素浪人☆のブログ一覧

　今日乗ったタクシーのドライバーが渋滞した交差点で大声で何か話しだした。全部ベトナム語なのでさっぱり聞き取れないが、右を指差し、左を大きく指差し、次にハンドルを指差した。私は瞬時に理解した。「右のほうが近いが、タクシー通行規制がかかっているので左に曲がる。それでいいか？」ということだ。私は「オーケー！」と答え、タクシーは左に曲がった。
　ハノイのタクシードライバーのほとんどが英語を話さない。が、始終ベトナム語で何か言っているのがなんとなく理解できて特に不便を感じない。同じドライバー同士、通じあうものがあるからだろう。料金はまけてくれるし、言うこと無しである。

　ところで、最近トヨタのVIOSばかりだった中型タクシーに日産サニー（東南アジア専用モデル）が混じるようになった。VIOSよりサニーのほうが後席シートが大きく柔らかく体を支えるため快適である。日本ではコンフォートにクルーで完敗した日産であるが、ベトナムで敵を討てるだろうか。

　最近タクシーを利用するとメーター料金より「おまけ」してくれることがよくある。妻にその話をしたら「日本人ならボラれることはあってもまけてくれるなんて聞いたことがない」と言われた。

　そういえば、レストランで食事するときに同席した他の人には英語で応対していたウエイトレスが私にだけベトナム語で話しかけたり、通りがかりの人にベトナム語で話しかけられたりすることがある。ひょっとして、私は日本人扱いされていないのではないだろうか。日本人が「金のなる木」扱いされるこの国では有難いことかもしれないが、ちょっと寂しい気もする。

　さらに考えてみると、日系の企業に訪問したときに、日本語のできるスタッフではなくて英語のみできるスタッフが応対するのが常態化しているのも気になる。私には日本人になくてはならない何かが欠落しているのだろうか。。。

　先日借りてきたレンタルバイクの点検整備をして、近所の湖の周りを一周してきた。GoPro利用のドライブレコーダーも試してみた。
　バイクのタイヤ空気圧をチェックしたら前輪がスカスカだった。レンタカーの類を信用してはいけないというのはベトナムも同じようだ。細部を見てみると、このスーパーカブは日本の５０ｃｃの前半部と７０ｃｃの後半部をドッキングさせたような魔改造カスタムであることがわかった。ミッション（四段ロータリ）とエンジン（５０ではないみたい？）の組み合わせも独特で、５０ｃｃ以下の免許がいらないバイクがいいが５０ｃｃでは遅すぎるというハノイの外国人向けに特別に作られたもののようである。

ベトナムで交差点に入るときは左右を確認しない。前のライダーが前方しか見ていないのがわかるだろうか。ベトナムの習慣では後から来るほうが減速して衝突を避けなければならない。「直進優先」なんてルールはないのである。

日曜日の午後なので道は空いていてペースが速いが、それでも４０～５０キロしか出ていない。信号の多い市街地では３０～４０キロ、郊外のバイパスでも５０～６０キロが標準的なペースである。１２５ｃｃあれば出力的には十分である。

うちの家の前の路地はこんな幅。バイクは小さいほうが便利そうである。

　スーパーカブをレンタルして街を走ってみた。タクシーから見ていると「よくあんなカオスの中を走ってるな」と思うのだが、実際に運転してみると流れに乗っていれば特に危ないことはなかった。全身から漂う「外国人臭」に配慮しているのか、強引な幅寄せなどをしてくる車もなく、ドライビングゲームみたいに次々と現れる障害物さえ注意してかわしていれば回遊する魚群のなかにまぎれているようにスイスイと街を泳ぐことができる。
　渋滞でも二輪は流れているので移動時間も大幅に短縮できる。ただ、今はまだ右左折禁止の交差点などをよく把握していないので、なかなか思った方向に行くことができない。バイクだから間違えたらすぐＵターンすればいいのだが、Ｕターン禁止の標識も多く注意しなければならない。

　最初からけっこう気楽に走れたが、本音をいうと必要時以外に乗る気にはならない。バイクがカブだし、数十センチの間隔でバイクの群れの中を走る間は一瞬たりとも気が抜けない。逆走バイクや目の前を横切る乗用車、対向車線を走ってくるミニバス、バイクの川の中に立ち尽くす横断歩行者などは、瞬時に左右どちらに避けるか判断しなければならず、自分の両隣のバイクがどちらに行くかも見極めなければならない。センスの無い人は絶対に乗らないほうがいい、そんな環境である。

　ベトナムの朝は早い。日曜日でも朝市で買い物をしに7時すぎに出かける。家から歩いて2、3分の裏路地沿いに市が出る。日常の食材はほとんどここで調達できる。

鶏肉（GA）は自走可能な状態で売られている。子豚の開きは開いた状態で売られている。

帰りに肉まんを買って朝食にする。コンビニなどなくても困ることはない。飲料水などの大物は配達してもらえるので、日常生活で自動車がなくても平気である。