
私は滅多にホーンを鳴らさない。標識で指示されている場合は鳴らすが、それ以外はなるべく鳴らさないようにしているし、あいさつがわりに軽く鳴らしたりもしない。それで、カングーの原付バイクみたいな音の純正ホーンにも、特に不満を覚えることがなかった。
今日、妻と二人で買い物に出かけた。私達は二人で車で出かける時間を大切にしている。私達は話好きで、車に乗っている時間は会話時間として重要なのだが、子供が生まれてからは子供の相手に時間を取られるのでなかなか機会がない。街まで買い物でも、二人きりで話をするのは貴重な時間なのだ。元はといえば、アメリカで住んでいる町から都心まで行くドライバーを頼まれたのが、私達の馴れ初めであり、それ以来の伝統のようなものだ。
その道中、危険を避けるためやむを得ずカングーのホーンを鳴らした。「ミー」というその貧弱な音に妻は「何これ?警笛としての意味ないじゃん!危ないからオートバックス行って交換してらっしゃい!」と言いだした。ホーンの音が小さいのは遮音が行き届いているからで、音量そのものは外で聞くと普通なのだが、音質はとにかく貧弱だ。妻が自動車についてそこまで断言するのは珍しい。今回は妻の意見に即応することにした。
近くのオートバックスに行くと、駐車場に懐かしいレオーネが。このモデルにアメリカで乗っていた(FWDだったが)。オイルが漏れたりエアコンが壊れたりと手が掛かる車だったが、私達のドライブデートの原点であるこの車はとても印象深い特別なものである。それもこんな綺麗な状態で見られるとは幸運である。
帰り道には先代のトゥインゴが。うちにあったトゥインゴはその色が妻に好評で、保育所に送迎していた娘も「青い車」と記憶に留めている。3.11を経験したのもトゥインゴだ。何もかもみな懐かしい…。
今日は時間を30年近く巻き戻して自動車に纏わる夫婦の歴史を辿る、特異な日だったのかもしれない。ホーンは無事交換できた。相変わらず車内では音が小さい。
Posted at 2022/07/07 21:32:34 | |
トラックバック(0) |
カングー | クルマ