
今年もゴールデンウィークが過ぎた。今年は例年よりも重大な交通事故の報道が少なかったような気がする。
それでもニュース等を見ていて思うのは、日本車って衝突安全性が低すぎるのではないか、ということだ。前面衝突についてはJNCAPの実施に伴い最低限の安全性を備えるようになったが、側面衝突、追突については車体構造が脆弱すぎるのではないかと思う。側面衝突についてはJNCAPの基準は甘すぎ、追突については基準自体が無いのでメーカーは「無駄な」重量とコストを極限まで削減しているのだろう。側面衝突で重大な傷害を負ったり、追突されて炎上したという報道が目に付くように思われるのだ。
側面衝突に対応するためにはドアを厚く作る必要があるし、追突に備えるにはある程度オーバーハングを長く、構造を強化する必要がある。しかし、日本車には5ナンバーや軽自動車といった寸法に対する制限があり、5ナンバー3列シートのミニバンや軽自動車が側面衝突や追突に対して十分な安全性を備えることが難しいという事情はわかる。しかし、とりあえず衝突実験を行い、評価を公表するようにしなければ、消費者は安全な車選びに必要な情報が得られない。今のJNCAPでは多くの車種が5つ星以上をとるようになり、比較する意味はほとんど無くなった。そこで、IIHS並みの側面衝突(小型トラックの衝突を想定)と追突(小型トラックが80キロでオフセット衝突した場合を想定)試験を実施して、消費者にとって選択の基準になるようにしてはどうだろうか。
燃料代の高騰で燃費のいい日本車は人気である。しかし、それが衝突安全性を大きく犠牲にして得られた燃費だとすれば、消費者としては素直に喜ぶことはできまい。衝突試験を実施して、どの車が燃費と安全を引き換えにしているのかを公にすることが必要だと考える。
Posted at 2008/05/10 00:17:07 | |
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