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2023年12月10日

【試乗】ニッサン・スカイライン 400R

V37スカイラインも登場から早10年。

当初はハイブリッド専用車としてインテリジェントに登場したかと思えばベンツとの協業で2リッターターボ仕様が登場したり、ある意味スカイライン本体とはあまり関係が無さそうな400Rの名前を復活させてみたり、モデルサイクルの中で車の立ち位置というかコンセプトはころころ変わっている気がする。

その上ハイブリッドモデルは何故か騒音規制をパスできず、今は400Rを含め3リッターターボのICE仕様だけという、当初のラインナップから比べたらまるで別の車のようになっていますが。

で、今日は400Rなわけです。

***
400R。

かつてスカイラインGT-Rのコンプリートカーとしてニスモが送り出した限定車に使われたグレード名である。

ニスモ設立10周年記念としてサニーベースの「180R」、シルビアベースの「270R」、そして「400R」の3台のコンプリートカーを送り出したのだが、まず180Rはどうもコンセプトだけで実際には販売されていないらしく、270Rも限定30台と生産数は極少、そして400Rは何故か最も多い99台を生産予定であった。

しかし、新車当時は評価が最悪だったBCNR33をベースとした400Rはベース車の倍となる1200万円という高価格もあって、結局販売台数は38台とも60台とも言われ、どのみち予定数の99台は売り切れなかったらしい。

今だったら即日完売だろうに。

で、これらコンプリートカーの数字の意味はもちろん馬力に由来しており、今回の400Rも実際には405馬力とちょっと多いのだけれども、やはり同じくエンジン馬力に由来しているはずである。

***
しかしカタログとかでは如何にもイカつい感じに紹介されている400Rだが、まずエクステリアもインテリアも標準車とほぼ同じである。あれ?

正確に言うとスポーツバンパーは装着されているのだが、400R専用品ではなくGT-SPと共通の模様で、それより下のグレードとは見た目は違うけれども少なくともGT-SPとは共通。うーむ。

***
気を取り直して乗り込んでみても、まず迎え入れてくれるのはとっても乗り降りしやすいコンフォータブルなシート・・・この手の車としては珍しくラグジュアリーグレードのシートをそのまま使っている感じで、サポート感は並でハイパワースポーツっぽくない。

目の前に広がるインテリアは最早10年間代わり映えのしないもので、特に語る部分は無い。

ただ、ステアリングとかの質感はかなり悪い。
革巻きのはずなのにウレタンステアリングに近いガサガサとしたグリップ感。

ドラポジはかなりアップライトだな。
セダンらしい寝そべり感があんまりなくて、最近のヘタなSUVよりも高く座らせる感じがする。

単純なグランドツーリングとしての快適性を考えればこれでいいと思うけど、スポーティさとかの演出・雰囲気ではかなり劣る。

***
エンジンをかけてみよう。

・・・普通だ。

400馬力もあって普通のグレードと明確に分けてある割には何のひねりも無く普通にブーンと始動して、こう、ウチの車とかGT-Rで見られるような、普通の車とは一味違う咆哮で如何にもスペシャルを感じさせる演出が無い。

まあ今それをやろうとすると騒音規制に引っかかる可能性があるから、もしかしたらそういう演出は無くなったのかもしれないけど。

でもアイドリングとかが落ち着いたあとの音圧も全体的に普通に高級車レベルに抑えられていて・・・っていうか、昔のハイブリッドはもっとうるさかったような記憶があるんだけど???

***
走り出してみる。

まず普通のトルコンAT由来のクリープのある走りがなんとも嬉しい。
アクセルゲインも400馬力に対応したのか、以前よりもかなりリニアに、穏やかになった気がして、ハイブリッド時代のビュンと飛び出すようなアジリティ(?)は姿を消した。
まあ400馬力あって無遠慮に飛び出したらあぶないよお。

そして店の敷地を出て公道をいざ走り出してみると、なんかめちゃくちゃ乗り心地がいい。
正確に言うと、柔らかい。

路面からの入力があると最初のワンタッチで一瞬ぐにゃってくる。
そのあとにスッと減衰して車の動きが止まる感じ。

でも最初の一瞬の動きはどっかゴムパーツ絡みの動きなんだろうけど、それ以降も全くガツガツ来ずあんまりバネは硬い感じがしない乗り心地。

フラットでハーシュネスは全くないから至極快適ではあるのだけど、全体的にこの手のスポーツグレードとしては非常にソフトな感じで、電子制御ダンパーはあってもこれで400馬力支えられるの?って感じの頼りなさがある。

世界初のステアリングバイワイヤであるところのダイレクトアダプティブステアリングは相変わらず異次元のステアフィールで路面からのキックバックを一切伝えず、そのくせどこをどう走ってもハンドルの向いた側を正確にトレースしてブレない驚異的な精度の走りを見せてくれるけど、表面的なフィーリングはこれも軽々。

昔のハイブリッドのあったころのV37はもっと乗り心地も走りも粗野な感じだった気がするけど、400Rっていう如何にも荒々しそうな見てくれに反して、車はより丸く高級志向になった気がする。

***
次に「ぜひ試してくれ」ということでドライブモードセレクトをいじってスポーツプラスでちょっと走ってみる。

このドライブモードセレクトはスロットル・トランスミッション・サスペンション・ステアリングの統合制御のはずなんだけど、少なくともスロットルゲインは高くなっているんだけれども、それ以外はなんか変わった?っていう程度の違いしかなく・・・。

あ、400馬力のパワーはとてもよかったです。

***
総評としては、如何にもスペシャルグレード的な宣伝をしている割には実際にはごくありふれたカタログラインナップの一部に取り込まれている車になっている。

BMWで言えば、400RはM3やM5じゃなくて、M340iとかM550iポジション。
レクサスでもFではなくて、Fスポーツレベル。
実はスペシャルグレードじゃないっていう。

でもああいうガチのスペシャルモデルはマジで「本格派スポーツカーに実用車のボディを被せた車」になってて、セダンだろうがSUVだろうがミニバンだろうが実は普段使いがしんどい車になってたりするけど、400Rにはそういう気難しさの部分が一切無いので、これはこれでありなのかもしれない。

でも、「400R」って名前や400馬力ってパワーに、標準車とは違うスパルタンさを感じたユーザーとは間違いなく方向性を違える作りになっていると思う。
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Posted at 2023/12/10 21:08:21

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