
私はヘッドライトの光軸にこだわる。今から30年くらい前、私が車に乗りだした頃はヘッドライトのオートレベリングなんてなかったし、HIDもLEDもなかった。ヘッドライトは暗~いシールドビームかせいぜいハロゲンで、光軸はずいぶん下向きに調整されていたものだった。夜間走行をしやすくするために、ヘッドライトの光軸を再調整するのはごく当たり前のチューンナップだった。
具体的にどのように調整するのかを図で示す。
①納車時には光軸がずいぶん下に向いていることが多い。ロービームではすごく手前しか見えない。
②これが理想的な状態。ロービームのカットラインが水平になるようにすれば、ロービーム時の照射範囲が広がるし、ハイビームも遠方まで届く。だがしかし、これでは荷物の積載や路面の凹凸などで車体姿勢が変わるとロービームでもチラチラと対向車のドライバーを眩惑してしまう。
③そこで、ロービームのカットラインがやや下向きになるように調整する。この「やや下向き」の加減が微妙で、時間をかけて納得がいくまで調整する。
このような作業を何度も繰り返していたものだったが、近年はオートレベリングのヘッドライトが当たり前になり、HIDやLEDのヘッドライトも増えてきて、光軸調整の機会もめっきり少なくなっていた。ところが、ベトナムに来てバイクに乗るようになると、ヘッドライトの光軸がずいぶん下に向いているという状況に再び遭遇するようになった。ハノイの街中なら街灯などで明るいから問題ないが、郊外を夜走るには光軸の適正化は必須である。
そこで、「昔取った杵柄」で徹底的に光軸を調整することにする。バイクのライトはハイ/ロー切り替え式のものが多く、ハイビームは手前が暗い、ロービームは遠くが暗いということになりがちだ。だから、最適な光軸を出すのに大変神経をつかう。いくら丁寧にやっても35Wのハロゲンではぼんやりとしか見えないのだが、だからこそベストな光軸を探り出そうとする。これはもはや「光軸マニア」といっていいほどのこだわりである。
LEDのヘッドライトのWINNERは比較的簡単にベストな光軸に決めることができた。ハロゲンのFUTUREはまだ納得がいかない。夜出かけるときはスパナをポケットに入れて、調整作業を続けるつもりである。
Posted at 2016/09/22 01:56:10 | |
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