
「終活的車選び」、今日もスケジュールの隙をみてマツダとルノーのディーラーに行ってきた。マツダ3とトゥインゴとカングーを見てトゥインゴとカングーは試乗してきた。そこで思ったのは、「トゥインゴはともかく、マツダ3でさえも、大人4人が乗車して旅行するような用途に十分な荷室を有していない」ということだ。

写真はトゥインゴの荷室だが、マツダ3も同様に、後部のオーバーハングが短く、しかも丸くデザインされていて、ルーフも後方にいくに従って下がるうえ、ハッチも傾斜がつけられているから、四角い箱型のもの(スーツケース等)を入れようとすると全然入らない。全長の割にホイールベースが長くなっているから、後席の足元は広いし、後席を倒せば広いスペースがあるが、4人乗車では倒せない。デザイン、空力などそうなっている理由はわかるのだが、Keiのトランクと比べても広くなった気がしないようでは、実用的とは言えないだろう。
こんなとき思うのは、「ステーションワゴンはどこ行った?」ということである。マツダ3の原点であるファミリア(323)にはワゴンがあったし、サイズ的に近いカペラ(626)にもあった。マツダ2の始まりのフェスティバだって、ミニステーションワゴンのようなコンセプトだった。ルノーでいえば4(キャトル)とか、シトロエンのブレークとか、ボルボのエステート、スプリンターカリブやカルディナ、レグナムとか・・・あんなにたくさんあったステーションワゴンは今どこに行ってしまったのだろう。SUVっぽいものはあるけど、あれはステーションワゴンとはまったく違うジャンルである。プラットフォームを共用していても、別物だ。乗用車としての使い勝手を変えず、荷室だけ広くしたステーションワゴンはある意味「スマートな」選択で、それがかつてのステーションワゴンブームの原因にもなった。今選択肢が限られるのが残念でならない。

話を試乗に戻すと、トゥインゴはまったく期待外れだった。ペダルレイアウトが窮屈で足を捻ったままにしていると足首が痛くなりそうだし、ステアリングの中立付近に妙な不感帯とひっかかりがあり、その不感帯内で微妙にチョロチョロするような挙動を示した。ボディの剛性感もいまひとつで、4ドア化による剛性低下と重量増の影響は大きいと感じる。

特に気になったのは後席の座り心地である。座面が低すぎて太腿の下が座席から浮いてしまう。いわば「体育座り」のような恰好で、長時間では疲れてくる。ヘッドルームもミニマムで、窮屈感が強い。その点、ジムニーのほうが広々していて快適に思うほどだ。これでは成人の長時間乗車は無理だろう。
続いて、カングーに試乗したのだが、「これこれ、これですよ♪」と久々の太鼓判を押してしまった。広い視界で高い位置から運転するのは建設機械のオペレーターのようで、心理的に余裕をもたらす。日差しが強くて眩しいが、エアコンは強力で暑い思いをせずにすむ。しっとりとしたフィールのステアリングは直進性も抜群で、重量車に踏まれてできた深い凹凸やひび割れもはんなりと受け流していく。今、フランス車の「猫脚」を経験したければ、カングーに乗るのが一番いいだろう。遠くで唸っている1200ccの小っちゃなエンジンはノイズも低く、内装に鉄板が直に見えている「ライトバン」なのに、とても豊かな気持ちになるのだ。シートの座り心地は抜群で、ペダルも窮屈でなく、カングーにしかない独特な乗り味を作っている。もともと「商用車」なので、テーブルや棚など道具類を入れる場所も豊富で、仕事の移動基地として好適だ。これしかない、という存在感ではジムニーに勝るとも劣らない。
そんなわけで、「買うならカングー」とは決めたが、まだ成約には至っていない(笑)在庫に納期が短すぎるものと長すぎるものしかなく、具体的な話ができなかったからだ。次回の来日時にまた商談する予定だ。
Posted at 2019/06/17 23:27:35 | |
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