先の記事で最近各社が売り出し中の「自動ブレーキ」の動作条件
1、渋滞中などの低速走行で
2、運転者が運転への集中を欠き
3、何らのペダル操作をしないまま走行し
4、先行車両に追突しそうになったとき
について、「そんな限定された状況など滅多にない」という趣旨のことを書いた。
しかし、これは「渋滞の少ない地方のMT車ドライバーの感想」であって、そのようなドライバーは少数派である。実際はこのような条件での追突事故が多発、あるいは事故寸前の「ひやりハット」な事象が頻発しているのではないかと考えるようになった。
1、「ふんわりアクセル」「ゆっくりエコドライブ」などの加速不良運転が増え、渋滞が増加した。
2、クリープ現象の強いAT車では、渋滞中の発進停止をブレーキ操作だけで行え、その単調さ故に運転操作への集中を保つことが難しい。一等地に置かれた液晶画面に映し出される「○Xモニター」や「テレビ放送(改造キット使用)」など注意を逸らす装備も満載。さらに走行中にもエンジン停止するエコカーはエンジン停止と共に自動車を制御しようという意識も停止しがち。
3、MT車なら、低速で発進、停止を繰り返す渋滞走行には頻繁で微妙なペダル操作及びシフト操作が必要なので、何も操作しないまま漫然と走行することはあまり考えられないが、クリープ現象の強いAT車ならペダル操作なしで低速で走行している場面は多い。
4、結局、集中力低下の状態でもペダル操作なしで漫然と走行する車が先行車両に追突する事故が多発
という現実があるため、メーカーが対策に乗り出さざるを得なくなったのでは、ということである。
つまり、従来のMT車では考えられなかったタイプの事故がメーカーがクリープ現象の強い2ペダルAT車、アイドリングストップやハイブリッドなどのエコカーを「標準化」して大量に売り出したために引き起こされ、これはマズいということで不完全ながら「自動ブレーキ」をつけた、ということにすぎないのではないか。
だからといって、私はATやハイブリッド、アイドリングストップなどを否定するものではない。ただ、安全で燃費がよく、車両価格も安い3ペダルのMT車を選ぶ自由を奪わないでほしかったと思う。自ら作り出した新しいタイプの事故を防ぐため新たな安全装備を付けさせるというマッチポンプな「陳腐化」につきあわされるのはまっぴらなのだ。

Posted at 2013/11/22 00:03:29 | |
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