
私は長距離運転が得意である。ハンドルを握らしておけば18時間以上、1000マイルくらいは平気でいられる。また、1日1000マイルが数日間連続しても淡々とこなす。このことが二十歳代の長距離運転手の仕事やアメリカや日本であちこち旅行する際に大いに役に立った。そして、それは「得意」というレベルを超えて、「本能」のようになっているのではないかと思うことがある。
というのも、ベトナムに来てからほとんど長距離運転しない生活をしていると、精神的に落ち込むというか、幸福感や自己肯定感が低下してとても虚しい気分になってしまったからだ。気分が落ち込んでいるとますます出かけなくなって悪循環になる。なんとも「イケてない」状態になったのだ。
そこで、用事などを放り出して気の向くままに出かけてみることにした。するとどうだろう、精神状態が一気に改善したのである。実際に出かけて気晴らしになるというのもさることながら、次の休みにどこに行こうかと想像するだけでウキウキした気分になるのだ。そうして気分が上がっているとストレス耐性も増して少々のことでは凹まなくなる。何かのマンガで「バイクに乗ると人間変わる」というのがあったが、私の場合は「長距離運転で人間変わる」のである。
これは、もはやDNAレベルで刻み込まれている「走りの本能」のようなものではないかと思うのだ。長距離運転以上に自分の精神状態を上げてくれるものはない。「長距離」であることが大事で、運転するものはトラックでもバスでもバイクでもかまわない。おそらく、長時間集中しているうちに脳内麻薬が出て「ランナーズハイ」みたいになっているのではないかと思う。頭の中を空っぽにできて、カタルシスが得られるのである。
というわけで、今後とも精神衛生のためあちこち出かけようと思う。幸いなことに、ベトナムはホテル代が安くバイクの燃費もリッター70キロである。1日2000円以下の旅費で旅をすることができるのだ。長距離好きな人には「走りごたえ」のある国なのは間違いない。
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ベトナム | クルマ
Posted at
2015/11/26 00:44:38