2023年10月15日
うちのクロスカブは前後ドラムブレーキである。普通に街中を走っている分には過不足ない制動力を発揮する。ところが、急な長い下り坂の途中で赤信号に当たったとき、ブレーキングの最初はちゃんと減速するのだが、後半だんだんと制動力が落ちて、ブレーキレバーを握る力を増やしていくと、ブレーキレバーがグリップに当たってそれ以上握れない状態になる。ブレーキに何が起こっているのか、想像してみる。
まず最初に考えるのはブレーキフェードである。普通、ブレーキフェードが起こるときはディスクやドラムが過熱して煙を上げているような状態を想像する。しかし、前述の現象が起こるとき、ブレーキから煙は出ないし、焦げ臭い匂いすらしない。こんな状態でフェードは無いのでは、と思っていたが、先日、どこだか忘れたがブレーキメーカーの動画で、ドラムブレーキのフェードは摩擦材が過熱して起こるフェード(従来のイメージどおりのもの)と、ブレーキドラムが熱膨張することで摩擦材が均一に当たらなくなるフェードの二種類ある、というのを見かけた。後者の「熱膨張で」というのは、ブレーキドラムはコップのような形をしているので、熱膨張するとコップの底の部分に近いドラムより、開口部のほうのドラムが直径が大きくなるように変形するのだそうだ。そうすると、内側から広い面で押し付けているブレーキシューが一部しか接触せず、制動力が落ちる。この現象は、ブレーキから煙が出るのほどの高温にならずとも起こり得る。クロスカブのはこれではないだろうか。
ちなみに、先の動画によれば、ディスクブレーキは冷却性に優れるので摩擦材の過熱によるフェードを起こしにくく、ブレーキディスクが熱膨張してもブレーキパッドとの当たりを強める方に働くので制動力が低下しない、という二点でドラムブレーキよりも耐フェード性に優れるということらしい。クロスカブは現行型ではフロントディスクブレーキで、欠点を改良してきている。やはり、小型二輪クラス(125cc未満)でもフロントディスクブレーキは必要なんじゃないだろうか。1人乗車でもフェード起こしているのなら、タンデム時なんかはかなり慎重に下らないといけないだろう。フロントドラムブレーキのカブで長い下りを走る際は、ブレーキフェードを考慮してエンジンブレーキを強く使ってゆっくり下るほうがいいと思う。
Posted at 2023/10/15 22:49:17 | |
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