
最近仕事で塩竈を走ることが多い。そして、塩竈は宅配泣かせの魔境である。
なぜかというと、まず、道が異常に狭い。しかも、区画整理がなされていないらしく、1本の道の幅員が極端に小さくなったり大きくなったりする。交差点もきれいな十字になっているのは少なくて、少し歪になっていたり、細い道を入れると六差路だったり、交差点を過ぎるとヘアピンカーブになっていたりする。ただでさえ狭い道の両脇に電柱が並んでいて「ほかにもっと方法はなかったのか?」と思うような道もある。それはたぶん昔はあぜ道や獣道だったところに家が立ち並んで、いつの間にか住宅地になったのだろう。計画性や自動車の動線への配慮がまったく感じられないのである。
また、この地域の地形は高低差が激しく、目の前に目的の家は見えるのだけれど、そこに至る道がない、なんてことはザラだ。グーグル先生は大混乱に陥り、「コンクリの壁を通り抜けろ」とか「階段を200メートル行った先を左!」などと騒ぐ。目的の家に入る方法を知るのにグーグルマップは全く役に立たず、ゼンリンの住宅地図を拡大しながら探さなくてはならない。そうして見つけた道は、急こう配で軽自動車の幅がギリギリな袋小路だったりする。転回できないのでバックで登ろうとするのだが、当然ながら2WDではタイヤが空転するだけでまったく登らない。4WDのLoレンジで登り、車寄せから玄関までさらに延々と階段が続いているのを見たときの疲労感ときたら、そしてそこが不在だったときの絶望感ときたら、半端ないのである。
おまけに、道が悪い。高低差が大きく狭いので、大きな重機で均すことができなかった事情はわかるが、ロデオのように車が揺れる。写真は、地図では道であるはずのところがただの土手であり、そこを強行突破したときにぶつけた傷である。側溝に脱輪するなどしなければ、通常はぶつからない部分である。軽トラを使ったトライアル競技のようなもの、と言うのがふさわしい。他の地域ではみかけるクロネコの2トン車など当然入ってこれない。軽トラだけが踏破できる苛酷な環境なのだ。
ホンダが軽トラックのアクティの生産を打ち切り、今後はNシリーズ1本でいくらしいが、ユーザーの使用環境をまったくわかっていない、あるいはわかったうえでユーザーを切り捨てる愚挙であると、私は考える。
Posted at 2019/11/16 23:11:28 | |
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雑感 | クルマ