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2024年10月14日

【試乗】マツダ・CX-80 XD-HYBRID Premium Sports

ようやく出た元・本命。

出るのが1年遅いよ。

***
いわゆるマツダのラージ戦略の1台で、ショートボディのCX-60、海外向けのCX-70・90とは兄弟車となり、それぞれ関係性としてはCX-60ロング、或いはCX-70・90ナローとなる。

しかしながら、直6・ハイブリッド・FR等々、意欲的な要素を山ほど盛り込んだモデルではあるのだが、先発のCX-60では致命的な熟成不足を露呈してしまい、厳しい評価が市場から下されている。

それはこのラージプラットフォームから取り入れた新しい車の動きに対するコンセプトが一因となっているらしく、一部にはこの記事(https://www.goo-net.com/magazine/newmodel/testdrive/240946/)のように擁護する意見もあるのだが、如何に理屈や筋が通っていても、それによって生まれてしまった明確なネガ、または単純に手抜きに近い問題点を放置するというのは、理屈や筋以前の問題と思うのじゃが。

だってわしが思うに、あの動きは明らかにセッティングが煮詰まってない車の動きだもん。

***
そんなわけで、CX-80という車はCX-60で得た市場からのフィードバックを急遽反映するために、発売が半年~1年程度遅らされたと言われている。

実際、CX-60からのフィードバックを十分に取り入れることができなかったCX-90は60同様かなり厳しい評価を得ているようで、CX-80という車は背水の陣ということになる。

***
基本的には前述したように、この車は「CX-60ロング」であるので、大まかなパッケージングの方向性などはCX-60からは変化していない。

以前のCX-5とCX-8、或いは海外向けのCX-70と90のように、兄弟間で設えを変えて車種ごとの明確な個性を出そうというものも無いらしく、運転席に座った感覚・内外装の質感みたいなものはCX-60からは取り立てて変化はしていない。

しかし、問題とされた足回りについてはバネ・ダンパー・ブッシュのような通り一遍のリセッティングの他に

・サスペンショントラベルの増加
・ジオメトリー設定の変更
・リヤスタビライザーの廃止

といったほぼ足回り全般を一新するような変更を受けている。

大まかな方向性としては、「バネは柔らかく・ダンパーは硬く」で車の動きを早期に収束させる方向性に舵を切ったようだ。自分もそれが正解だと思います。

3120mmという国産屈指の超ロングホイールベース車となるので、何もしなくてもあのめちゃくちゃなピッチング特性はある程度改善していた可能性はあるものの、CX-60の足回りっていうのは、つまり「ダメな車高調を組んだシャコタン車」の乗り心地を上品に再現したもので、バネが硬めな割りにダンパーが弱いこと、そしてラージプラットフォームで取り入れた新しいジオメトリー特性の複合的な要因により、路面に車体が過敏に応答するのが例の挙動と思われましたので。

***
とはいえ「変えたと言っても・・・」とある程度覚悟はしていたものの、乗り心地については相当に改善をしている。

概ねケツが速い周期で跳ねまくる乗り味は影を潜め、CX-60でも実はこの点はちゃんとできていたしっかりとしたサスのストローク感を活かしたフラットな乗り味となっており、「硬めの乗り味のSUV」として捉えるなら十分合格点の乗り心地に到達している。

最も、基本のプラットフォーム自体は同一であるので、基本的にケツが跳ねたがる部分というのは完全には修正できていないらしく、恐らくピッチングを抑えるために特にダンパーの伸び側減衰力をかなり高くしているのか、サスペンションの伸び側の動きのときに縮み側にはないコツコツ感が来たり、或いはどうしてもプラットフォーム本来の「ケツが敏感である」部分が顔を見せそうになることはあるが、実際のところはどうあれ「スポーティな車を作りたいんだ」という主語を大にしていれば押し切れる程度に収まっているので、最初からこれを出せていればあんな悪評は無かったと思うのだけれども。

***
ドライブトレーンの方は2.5LのNA仕様が設定されない以外はCX-60と共通で、CX-90に設定のある直6ガソリンターボ、或いは欧州向けで設定の噂のある3LのSKYACTIV-Xは設定されなかった。

そのため、今回の車は直6ディーゼルターボ+マイルドハイブリッド+トルコンレスATという、新しくもCX‐60とは変わり映えしない組み合わせになるのだが、エンジンの方は相変わらず良くも悪くも吹け上がりの眠いエンジンで、「直6」と言ってもこの手の車で期待されるようなスムーズさよりは、トラック的な野暮ったさが先に来る感じ。

パワーに対して重めの車重もあり、かつてのようなガソリンエンジンに対するトルク的なアドバンテージも感じず、SKYACTIV-Dに初めて触れたときのような感動は無い。

まあ従来からの4気筒エンジンでこの車の車格に見合うようパワーを無尽蔵に上げていくのも無理が出てくるところであると思うので、官能性とかのような嗜好的な部分よりは実用的な意味での今後の余裕を稼ぐための6気筒と言った方がより正しいのではないだろうか。

オートマチックの方はまあスムーズになった。

どうしても構造上普通のATと異なり「クラッチを断接する」という動作が絡む以上は、ドライバーと車の意思にズレが生じたときなどにフッと駆動が抜ける瞬間を感じることは時折あるものの、以前のシングルクラッチAMTのような大げさな半クラッチ動作などの逐次生じる緩慢な制御を我慢しなければならない部分は無くなった。

あとは耐久性ですけれども。

***
結局、これを最初から出してくれればよかったんですよね。

そういうわけでようやくこれが「ラージプラットフォームVer1.0」と呼べるものなのであります。

ただ、本来なら・普通ならここが出発点なのであり、逆を言うといくら新しいものを作るにしても「なんであれに気づかないの?(放置したの?)」っていうのが不安になるわけですけど。
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Posted at 2024/10/14 19:38:26

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