
うちの軽トラはいわゆる「農業スペシャル」仕様である。副変速機付きパートタイムAWDで、リアにはデフロックが付く。畑にそのまま乗り入れたり、みかん畑のような急傾斜地を走ることに特化した仕様であり、宅配用途に用いられる2シーターのバンとは対極的な仕様である。
ところが、これが結構役に立つ。配達先には、普通の軽バンでは到達できないような急斜面や悪路を行かなければならないところがある。写真の場所も急斜面の袋小路を100メートルほど登った配達先である。なぜバックで登るかというと、前進で止めて荷室のドアを開けると荷物が落下してくるためである。狭い袋小路で転回もできないから、最初からバックで登るのだ。袋小路の入り口で後輪が空転して登れなくなり、すかさず副変速機を低速・総輪駆動モードに切り替え、そのままグイグイと登ってきた。小排気量でトルクの細いエンジンだが、超低速ギアを使えばかなりの登坂力である。
元々はトレーラーを牽引するために選んだ仕様なのだが、宅配でも役に立っている。牽引時には1速でも登れない坂道にときどき遭遇するので、この仕様は必須なのだ。特に、定量積載時には総重量1700kgにもなるから、1100㎏程度しか想定していないギア比では坂を上れないし、ちょっとした段差も乗り越えられない。だから、軽バン(と農業仕様でない軽トラ)は牽引向きではないという結論になる。それが、次の増車予定として軽バンではなくジムニーが挙がる理由である。軽バンのターボ付きなら4人乗れるし出力が大きいからスピードが出るし理想的だ、と思うものの、「いやいや、登れない坂道が」ということで、購入を思いとどまっている。Keiが来年で車齢13年に達し、税金が割増になるから、そろそろ入れ替えを検討したいが、今のところはジムニー一択になっている。
Posted at 2020/05/23 23:54:56 | |
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