昨日のブログからの続きで衝突安全性の話である。JNCAPの成績(データ)を見ていて気になることがある。HIC(頭部損傷基準値)がものすごく低い車があるのだ。
HICは保安基準では1000以下と定められ、400~500が平均的な値である。それが、200台まで下がっている車がある。数値が低いほど成績は良いのだが、それが何で気になるか、汚いがイラストに描いてみた。黒いハコは自動車の車室で、青いのはフロントサイドメンバー、赤いのはシートベルトである。上段はフロントサイドメンバーが短く、シートベルトの伸びが大きい設計の車である。下段はフロントサイドメンバーが長く、シートベルトの伸びは小さい。
イラストの1は衝突前の状態。2はJNCAPのテストにかけられた時の状態だ。上段の車はテストでフロントサイドメンバーが最大の変形量に、シートベルトも限界ぎりぎりまで伸びる。こうすればHICをうんと小さくできるのだ。下段の車はシートベルトの伸びが抑制されているので、HICは極端に小さくならない。3は先のIIHSのテストのように、より厳しい条件の衝突が起こった状態だ。上段の車はフロントサイドメンバーの変形余地が無く、車室が大きく変形する。また、シートベルトが伸びすぎて頭部がステアリングに衝突することを防止できない。テストよりも厳しい条件では、HICが桁違いに上昇してしまう。これに対し、下段の車はまだサイドメンバーが変形するため車室の変形を防げる。シートベルトはさらに伸びても身体の移動量を適切にコントロールできる。これならHICの急上昇も避けることができる。
日本車はパッケージングがたくみで、ボンネット部分が短い車が多い。そのような車がJNCAPのテストで極端に低いHICを記録すると、イラストの上段のような設計なのではないかという疑念が生じてしまうのだ。
運転日報(デミ夫)
天候:曇り 後 晴れ
積算走行距離:21139キロ
走行条件:郊外一般道
乗員:1名
<img src="http://nakanohito.jp/an/?u=118914&h=479409&w=48" border="0" width="48" height="48" alt="なかのひと"
Posted at 2009/04/16 21:13:46 | |
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交通安全 | クルマ