
ベトナムの路上にはありとあらゆる種類のモノがゴチャゴチャに存在している。歩行者、自転車、手押し車、馬車、水牛、オート三輪、大量のカブ、トラック、バス、ベントレーにフェラーリまで、およそ移動能力のあるものは何でも、堂々と通行しているのである。そして、荷物満載の自転車に幅寄せしたり、水牛に車を突進させたりするような意地悪な行動はほとんど見かけない。「こんなもんだ」と割り切ってカオスの中で運転しているようである。
こんな環境ではとにかくスピードを出せないのであるが、これが意外と苦にならない。オート三輪だって、水牛だって、生活のために道路を利用する必要があるのだから、自動車のドライバーが自分勝手に「邪魔だ!どけどけ!」などと言えた道理はないのだ。交通法規でそれらの通行が認められている以上、お互いに譲り合って利用しなければならない。ベトナムの道路は、そんな道路の公共性を強制的に認知させる環境なのである。
それに比べれば、高級SUVや高級ミニバンに乗っているからといって周囲を威嚇しながら強引に通行しようとするドライバーが目立つ某国は、道路利用者の成熟度という点ではベトナムに及んでいないのではないかと考えさせられる。ベトナムではそんな「優先権」など認められないから、最小限の輸送手段で間に合わせている人が多い。その合理的な発想が限られた交通容量を有効に活用しているように見受けられる。最近は高級車の姿が目立つベトナムであるが、某国のように「退化」しなければいいなと思う。
Posted at 2015/03/10 01:10:58 | |
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ベトナム | 日記