ベトナムで仕事していると、ベトナムらしい仕事の質、製品の品質の低さに最初驚かされる。が、そのうちだんだん慣れてきて、ちょっとやそっとじゃ驚かなくなる。しかしそれは、感覚がマヒしているだけで、仕事の質や製品の品質はまったく改善されていないので、ときどき「あーもうやだー!」と癇癪を起しそうになる。
たとえば、銀行にお金を下しに行ったとき、銀行員が「10万丼(約500円)以上の札はないよ」「5万丼(約200円)しかない」などと言いながら、何百枚もの5万丼札をドンとカウンターに置いた瞬間である。確認するために全部数えなければならない。個人の金じゃなく会社の金だったら、経理担当者などが何度も数え直すことになり、時間がものすごく無駄である。
5万丼が銀行に大量にあるには訳がある。これから正月などでお年玉を渡す機会があるのだが、その際は5万丼札が相場的にちょうどいいのである。また、ベトナムでは赤色が縁起が良く、5万丼札は赤いので人気なのだ。だから、この時期大量の5万丼札の需要がある。一方、造幣局(ベトナムは紙幣をオーストラリアに外注している)から供給される紙幣の数には限りがあるので、銀行は市中の5万丼札を片っ端から集めて回るのだ。それは合理的な判断なのかもしれないが、迷惑千万である。
また、最近バイクに乗るたびズボンの裾が汚れるようになった。エンジンオイルらしきものが付いていて、洗濯しても落ちない。オイル漏れの原因を調べてみると、それはバイクの設計のまずさとメカニックの作業のずさんさが合わさって起こっていることがわかった。
まず、オイルが漏れてくるのは右脚のあたりにあるエンジンオイルの注入口である。ここから漏れたオイルはクランクケースを伝い、ステップのあたりにまで広がる。それがズボンの裾に付着するのだ。
オイル注入口にはレベルゲージを兼ねたプラスチックのキャップが付いている。このキャップに問題がある。キャップを穴に差し込むと中の部品に引っかかって斜めになりやすい。斜めになったままキャップを回すとキャップが穴と平行でないまま締め込むことになり、プラスチックのキャップのねじ山は潰れてしまう。一度そうなると、キャップは二度と密閉されないし、何度やってもキャップが斜めに入ってしまう。うちのFUTUREは前々回のオイル交換のときにメカニックがこの失敗をやってしまい、キャップのねじ山が潰れたままになっていた。
「ホンダのメカニックなんてこのキャップを日常的に扱っているだろうに、なんでこんな失敗するのだろう」とボヤキながら、キャップを外して清掃し、マイナスドライバーでねじ山を刻みなおしてキャップを取り付けて終了。ベトナムではディーラーでの整備のあと必ず自分で確認や修正をしなければならない。
まあ、アメリカでもこんな感じだったから、特にベトナムだけがちゃらんぽらんなわけではないとは思うのだが・・・。
Posted at 2016/12/13 23:40:35 | |
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