
スプラッシュのミッションはCVTである。CVTといってもいろいろあるのだが、今もっとも普及しているタイプの金属ベルトとプーリーを組み合わせたやつだ。このCVTは、もともとあまり伝達効率に優れたミッションではない。ベルトとプーリーのフリクションロスが大きく、大トルクの伝達には向かない。大トルクを伝えるためにはプーリーでベルトに強いテンションをかけなければならないのだが、その油圧を作りだすのにエネルギーをロスするし、テンションをかければフリクションも増えるという特性のためである。そのように効率の悪いCVTであるが、変速比の範囲を広くとれるためエンジンを小型化できるとか、トルクコンバーターも小容量のもので済むといったメリットもあるため、現在では多くの車種で採用されている。
とはいえ、CVTのフリクションロスが大きい、大トルクの伝達に向かないという特性は、燃費指向の低回転大トルク型のエンジンには適合しないという「超えられない壁」を作り出してしまっている。CVTは、従来型のエンジンと組み合わせれば、従来のトルコン式ATよりも若干燃費が良いという程度のミッションで、MTやDSGの効率の良さには勝てないものだ。
スプラッシュの燃費の悪さは、CVTという「壁につきあたっている技術」を採用したことがそもそもの原因だといえよう。DSGか6速MTを採用し、その上でコモンレールディーゼルかTSIのような現代的なエンジンを搭載すれば、欧州車らしい燃費性能が手に入るだろう。
Posted at 2011/01/24 23:01:25 | |
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