2014年11月04日
私の通勤用ミニバスの運転手はこの道25年のベテランである。聞き取りやすい英語を話すので長い通勤時間も退屈しない。
ある日、職場を出発して最初の大きな交差点を左折するとき、いつものように交差点の手前から路肩を走って信号が赤のうちに先頭に割り込み強引に左折しようとしたのだが(ベトナムでは全然OKである)、その日に限って飛ばしている大型トレーラーの目の前に飛び出してしまい、船の汽笛のようなホーンで威嚇され蹴散らされてしまった。これがケチのつきはじめになった。
次に、バイパスの料金所を通過するとき、開くはずのバーが開かず足止めされてしまった。仏頂面の係員のオバサンが出てきてフロントガラスを指差して怒鳴っている。通行証を提示しなかったため通してくれなかったようだ。窓を開けて通行証を示した運転手にオバサンは「まったく、モタモタするんじゃないわよ!(ベトナム語のため想像)」と吐き捨てた。
料金所を抜けてバイパスを進むと、前にひどく遅いトラックがいる。指示器を上げて追い越し車線に入れてもらおうとしたら、ベトナムでは珍しくパッシングしながら加速して後方の車が車線変更を妨害した。おかげで運転手は遅いトラックの後ろで急ブレーキを踏まされて延々そこに追従することになってしまった。
しばらくしてバイクの車線(右端)に空きを見つけて車線変更し、右側追い越しでトラックを抜こうと加速したら、タイミング悪く白バイがいて、また急ブレーキを踏んでトラックの後ろに戻ることになってしまった。
バイパスを降りて市街地を走っていると、手のひらで目を覆った若い男性がまっすぐこちらに向かって歩いてくる。急停止してホーンを慣らし続けるが、男はそのまま進んできて「ゴン」とバスの前面に衝突した。が、そのままフラフラとどこかへ行ってしまった。
私はここで降りたのだが、運転手の不幸はその後も続く。ノイバイ空港に客を迎えに行ったら客の乗った便が2時間も遅れ、しかも空港内で待ち合わせに失敗して30分ほどウロウロ探し回ってやっと客を見つけ、バスに戻ってみたら駐車違反で車輪止めをかまされていた。
国が変わっても運転手の「超ツイてない日」ってやっぱりあるんだと元プロドライバーの私は妙に感心してしまった。
Posted at 2014/11/04 23:16:47 | |
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