
満タンから500㎞走った燃料計の指針。どの程度正確かわからないが、三分の二(40L)は残っているように見える。航続1000㎞超えは確実だろう。
カングーで山間のワインディングを走っていると、「何これ!信じらんない!」と叫びそうになった。カングーの足回りのポテンシャルは高く、かなりのペースでコーナーに飛び込んでもオンザレール感覚でひらりひらりと駆け抜ける。路面の不整に寛容で、どっしり安定した車体姿勢なので安心感が高い。タイヤ(195/65 15インチの実用車用のミシュランだ)も優れている。ウェット路面でのグリップは抜群で、ステア操作に対する反応もリニアで運転がうまくなったように感じる。登りのタイトコーナーでは1.5トンの車重を感じさせるが、そのうち1トンが前軸にかかっているのでトラクションに不足はなく立ち上がりはスムーズだ。
それだけなら「コーナリングマシーンなミニバン」で終わってしまうところだが、カングーはさらに上をいく。ステアリングが正確で、手のひらにタイヤが路面を掴む様子がダイレクトに伝わってくるのだ。前述のコーナリング性能と相まって、自由自在に操縦することができる。まさに「人馬一体」。マツダロードスターの場合はサラブレッドかもしれないが、こちらはもっと老練な馬車馬みたいに「デキる」感じなのだ。カングーを仕上げたエンジニアは「わかっている」のだ。どのようなハンドリングがドライバーを満足させるかを。
カングーを運転して、免許を取った当初は強く感じていた「走る歓び」を思いだした。自動車を運転するのは快感である。いい車であれば、それは速度を問わず味わえるものだ。普通に運転していても、いい車は気持ちいいのである。カングーはいい車だ。40㎞/hでトコトコ走っていても、「走らせている」快感があって、いい気分である。それが高級スポーツカーや贅沢な大型SUVでなく、バンで味わえるのだがら破格である。この買い物は正解だった、と思う。
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カングー | クルマ
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2021/11/09 20:47:22