語弊を恐れずに言えば、ベトナムはバイキンだらけの国である。食あたりや感染性胃腸炎になるのは旅行者の「お約束」のようになっている。日本のような先進国は「清潔すぎて」人間の抵抗力が低下しているからだ。
そんなベトナムでも、原始的な体質の(?)私はほとんど問題なく過ごしてきた。2万ドンのローカル飯を道端で食べても平気である。ところが、先週あたりからちょっとおかしなことになってきた。吐き気がして体がだるいのだ。「ストレスのせいかな」などと考えていたが、土曜日になって熱が上がり体があちこち痛くなってきた。同時に激烈な下痢も始まった。下痢が激しいので脱水症状も起き、尿が濃い茶色になった。「これはいかん」と思ったのでパブロンとバファリンをコーラ700ミリリットルで流し込み早めに休んだ。
日曜日まで12時間くらい寝て起きたらまだ腹痛、体の痛み、下痢が続いている。脱水が続いているのかフラフラする。それでも「もう一日すれば治るだろう」と高をくくっていた。
月曜日、仕事に出掛ける。体の痛みと腹痛が続いている。が、下痢は出ない。尿も出ない。これはちょっと心配である。帰宅後、ハノイ市内のインターナショナルホスピタルに向かうことになった。この病院は日本語対応のできる電話番号、スタッフ、医師が揃っていることが売りの日本人向け病院である。
窓口で英語で「日本語できる人をお願いします」と言うと、電話を日本人医師につないでくれた。そこで症状を細かく説明すると、「それで、医師の診察を希望されますか?」と聞かれる。「はい、希望します」と答えると、そこまででやりとりは終わり、今度はバイタルを見るために別室に通される。それからは全編英語である。医師が登場し、診察室に通されるが、「で、どうしましたか?」と改めて聞かれる。さっき日本人医師に説明した症状などはまったく伝達されていないようなのだ。仕方なく、さっきの説明の英語吹き替え版を最初から最後まで話し、医師の診察を受け、診断を英語で聞き、どのような治療を行うか、アレルギーはあるかなど全部英語で会話しなければならなかった。「日本語対応のできる病院」はどうなったのか。
今回は夜間で人が少ないからこのような対応になった、とも考えられるが、実は、日中に予約して健康診断を受けたときも、日本語対応窓口で予約したにもかかわらず、全部英語で対応されてしまった。どうやら、「本当に援助が必要な人にのみ資源を振り向ける」選別が貫徹している模様である。簡単に言えば、「あんた今英語で『日本語で対応してほしいな~』って言えるんでしょ!そんな人には英語対応で十分。こっちも忙しいんだよ、甘えるんじゃないよ!」というわけである。
日本的ホスピタリティーからはちょっと考えられない対応であるが、こちらのほうが一般的かつ合理的かもしれない。「モンスターカスタマー(ペイシェント)」も暴れにくい環境だろう。
処方された薬がよく効くこと・・・。
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まじめなサバイバル術 | クルマ
Posted at
2015/05/26 01:48:55