おかま現金

　今日も暑かった。暑いことで有名な盛岡で一抱えある10キロ前後の段ボール箱50個近くを階段伝いに２階まで運び、熱中症みたいになった。アクエリアスとポカリスエットを1.5リットルほど飲んで冷却し、仙台に向かう４号線上りの信号待ちでそれは起こった。

　「グイ」と一瞬車が揺れた気がした。音は無かった。無意識にクラッチから足を離したのかと思い左足を窺うも、クラッチを踏んだままである。エンジンも普通にアイドリングしている。あ、これ、「おかま」掘られた。

　車を脇に寄せて降りると、後ろの乗用車のバンパーがトレーラーの後部が転写されたように凹んで壊れている。トレーラーは、後部が鉄の塊のようなので、傷一つついていない。でも、事故は事故だし、警察に電話しようと電話を取り出すと、相手のドライバーが「もし何も損害がないようなら、５万円渡しますから、それで済んだことにしませんか」と提案してきた。

　これが噂に聞く「おかま現金」というやつか。お金を払っても運転者の事故報告の義務が免除されるわけではないのだが。しかし、確かに損害はないし、ぶつけた方が壊れたのは自業自得だし、何より暑い中で警察の到着を待ったり事情を説明するのは辛い。そもそも熱中症ぎみでそのままぶっ倒れるかもしれない。まあいいか・・・。

　５万円を受け取ると、相手のドライバーは逃げるように去って行った。最近いろいろあるなぁ。全部コロナのせいか…?