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今回は、前回のジネッタG15と繋がりがある車ですインイングランド。
まあ、前回少しふれているんですがもう少し掘り下げます。

【HILLMAN IMP】
｢ヒルマン インプ｣です。


こちらがそのヒルマン インプ、そこ、レッサ付けちゃダメ特にスバリストさん。
そもそも、ヒルマンってどんな会社？。
1907年から1931年まで活動したのち、ルーツ・グループ傘下で自動車ブランドとしてその名をつけて生産販売されました。しかし、クライスラーに吸収され、クライスラーUK時点の1976年で事実上終了した会社です。
その後はプジョーの工場として、元、ヒルマンの工場が稼働していましたが、現在は閉鎖されています。主に小型車を生産していました。
さて、このインプですが。
1963年～1970年の間で生産販売されました。いわゆる英国でいう所の｢ブレッド&バター｣カーですね、生活に密着した、悪く言えば地味～なセダン･･･つまり英国のカ(ﾋﾟｰ)ーラですかね。
でも、結構新機軸が採用されていたりもします。
とりあえず麦茶!!じゃねぇよスペックでしょ。
水冷4サイクルSOHC2バルブ4気筒、排気量875cc、最高出力は37.5馬力でした。G15と同じくRR(リアエンジンリアドライブ)レイアウトですよ。車重は697kgです。
はい、スペックも地味～ですね、変ドリクスです、パープルヘイズを流したくなるほどギターに火をつけたろか。
でも、スゴい所もあるんですよ。
まず、アクセルの制御なんですが、アクセルペダルからリアのエンジンまでをケーブルではなく、細いパイプで繋いであり、アクセルを踏むとポンプが作動して空気を送り、空気がキャブレター側にあるプランジャーを押して、棒を突き出してスロットルを押すという･･･はい？。
つまり空気圧によるアクセル制御を採用したのです!!･･･が。
いざ、販売してみたらこれが原因の故障が多発、結局普通のワイヤーケーブルによる制御に慌てて戻したんだそうですw。　原因は、生産時にこの部品の製作を頼んだ所が勝手に部品の簡略化をして性能悪化と･･･ダメじゃ～んw、タ(ﾋﾟｰ)ダのエアバック状態ですやん。
更にエンジン、前のG15の時にもふれましたが、RRレイアウト故に、スペースを稼ぐためにシリンダーが右側に約45度の角度で寝ちゃっています。

こんな風に。エンジンフードは普通に上開きですね。
でも、エンジンブロックがアルミ製で、エンジン単体の乾燥重量が33kgほど、ミッションと組み合わせた状態でも乾燥重量45kgと、かなり軽く作られています。
これは、RR故の前後重量配分の悪さを(このインプでおおよそ40:60だそうです)、それを少しでも是正するための涙ぐましい努力です。
しかし、それがまた仇モちゃ～ん(ﾍﾟ～ｲｯ!!)になりました。
アルミブロックで、水冷エンジン。はい、ボアアップに向かないのです。
ライバルであったBMCミニ(つまりオリジナルミニ)は鋳鉄ブロックでしたので、800cc程だった排気量は最終的には1300ccにまで排気量アップに成功。
しかし、インプではそれが厳しかったと。一時期ブロックを鋳鉄化するか、いっそドライブロック化(つまり冷却水を通さない)するかで悩んだそうです。でも、それをやるとなるとエンジンは作り直しになる→莫大なお金がかかるので、少なくともこのインプでやるのは取り止めたそうです。

当時のポスター。

リアガラスはご覧の通り、開くんです。RR故の積載性の悪さを改善するための処置。

拡大するとこんな感じ。

さて、地味な車ではありますが、いわゆるあちらの草レースやラリーでは、フォードアングリアなどと同じく使われていました。

こうすると、なかなかカッコ良くないですか？。車高を下げて、ロールゲージ組んで。
後に排気量を980ぐらいにまで上げた｢ラリー｣も出現しました。
変わり種では



こんな改造も、RR車でピックアップトラックww。
とまあ、地味ですが、先のジネッタG15の母体になったり、このように様々なチューンアップや改造で楽しんだりと、自由があるんです。
さて、中古市場は。
国内で売り物を見つけましたが、350万円ほどでした。やはり、ヒストリックカーの値段が上がっていますね。
こういう地味な、それこそ弁当箱みたいな車も案外好物でして。
ノーマルを磨きあげて街乗りしたらオシャレですよ。イジるなら車高下げ、リアシート内張り撤去、電装強化とキャブレターを二連とエキマニ交換したりで乗りたいです。

シムカとかルノーやフィアットの古いのとかも良いですねぇ。