
我が家の朝食に欠かせないシリアルは近くのスーパーで買ってくる「TOPVALU」のコーンフレークだ。このコーンフレークはプレーン、シュガーフロスト、チョコレートの三種類がある。プレーンはパサパサして旨くないので、いつもシュガーフロストとチョコレートの二種類を買っている。
スーパーの棚を見ていると、プレーンはやはり人気が無いようで、いつも大量に売れ残っていた。そんなとき、日本のスーパーなら売れ残りをワゴンセールにでも回して売り切れた種類は補充する。機会損失が生じないようにするのである。しかし、ここはベトナム。そんな発想は通用しない。今日スーパーに行ってみると、三種類並んでいた棚に大量のプレーンのみが並べられ、
「黙ってプレーン食え。シュガーフロストとチョコレートばっかり食ってるとこっちの仕入れがやりにくいんだよ!」
と言わんばかりの状態になっていた。さすがベトナム。CUSTOMER FIRST なんて発想は皆無である。
しかし、人間の心理として、「黙ってこっちを食ってろ」って言われると意地でも食べたくなくなるのではないだろうか。少なくとも私はそうである。大量にあるプレーンをスルーして、今まで聞いたこともないようなメーカーのものを買ってきた。たとえ毎日食べているたかがシリアルであっても、「あるものを黙って食ってろ」と言われるのは耐え難い。それならば朝はシリアルを止めてトーストにしてもよいと思うほどだ。押し付けられるのはまっぴら御免なのである。
このシリアル騒動から私は車選びにも同様のシーンがしばしば見られることを思い出した。私が選ぶのはしっかしりした足回り、必要十分なパワー、サイド・カーテンエアバッグが備わっているMT車である。これにははっきりした理由がある。私は運転しづらく燃費も悪いCVTが大嫌いで、普通の国産車にはしっかりした足回りが備わっていることが少なく、かつ長距離走行を頻繁に行うためにはハイパワーのエンジンが必要で、サイド・カーテンエアバッグは有りと無しでは安全性に天と地ほどの差があるからだ。その条件で国産車のラインナップを見ていると、
「MT?いつまでそんな妄言言ってるの?CVTでアイドリングストップもあるから止まっているときの燃費は最高だろ!何?MTじゃなきゃ買わない?そんな奴にはこの最低グレードのしょぼいエンジンのやつを用意してやったぞ。ありがたく思え。サイド・カーテンエアバッグ・・・?最上級グレードでもオプションなのに、最低グレードに付くわけないだろ。寝言は寝て言えっちゅうんじゃ」
というメーカーの中の人の声が聞こえてくるのである。
これは、あんまりではないのか。顧客満足度とかおもてなしとかをウリにしているはずの日本企業なのに・・・。ただひとつ面白いのは、MTのモデルからは「誤発進抑止」「ペダル踏み間違え時自動ブレーキ」のような装備を外してくることだ。これって2ペダルだから踏み間違え事故が起こる、MTならそもそも踏み間違え時の誤発進防止なんて要らない。だから本当はMT車を普及したほうが安全であるということをメーカーが暗に認めているということではないだろうか。安全に敏感な人ほどMT車を選ぶ、だからむしろMT車は最上級グレードにサイド・カーテンエアバッグとセットで設定すべきなのではないか、と思うのだ。
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雑感 | クルマ
Posted at
2017/08/26 03:19:24