カタログを見ていると、「ActiveSafety(能動安全)」という項目があり、ABS,EBD,ESCの装備状況が紹介されていることが多い。確かに、それらの装備は緊急時の回避可能性を高めてくれる。しかし、事故回避能力に直結する車両の運動性能、操縦性についてなんらかの保証をしてくれる記載はほとんどない。それは「付いてる・付いてない」と表示することができないからかもしれない。でも、実際のところ車種ごとに車両の運動性能・操縦性は大きく異なっている。
改めてそのことを実感したのは、代車のインサイトを運転したときのことである。スタッドレスタイヤを履いていることを認識したうえで、普段乗っているスプラッシュやトゥインゴのスタッドレス装着時の感覚で中間部分にコブがあるクランク状のカーブにさしかかった。すると、コブでバウンドしたインサイトは瞬時に大きくテールを振り出し、フロントも接地感を失い激しくドリフトアウトしそうになった。反射的にステアリングを戻しアクセルをパーシャルにして修正しようとしたが、なんとインサイトはアスファルト上で雪道のようにタコ踊りしたのである。いつもの車ならスキール音すら立てず通過する速度なのでかなり驚いた。
その後、意図的に荷重を前後したりステアリングのタイミングを変えていろいろ試してみたが、インサイトはとにかく曲がらない車である。普通にステアリングを切っても旋回はほとんど始まらない。それではということでフロント荷重にしてアンダーを消してやると今度は前後とも接地性を失いダーッとアウトに流れていく。そして、そのときの速度はかなり低い。旋回性能が低すぎて緊急回避はできそうにない。これはけっこう運転していて怖い。何かあったら(犬の飛び出しや高速の落下物等)安全に回避できないということを意味するからである。
運転者に恐怖感を与えるほど運動性能の低い車は、ActiveSafety(能動安全)の最低水準を満たしていないということではないだろうか。何もファミリーカーもGT-Rのような性能にせよと言うのではない。同じファミリーカーであるスプラッシュやトゥインゴが実現しているのと同様の水準まで高めることで、ニュースでいわれる「ハンドル操作を誤り・・・」という事故を相当数減らすことができるのではないかと思うのだ。
運転日報(代車インサイト)
天候:曇り のち 雨
走行条件:市街地・郊外一般道
乗員1~2名

Posted at 2012/12/18 00:48:53 | |
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