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イイね!
2012年06月16日

「私は事故を起こしません」宣言

 自動車保険の更新の時期が来て、保険料がけっこう上がっていることに気がついた。保険代理店の説明によると、「事故が多くて支払い金額が膨らんでいるのでやむをえず」ということらしい。確かに、ニュース等で暴走事故やバスの事故等が繰り返し報道されていることから、事故が多いような印象を受ける。そして、事故による社会的損失(コスト)は保険料アップというような形で自動車利用者に跳ね返ってきていることは理解できる。このままでは保険料アップが続き、保険料の負担が重くて自動車が利用できなくなるかもしれない。事故を減らすために本気になる必要がありそうである。

 最近、無免許運転、飲酒運転、暴走運転による重大事故を起こした加害者に厳罰を科すべきだという意見が多く見られる。法令を意図的に無視して重大事故を起こすような「悪人」は厳罰で威嚇(一般予防)して交通の現場から排除し、もって安全を確保しようという考え方である。もちろん、その考えを否定するつもりはないし、「悪人」を擁護するつもりもないのだが、はたしてそれだけで事故を減らすことができるのだろうか。ニュースで騒がれるような悪質な運転者による事故は事故全体の「ごく一部」であり、厳罰化による事故防止の効果は限定的なものにとどまるのではないだろうか。交通事故の多くは免許を持っていて、酒も飲んでいなくて、暴走運転をしているわけでもない「普通の」ドライバーによって引き起こされている。普通のドライバーにも「悪人」のレッテル貼りと厳罰と社会的バッシングの威嚇をもって事故防止を図ることが有効だろうか。

 よく事業所の交通安全の取り組みで「私は事故を起こしません」宣言というのが行われる。私はこの取り組みに違和感を感じる。というのも、自動車の運転というのはその性質上事故の確率が相当高く、「事故を起こしません」などと宣言するのは「希望」とか「お祈り」の範囲を出ないものだと感じるからだ。これはなにも「自分が事故を起こさないという自信が無いから」というわけではなくて、(精神論でなくて)科学的に考えれば事故の確率を0にはできないと思うからだ。人間はミスをする生き物である。そして、道路や自動車に人間のミスを誘発する構造がたくさんあって、しかも人間がミスをするとただちに事故につながる結果になる。自動車運転という環境は「フールプルーフ」にも「フェイルセーフ」にもなっていない。だから、事故が起こるのは「当然のこと」であり、事故を起こした人を「悪人」「下手糞」などと非難するのは事故対策の上では効果がない。事故を減らすには道路構造と自動車の改善が有効であり、道路管理者と自動車メーカーの果たす役割が大部分を占めるのである。

 事故の社会的コストを保険料アップや「厳罰」という形でドライバーに全部押し付けていると、最後には「自動車ばなれ」という不利益を自動車メーカーにもたらすことになるのではなかろうか。そのことを見越して「超小型車」なるカテゴリーを早速準備している自動車メーカーに隙はないということか。

運転日報(スプラッシュ)

天候:くもり 時々 雨
積算走行距離:22255キロ
走行条件:市街地
乗員1名


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Posted at 2012/06/16 17:30:15

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この記事へのコメント

2012年6月16日 18:13
>事故を減らすには道路構造と自動車の改善が有効であり
まさに同感です。
先般の高速道路バス事故の報道が思い出されました。

精神力のみで乗り切る時代は67年前で終わったはず?
コメントへの返答
2012年6月16日 19:23
 「私は事故を起こしません」宣言をしている人が事故を起こしても「ウソつき!」と非難する人はいませんよね。そんな中身のない「宣言」に何の意味があるというのでしょう。

 もともと不安全な環境で仕事をさせておいてミスしたら「お前が悪い!ペナルティな!」ってまるでブラック会社です。労働安全衛生の世界ではまったく通用しないロジックなのに、交通安全の世界ではそれが主流になってる不思議・・・。
2012年6月16日 20:59
>「私は事故を起こしません」宣言をしている…
これも常々同じ様に感じていました。

>労働安全衛生の世界では…

同感です、常に予防を心がけ日々改善対策すべき
事が沢山あるはずですよね。
コメントへの返答
2012年6月16日 21:43
通常の事故防止の方法って
既存の事故事例の調査と原因の究明

事故の原因となった設備、手順、動作の改善

事故原因と改善内容を作業者と共有
となると思うのですが、交通事故の場合は最初のステップで「ドライバーの腕(心がけ?)が悪い」ってなって「厳罰を科して反省させる・威嚇する」で終わってしまっています。これでは事故は減らせません。
 航空機の事故調査みたいに運転者の証言を刑事上の責任追及には用いないという保障を与えて科学的に事故の原因を探る機関を設けたほうがいいでしょう。

プロフィール

「松島なう」
何シテル?   08/10 13:03
日本、米国、そしてベトナムで運転してきました。国が変わっても運転好きは変わりません。 ふとした思いつきからトラックボディ制作、始めました。

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