
乗り心地の評価って「心地」と言うだけあって、感覚的なもので、評価者の感性によって決まるので人其々になる。それを承知の上で、乗り心地について述べたいと思う。
パンダは乗り心地の良い車だ。それが小さい車(トレッド、ホイールベースが小さい)であることや、車高の高い車であることを思えば、意外だとも言える。そして、それと同時に、国産車は乗り心地のレベルが低い、とも思う。それはどういうことか。
感覚的なものなので、説明が難しいのだが、まず、パンダはサスペンションに存在する弾性のある物体、スプリング、ゴムブッシュ、サスペンションの各部材、タイヤ、そして車体そのもの)が一体的に路面からの入力を受け止めている、という感じがする。長い周期の振動で路面と乗員の間が懸架されている感じがするのだ。それに対し、国産車の多くは各部材の固有の周期の振動が感じられ、カンカン、ゴトゴト、ブルブル、とにぎやかなのだ。振動は音としても響き、段差を乗り越えたときにゴン、とかキーンといったノイズになる。これらの音と振動が乗り心地を損なう。
また、車体の挙動も異なる。路面を横切るかまぼこ型の段差がある場面で、国産車の多くは前輪が乗り上げたときに前部が持ち上がり、そして下がり、後輪が乗り上げたときに後部が上がり、そして下がるといった前後バラバラな挙動を示す。だから、車両が激しくピッチングを起こし、サスペンションの存在意義を疑わせる。パンダの場合、車体が水平を保ったまま、段差の上で持ち上がり、段差を過ぎれば下がる。前輪のサスペンションが段差を効果的に吸収し、車体の動きをゆっくりと小さいものにしているからだと思う。東北の道路では車が壊れるんじゃないかと思うような大穴に出くわすこともあるが、うっかりそこに嵌ったときの車体の動きはパンダと国産車では格段の差がある。パンダはスッと車体全体が上下するだけでストレスを感じないが、国産車では「ドン!ビリビリ・・・」と音を伴って激しくピッチングするため、「大丈夫か?」と不安になる。穴だらけの国道を2時間、3時間と走行する場合、この乗り心地の違いが疲れの差になってはっきりと表れる。
これは私の感覚に基づいた考えなので、メーカーの開発者は「うちの車は世界最高レベルで乗り心地が良い」と考えていたとしても、それは「感覚の違い」ということだろう。でも、「MT車が良い」というのと同じく、「乗り心地が良い」という条件に適う車を選ぶことが難しいというのは、残念に思う。
Posted at 2025/06/13 19:54:29 | |
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