まあ、折角ですからね?
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いきなり昨日発売ですと言われても大変困ったのだが、展示車はもう半月前くらいからあり、試乗車もしっかりATMTで用意されているところを見ると、そういうことだったのだろうw
まあ、サプライズのつもりだったらしいw
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意外と小さいのだという実感は無いのだけれども、ドアを開けて乗り込む際、そして降りる際の着座位置の低さというのは、流石にスポーツモデルらしい低さ。

乗ってみれば流石に車内空間については3ナンバーの普通車だけに、スポーツカーらしい適度な包まれ感がありながらも視界の余裕があり、ウインドウの上端がチラチラ視野内に入ってくるような煩さもなく、そしてクローズド状態でも十二分な頭上空間も確保されているので、窮屈感というものは無い。
そしてオープンにすればしっかりとした開放感に満たされる辺り、やはりボディサイズの余裕というのは大きいのだと実感させてくれる。
ドラポジは着座位置自体は低いものの、着座感のそれ自体は最近のマツダ車に共通するポイントで、低めに座らせながらも基本的に姿勢はしっかりと作るという点を継承しているので、例えばアテンザと比べると、この車を乗り込んだだけでは特に低さや極端な違和感は感じないものの、乗り比べてみると確かに着座は数センチほど低いということが実感できる。
また、その姿勢はほぼ固定に等しいくらい調整幅はなく、ハイトアジャスターは実質無し(座面の前端が上下する程度)で、ほとんど前後スライドとあとはリクライニングで体格差を吸収する感じになるけれども、前述のとおり室内空間には必要な余裕は備わっているので、軽オープンモデルのような、180センチもあったら乗れないんじゃないかというくらいの極端なタイトさは無く、それなりに余裕を持ってドライバーの体格差を吸収してくれる。
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動かしてみると、流石にFRの、スポーツカーだけに、それまでのFF車たちとはまた全く違った表情が見える。
ストロークの短いクラッチ、ビリビリとドライブトレーンの振動を伝えてくるシフトレバー、そしてシフトチェンジすれば他社で言えばスポーツカー並みにクイックな最近のマツダ車からも更に半分くらいに詰められたシフトストローク。
まさにFRのスポーツカーである。
しかしながら、これは最近のマツダ車に共通しているポイントで、ガソリン車でも全く神経質さを見せない半クラッチの易しさなど、ドライバーに余分な気遣い・負担を掛けないというポイントはしっかりと押さえられている辺りは実にポイントが高い。
この辺り、つい5年くらい前まではMSアクセラなんかはある意味非常にガサツ、良く言えば豪快だっただけに、よくぞここまで洗練されたと見るべきか。
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ドライブフィールは、基本的に素直である。
この車にはわざとらしい演出よりもFRのお手本としての姿を求めていたので、それを求めるままのいい意味での中庸感、前にも後ろにも余計な重量も、過剰な肉抜きも無いという、素性的なバランスの良さを感じる。
シャーシはS660ほどの剛性感は無く、入力があれば人並みにフロアが撓っているような感触はあるものの、オープンボディということのネガは感じるほどヤワではなく、路面からの入力も余裕を持っていなすので、案外CX-3辺りとかよりも足回りとの調和感が良く、乗っていて快適なのである。
この辺りはシャーシの仕様が基本的に一つしか無いという(でもアメリカ仕様は2リッター+17インチなんだっけ?)良さがある感じで、初物ながらも非常に高レベルに仕上がっている。
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動力性能は多少チューンされているとはいえ1t前後のボディに1.5リッターなので、過剰感は無いけれども過不足感も無く、同排気量のコンパクトカーと大して動力性能に差は無いのだと言ってしまえばそれまでなのだけれども、ターボと違って回転やアクセルの踏み方一つで素直にトルクが出てくる自在性と、嫌味のないサウンドの響くエキゾーストノートが心地よく、このバランス感が動力性能がなかなかマッチしているので、ドライビングをしているという気分を実に盛り上げてくれる。
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細かいところを見ていくと、クラッチペダルが妙に右側にオフセットされている。
全体的なドラポジ設計は鼓動世代のマツダ車に共通した雰囲気で、そこをスポーツカーライクに低く仕立て直したという程度なので、よくも悪くも今の世代のマツダ車に乗っている身としては、いきなり身に馴染んだドラポジ・操作感覚となるのだが、唯一現行世代の他のMT車では初めて乗ったとしても何の違和感もなく踏めるクラッチが、この車だけはそれらの車と同じ感覚で乗ると思い切り空を切るくらい右に寄っているのだが、何故こうなったのかはよく分からない。
別にペダルを置く空間が無いというわけではないのは、ペダルが無いからといって例えば(FRなのだから)センタートンネルを思い切り踏み付けるとかそういうこともなく、ただ単純に空を切ってしまうので、非常に謎なのである。
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オープンカーというジャンルの車は、意外と冬に乗るのが快適な車だとされる。
今日は意外と暑かったのだが(大体外気温計で28度とか)、晴天の下に駐車されていた試乗車故に、当然中は暑くなっていた。
ので、では屋根を開けましょうということで開けてみると、確かに普通の車では絶対にできない、一気の熱気抜きができるのだが、フロントウインドウの直下あたりのちょうど人が座っている辺りまでは走りだしてからも意外と熱が篭ったままになり、エアコンが無いと暑いままなのである。
確かに、そういう意味では空気の流れというものがしっかりと設計・管理されているという意味であるし、転じて意外と空調の意味のある「空間」がしっかり確保されているという意味では、冬場も普通にヒーターをしっかり効かせれば快適にオープン走行ができるというのは、あながちウソではないと思ったのである。
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インテリアの質感なんかは、例えばウインカーとかのコンビネーションスイッチの質感がアテンザよりも良かったりするので、そういう細かいところの質感はよりカネが掛かった感じがして好ましいだけに、(日本では)黒しかないというコーディネートと、デミオなんかよりも煩くなってしまったデザインが残念な感じ。
自分的にはこの車にもデミオのデザインをそのまんま流用しても良かったと思うくらいだ。
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そういう意味でとてもいい車だと思うのだけれども、基本的には250万前後の車として考えれば、それ相応の仕上がりという感じで、色んな意味ぶっ飛んでたS660辺りみたいな、強烈なインパクトはないんだよね・w・
まあ、車体が大きいだけに、ああいう走る以外には何も出来そうもない車と比べれば、最低限度のトランクなんかもあるので、ドライブを楽しむ車という意味ではこっちの方がいいと思うし、強烈な部分がないだけに長く付き合って行く分には気楽に行ける車なんじゃないかなぁって思ったり。
そういう部分が案外、穏やかだと言われている初期受注に現れていたりしてね。
まあ、今納車待ちしてる人って、実車自体見たことがないわけだから、そういう面を見て買ったわけじゃないのだけど。
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そういえばこの水温計、しばらく見てたんだけど、ずっと100度以下のところに針が張り付いたままだったんだけど、これ付ける意味あったの?w
それとも激しく走ったら相応に上がるってこと?