以前の記事で述べた中古車選び、ベトナムにいる間にネットで目星をつけておいて、帰国してから実際に見に行った。いままでにチェックしたのは、①2000年スズキkei、②2000年サーブ93、③2003年サニー、④2006年プジョー207、そして、今日見てきたのが⑤1987年ルーチェである。
いままで新車選びの際には①MTであること、②サイド・カーテンエアバッグが付くこと、③ESCが付くことを条件に挙げてきた。中古車選びの際には②、③の条件はそもそも無理である。だからといって安全面はどうでもいいわけではない。1988年にボルボとダイムラーベンツの本社に出かけ安全技術を見学するなど以前から自動車の安全性には重大な関心を寄せている私である。気にするなというほうが無理なのだ。
国産車についていえば、過去にニ度衝突安全性が飛躍的に向上した時期がある。一度目は1994年(軽自動車は1998年)で、法令で自動車の衝突安全基準が定められた時期である。それ以前は自動車の衝突安全性を担保する制度は何もなかった。メーカーが自主的に取り組んでいるのかもしれないが、それを客観的に評価する試験がなかったのである。もっとも、この安全基準も「50キロでコンクリの壁に正面衝突させて、大動脈破裂や脳挫傷でお陀仏になったらダメですよ」程度のお粗末なものなのだが、兎にも角にもこの基準に通らないと販売できないので、自動車メーカーは対応を余儀なくされた。この頃、キャブオーバータイプのノーズが伸びたり、バンパが大型化されたりした。また、軽自動車は規格そのものが変更され、クラッシャブルゾーンを設けられるように配慮された。
二度目は2000年にJNCAPでオフセット前面衝突試験が行われるようになった時期である。JNCAPの試験は保安基準ではないので、オフセット前面衝突試験で成績が悪くても販売できないわけではない。とはいえ、JNCAPでひどい成績を取ってしまうと販売に影響するので、各社ともオフセット前面衝突試験に対応するボディ構造に作りかえてきた。ただし、軽1BOXや軽トラックなど「安全よりも積載性」な車種についてはメーカーが割り切ってオフセット前面衝突試験を「捨てている」場合もある。画像のサンバーがその例であるが、軽1BOXは各社とも同じような状況で、頭と胸は辛うじて助かっても脚を複雑骨折しそうな試験結果が並んでいる。
つまり、①1994年(軽自動車は1998年)以前のモデルはまったく安全性に期待できない、②2000年以前のモデルはキャビン強度が低くオフセット前面衝突対応ボディではない、③軽1BOXと軽トラックは現行モデルであってもオフセット前面衝突対応ボディでない場合があるということになる。大きな高級車であったとしても、1994年以前のモデルはかなり不安である。見に行った1987年のルーチェは程度が良かったが、「今のコンパクトカーと正面衝突しても負けるんだろうな」と思うとやはり日常的に乗ろうという気にはなれなかった。軽トラックや軽1BOXも同様で、なかなかいい車が見つからない。中古車選びは難航している。
運転日報(プジョー308)
天候:くもり 時々 雪
積算走行距離:5625キロ
走行条件:市街地・郊外一般道
乗員:1名
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クルマ談義 | クルマ
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2013/03/31 21:01:59