変速時のトルク変動が結構はっきり分かるんですね。

あと、当然クラッチをつないだままではこの構造だと回転を落としていくとエンストとかしてしまうので、エンスト防止やエンジンがハンチングすることによるギクシャク感を防止するためにシフトアップ・ダウンともにかなりビジーシフトになっている。

この辺りが普通のATとかなり異なる挙動なので、違和感になっているのだと思う。

これもクラッチ側でトルク差・回転差を吸収できない以上は、構造上もうどうにもならない部分ではないだろうか。

逆に昔のフランス車とか乗ってた人には、あまり違和感が無いところ。
MT乗りでも同じだと思う。

でも、やっぱり根本的な解決はトルコンかフルードカップリングしかないと思う。
あとは厳密にコンピュータでエンジンの回転を変速時に合わせるか。

そういう意味ではこのトランスミッションは「やっぱりなあ」という予想通りの挙動をしており、これはこれでこの車の「個性」として受け入れるのが最善と思われる。

これ以上洗練させようとするとかなり手間が掛かるか、表面上はスムーズに作動してても実際にはミッションやクラッチに大きな負担を掛けることになると思う。

***
自慢の直6エンジン・・・SHシリーズと比べると圧縮比が上がっているせいかディーゼル感が増している。
というか、せっかくの直6のスムーズさがよく分からん。

アクセルを踏んでもガオーっとトラックみたいに唸って、思ったほどは鋭くない加速をするという感じで、野性的・古典的ではあるけど、直6とかからイメージされる官能とかその辺りとは対極にいる感じがした。

昔のランドクルーザーのエンジンを現代風にブラッシュアップしたらこんな感じかな。
ニッサンにRDっていうRBベースの6発ディーゼルがあって、あれはディーゼルの癖に非常に軽快かつRBみたいな音と回り方してたけど、ああいうのとは違う。

あとやっぱり3.3リッターもある割には排気量ほどのパワーが無いのがとても残念に思う。

やっぱり3.3リッターあるなら300馬力はないと。

SH-VPTSは搭載されていた車の車重が比較的軽かったこともあるけど、ブーストが掛かるとバキューンってぶっ飛んでいったし、何より当時激賞されたように、ガソリンエンジンのようにスムーズだった。

***
まあ、良くも悪くも勢いだけで作った車らしいインパクトはあると思います。

車としての軸は明確で非常に分かりやすい。

これは本当に10年前にアテンザとかCX-5で感じたようなノリと一緒。

でも、良くも悪くも改善点が分かりやすかった以前と比べると、今回は基本は本当によくできているので、「欠点」として挙げられている部分の改良は「それを選んでしまったがゆえに発生している」という感じで、対策するなら結構手間が掛かるんじゃないか、そういう気が致します。
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Posted at 2023/09/24 19:40:00

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