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イイね!
2024年07月20日

【試乗】ホンダ・フリード ハイブリッド AIR EX (4WD)

気が付いたらめちゃくちゃ売れてるBセグメントのミニバン。

その需要を切り開いたのはトヨタのシエンタだが、ホンダではフリードの基となっているフィットが現行型になってから低空飛行を続けており、フリードの方は相対的にセールスが落ちなかったので、先代はモデルライフ後半になってホンダの登録車のベストセラーに躍り出るほど売れていた。

最も考えてみればミニバンとして3列全てを使うのは苦しくても、単純にスライドドアの乗降性の高い小型車と考えれば極めて実用的な車であるのは確かであるので、事前にはその需要が一切観測されていなかったのにワゴンRやタントがその概念で軽自動車自体の概念を変えたように、この手の小型ミニバンは明確に声を上げることはなくても潜在的にユーザーが望んでいたパッケージングの車だったのかもしれない。

***
セダンライクな非常に低いドラポジをしていて着座姿勢だけなら何気にスポーティなフィットと比べると、一気にアップライトに座らせるミニバンらしい着座姿勢に改められており、広いグラスエリア・センターコンソールを取り払い解放感を重視したインパネデザインもあってミニバンってやっぱり広いんやなぁって感じで期待通りの雰囲気でとても気持ちがいい。
どうせならグラスルーフも欲しくなるくらいの解放感である。

***
乗り心地は極めて重厚。フィットの街中を軽快に駆け抜けるソフトさと比べると、そのソフトさはそのままに上屋がどしっと安定していて、高級感すら感じる乗り心地。

ただ、これはハイブリッド車だと車重が1.5~1.6t前後に達しており、この車重が乗り心地の面ではプラスに働いた面があると思う。

最も重いグレードでは1580Kgにもなり、これは一昔前ならばクラウンクラスの車重である(今回乗ったグレードは1560Kg)

ハイブリッドだから重いのかと言われればガソリンでも1.4t前後あるので、単純に車自体が重い。

そもそもミニバンは重くなりがちといってもライバルのシエンタと比べても全体的に100Kg程度重く、どこをどう作ったらここまで重くなるのかとかなり謎な部分がある。

重い上屋は走りの安定感や乗り心地の重厚感にはプラスではあるものの、単純に重い車は経済性は悪いし、1.5t超えたら重量税も上がるし、Bセグメントで重量税が1.5~2tクラスに入る車っていうのもなかなかすごい。

***
ただ、個人的に一番重要だった後席(セカンドシート)のユーティリティがちょっと微妙。

何というか、床が高い。

前席は前述の通りで「ミニバンっていいなあ」って素直に思えるものなのだが、後ろの方はドアを開けるとまず床に謎の隙間があるのが目に飛び込んでくる始末で、完全な二重床状態になっている。
最初それに気づかず前席の感覚で乗り込もうとしたときに足を引っかけてしまった。
(よく見るとスライドドアのごっついロアリンクが挟まってるが、それだけで!?という感じ)

改めて乗り込んだときの感覚も明らかに足を上げて「よっこいしょ」という感じで、床に足をかけると膝が90度くらい曲がる。

これは大型SUVに乗り込む感覚に近く、いわゆる「スライドドアで小型のミニバン」という利便性を求めるユーザーに対してこの「敷居」の高さはいけない。

明らかに新型フリードのライバルに対しての一番かつ致命的なネガティブポイントであり、ピラーにアシストグリップを付ければいいというものではない。

だからライバルのシエンタはカタログに大々的に開口部の写真や床面地上高を載せて、床が低い!って宣伝してるのに、フリードは開口部すらはっきりわかるような写真が存在しないんだな。

これで先代までにはあったという、オプションのステップは新型からは削除されたというのだから、どういうユーザーがこの手の車を望んでいるのか、というかN-BOXをどういうユーザーが買っていっているのかというリサーチや情報の共有等々、全く出来ていないのでは?

だから前席と比べると後席はセカンドシートでも床の高さの分ちょっと天地が狭く、前席の余裕のある着座と比べると膝が浮いてくる感じになって若干窮屈感が出てくる。

後ろに人を乗せたいのにこれはどうなんだろうなぁ。

***
ところで、この車はホンダご自慢のe:HEVシステムである。

システムの詳細は今回は省略させていただくとして、今回のフリードと全く同じパワーパックのヴェゼルは日常的に乗り回しているので、最近気づいたことを一つ。

高速走行で全くパワーが無い。

e:HEVの理念としては高速走行はエンジン(直結)で・・・ということになっているが、これはあくまで効率の良い巡航走行のときの話であり、キックダウン加速であったり、巡航モードでもトルクが必要な場面になってくると普通にモーターが介入してくる。

そうなってきた場合、エンジンもモーターも直結モードしか持たないe:HEVの場合、エンジンはギア比上巡航走行のことしか考えてないし、モーターはモーターで高速域は相対的にトルクが落ちるので苦手な領域となり、必要なパワーが出ないのだ。

だから特に合流や追い越し加速が非常に貧弱で、ヴェゼルではリッターカークラスの動力性能しか出ていない感じがする。

しかしこの手の構造の場合、実用的な走行性能を上げるにはエンジンもモーターも単純にパワーを上げていくしか方法がない。

約100Kg軽いヴェゼルでもここまで不満が出るのだから、さらに重いフリードでは高速ってかなりつらいシチュエーションになるだろう。

やっぱりBEVとかモーター駆動の強いハイブリッドでもトランスミッションって要るんだよ。

***
結局一般の大多数の方がこういう車に強い興味を抱いているように、自分もどういう形であれ、「スライドドアで乗り降りがしやすい車が必要である」という時分に差し掛かってきた。

そんな中でそういう希望にド直球で沿うカテゴリーで、シエンタと覇を競う車だけに大変興味があったのだが、一番重要である部分に重大な瑕疵が存在するようでは、いくら運転して嬉しい部分(つまり旧来的な男性的・家父長的な部分)の作りが良くても・・・という点が大変気になる車になっている。
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Posted at 2024/07/20 21:28:05

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