まあしゃるさんのブログに出ているステップワゴン(?)の事故の写真、スライドドアが破壊されて開いているのを見て「ああ、やっぱり」と思った。スライドドアは一般的に前は上下のスライドローラーで保持されているだけで、ドアとボディとを結合させるドアラッチは後部にしかないのだ。このような構造だと、自動車が前進しながら側面を衝突させた場合、スライドドア前端がひきはがされるように破壊され、ドアが開放してしまうのだ。まさにこのステップワゴンのように。
自動車が側面衝突された場合の安全性については、自動車アセスメントでテストされている。しかし、テスト方法は静止した被験車に直角に台車を衝突させるものとなっているため、スライドドアの構造上の弱点は明らかにならない。いままでのテストの中で、衝突された側のドアが開放するという致命的な弱点を晒した車はひとつもなかったはずだ。それは当然だろう。ドアの外側から台車で強く押しているのだから、開放しようがない。しかし、実際の事故の場面では、双方の車両とも前進している場合がほとんどだろう。その場合、テストとはまったく異なった状況となることが十分予想される。
自動車アセスメントといえば、我がボンゴは前面オフセットクラッシュで悲惨な成績を残した。ボンゴは自動車アセスメントが開始される以前の基本設計であり、オフセットクラッシュの対策がほとんど施されていない。ダミーだから荷重や衝撃が数値で現れるだけだが、生身の人間なら下肢を複雑骨折して悪くすれば失血死してしまうだろう。このような重大な問題の存在を示したにもかかわらず、テストの総合評価はそんなに見劣りしないものになってしまっている。着座位置が高い車では圧倒的に有利な側面衝突の成績等が考慮された結果である。これって、評価方法に問題があるのではないだろうか。テスト項目のうちひとつでも一つ☆をとったら総合評価は自動的に一つ☆になる、というほうがわかりやすいと思うのだが。
Posted at 2005/08/02 22:31:25 | |
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交通安全 | クルマ