岡山でワゴン車がガードレールに「激突」して子供2人が死亡した悲惨な事故が話題になっている。確かに事故はドライバーのエラーによって発生したものであるが、悲惨な結果の責任をすべてドライバーに帰してもよいものだろうか。というのも、この事故は「不幸な偶然」が重なって起きたように思われるからだ。
まず、衝突したガードレールの端には通常取り付けられているJ字型の部分(正式名称不明)が見当たらない。だから、ガードレールの端はまるで刃物のような切先が露出していたことになる。さらに、通常2枚のガードレールの重なりと支柱がボルトで連結されているところが1枚しかないため、支柱とガードレールが分離しやすくなっていた。
次に、ガードレールを境にして路肩が一段低くなっている。この部分に左側のタイヤを落としたことで、バンパー部分が低くなってしまった。だから、丈夫なバンパーレインフォースメントやサイドメンバー、エンジンブロックといった部分がガードレールの下を潜り、支柱をなぎ倒すような作用をした。宙に浮いたガードレールはスカットルを直撃した。
これらの事情により、ガードレールは槍のように車体を貫くことになった。自動車の車体の鋼板など、薄っぺらいものである。プレスで立体的に作って剛性を確保してあるが、ハンマー等でどつくと裂けて穴が開いてしまう。記事で「激突」などと表現されているが、衝突速度はせいぜい50キロ程度ではないかと思う。最悪のタイミングで道路をわずかに逸脱してしまったドライバーを、そんなに強く非難できるのだろうか。
運転日報(代車デミオ)
天候:晴れ
積算走行距離:21058キロ
走行条件:郊外一般道
乗員:1~2名
Posted at 2009/09/24 20:56:22 | |
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