
新型ヴィッツに試乗してきた。試乗車は1.3F「smartstop パッケージ」である。
旧型からの正常進化というべきか、テレビゲームのように遠隔操作な感覚があるステアリング、フロントのロール剛性が低く曲がり角でのたうち回るような挙動はそのままである。乗り心地は、ザラザラした振動や鋭いショックはうまく遮断するが、ある程度以上のギャップには正直に反応してゴトゴトと揺すられるし姿勢変化の収まりが悪いという「ブッシュに頼ってスプリングとダンパーがあまり仕事しない」ものとなっている。ブレーキは軽いけれどもコントロール性が乏しい「かっくんブレーキ」で、ブレーキペダルそのものの剛性感も頼りない。ブレーキペダルを足で弾くようにするとペッコンペッコンしている。
このヴィッツのドライバーが一番幸せなのは、停止しているときである。アイドリングストップのおかげで車内は静かだし、感触の悪いステアリングやブレーキを操作する必要もない。乗り心地も停止していれば良好である。走ることをできるだけ回避したい気持ちにさせる車、と感じた。
ところで、よく新型車の発表の際に開発者が「グローバルカーとして欧州車と同じ土俵で勝負すべく、足回りと乗り心地の熟成には徹底的にこだわりました」と述べることがある。その言葉に期待して試乗してみると、まったく期待はずれであることが多い。これは、開発者の言葉の後半部分、「欧州市場向けには、徹底的にこだわったサスペンションを採用していますが、国内向けは、国内のユーザーの嗜好に合わせた、従来のユーザーにとって違和感のないものとしております」が省略されていることが原因ではないかと思う。
運転日報(スプラッシュ)
天候:晴れ
積算走行距離:1025キロ
走行条件:市街地
乗員1~3名

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クルマ談義 | クルマ
Posted at
2011/01/02 18:51:12