
東日本大震災では津波の被害が甚大だった。宮城県の登録自動車のおよそ1割が津波の被害を受けたと言われている。こんなとき、自動車保険の支払いはどうなるのだろうか。自分の車の損害を「車両保険」で補償することができるかが気になるところである。
結論から言うと、車両保険は原則的に支払われない。地震・噴火・津波・台風・洪水・高潮・核燃料物質による損害は免責になっている。だから、地震で建物が崩れてきたり、津波に流されたり、原発の近くで放射性物質を被り価値がなくなった車に車両保険はまったく支払われない。「新車特約」を付けていても新車になるどころか1円も支払われないのである。
ただし、保険の特約に「災害特約」というものがあり、この特約を付けていれば車両保険が支払われる。もっとも、この特約はほとんど知られておらず、付加している人もごく少数である。保険のパンフレットや重要事項説明書にも記載がないので知られていなくて当然である。
今回の震災では今後とも大きな余震が起こる可能性が指摘されている。また、震源から離れたところでも地震活動や火山活動が活発化している。それに、今回の震災で港湾の堤防が壊れたり地盤沈下したり地盤が不安定になっているところが多いので、梅雨や台風シーズンに洪水や高潮、土砂災害が起こることも予想される。これまで被害を免れていた車も災害に遭う危険性が高まっていると考えられる。
そこで、自動車保険の更新を機に「災害特約」を付加しようと保険代理店に問い合わせてみた。すると、どうも一筋縄ではいかないようである。同様の問い合わせが殺到しているらしく、加入には個別の審査と「現車確認」が必要とのことだ。今後は「災害特約」の付加が「常識」になっていくかもしれないし、保険の内容が大きく変わることになるかもしれない。

Posted at 2011/04/10 11:43:18 | |
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