
春休みで暇を持て余している娘にせがまれて街まで出かけてきた。バイクで出かけるのに支度が大変である。プロテクター付きのインナーパンツを履いて、ジャケットを着て、GoProを着け、メガネを外してフルフェイスを被り、雨具や財布などが入った大きいバックパックを背負って、ライディングシューズを履き、グローブをはめて、娘を固定するためのタンデムベルトをつける。
タンデムベルトは動画で右前にいる女の子が着けているのと同様のものである。本来うちの娘よりももっと幼い子供用のものであるが、うちの娘はタンデム中に眠ってしまい落っこちそうになるのでこのベルトが必須なのである。今日も眠ってしまいグラっと娘の体が斜めになって、脇を走っているオジサンがびっくりする場面があった。動画の中でもオレンジの服の女の子が眠ってしまってグラグラしているが、この子もベルトをしているので落ちる心配はない。
タンデムするとバックパックは後席の人に背負ってもらうのが一般的だが、子供には背負わせられない。そんなとき、ベトナムのバイクには大抵装着されているレッグシールド上のキャリア(通称ベトキャリ)が役に立つ。ここにバックパックを載せて、悪路で飛び出さないようバンジーコードで固定しておく。バイクに跨ったままで荷物をバッグから出し入れできるので、駐車料金の支払いの際など便利である。この便利さを一度味わってしまうとベトキャリなしではいられなくなってしまう。今度自分のバイクを購入する際もベトキャリは絶対に装着するつもりである。
準備を整えていい天気のハノイ市街を流す。まずバイク屋さんに寄ってレンタル料の支払いを済ませ、次に街の目抜き通りを通ってアンダーパスをくぐり、ロッテタワーを目指す。運転手からすれば混雑した街中を運転するのは疲れるばかりで面白くないのだが、郊外に行くと食事やトイレの場所の確保がけっこう難しいので子供たちに負担になるのだ。ロッテタワーならそれらの心配なく安全に過ごせるだろうという目論見である。
ロッテタワーの駐車場は高性能カメラでバイクのナンバープレートとライダーの顔を記録するハイテクぶりである。それらの写真と入構時間がサーバー上に記録され、駐車チケットの偽造や取替えによる不正を許さないシステムになっている。バイクの盗難防止にも有効だろう。
ロッテタワーのレストランで娘はお子様ランチ(?)を、私は牛肉フォーを食べて腹ごしらえしたあと、歩いてバイクディーラーの「ヤマハタウン」に向かう。最近はバイクで移動することに慣れてきたので、まず大きな商業施設にバイクを預け、そこにある手荷物預かり所にヘルメットやタンデムベルト、ジャケットやバックパックなどを預けて、財布と携帯だけ持って街を散策するというスタイルを確立しているのである。
ヤマハタウンで高出力エンジンと5速ミッションを搭載したバイクを見ていたら、店員に「それは若者向けの『おもちゃ』ですよ。ご家族で使われる方はこっちの実用的なやつで十分です」と普通のスーパーカブ的なモデルを薦められた。日本ならなるべくスペックの高い高価なモデルを売ろうとするところだと思うのだが、ベトナムのセールスの仕方は全く違っている。日本ではバイクは基本的に「おもちゃ」なのに対し、ベトナムは基本的に生活に必要な「道具」であるからだろう。
ロッテタワー6Fの菓子店で「もちドーナツ」をおみやげに買って帰ってきた。フツーのベトナムのお父さんのような週末である。
Posted at 2015/03/21 20:19:49 | |
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