
仙台のベースに着いて、まず最初にKeiのキーを持ってドアをそのキーで開け、ボンネットを開け、スパナでバッテリーのマイナス端子を付ける。そしてセルを回すと5秒程度の長めのクランキングのあと、エンジンは元気に目覚めた。今回はサイドブレーキの張り付きもなく、パッドとディスクのかじりつきもなく、軽々と走り出した。Keiをベースの入り口のほうに移し、時計表示を合わせ、近所のスーパーまで出かける。昨年車検で油脂類をリフレッシュしたうえにショックをカヤバNew-SRに交換したから、乗り心地もしっかりして12年前の車とは思えない。
そこで思うのは
「これで何が不足か」
ということだ。
確かに、古い形式のターボエンジンは低速トルクがスカスカで、上り勾配で発進するには長い半クラッチが要るし、サイドエアバッグやESCといった今日日当たり前の安全装備もない(ABSはついてる)。ヘッドライトはハロゲンだし、自動ブレーキもその他車が勝手にお節介する装備は一切ない。これは時代遅れかもしれない。
だが、MTで大人4人とその手荷物がちゃんと乗れて、ターボ付き(NAの軽は必要最小限のパワーがない)の軽乗用車はKeiしかないのだ。新車で買いたくても買えない。だから、中古で入手して、シートをレカロに変えたりECUにゴニョゴニョして使い続けているのである。Keiはある意味オンリーワンの特別なモデルなのだ。
同じくオンリーワンの特別なモデルであるジムニーは新型が登場した。でも、Keiの後継は出ない。ハスラーは、Keiとはまったく性格が異なる。なによりターボエンジンのMTがない。老人の踏み間違い暴走事故が多発する今こそ、MT復活の契機だと思うのだが、メーカーにその様子は見えない(マツダを除く)。限定免許などと言っても、免許を返納した老人が無免許でひき逃げするなどの現状を見ると屁のツッパリにもならないと思う。MT車であれば、数か月運転しないとはっきりと運転が下手になるのがわかる(ギクシャクする)。我が家でMT車を保有し続けているのは「値段が安い」「燃費がいい」ということもあるが(笑)、その安全性と認知機能のバロメーターとなることが理由である。
そんなわけで、Keiを持つことの意義を再確認して、「やっぱりコレいいね」と思い、「新車買うことないんじゃない?」と思い直しつつある。
Posted at 2019/06/15 23:40:22 | |
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