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素浪人☆のブログ一覧

2010年07月23日 イイね!

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(4)

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(4) 前回は追突時に後席乗員の生存空間を確保する上で重要な車体後部の強度についてのチェックポイントを紹介した。今回は後席シートの強度、構造のチェックポイントを紹介する。これも、実際のところは試験してみないと何ともいえないのであるが、メーカーのシート設計に対する姿勢がわかるポイントがいくつか存在する。
 まず、むちうち症防止のためのヘッドレストを確認する。ヘッドレストは追突時に頭部の後傾を防ぐためのものだ。だから、耳の位置がヘッドレストの中心に来るところまでしっかり延びることが基本だ。また、頭部が直立した通常の姿勢でヘッドレストが頭に触れるくらいまで接近していることが重要だ。国産車ではよく頭を後ろに倒すと枕のように支えてくれるものがあるが、このようなヘッドレストは効果がない。余談であるが国産車のカタログではこのような効果がないヘッドレストを「後席ヘッドレスト」と呼ばず「後席ピロー(枕)」と呼んでいる。さすがに「ヘッドレスト」と呼ぶとウソになると思ったのであろう。
 次に、シートベルトの取り付け部(アンカー)が車体とシートのどちらに設けられているかを見る。3点式シートベルトではアンカーは3つある。そのすべてがシートに設けられている、メルセデスのインテグラルシートベルトのようなシートは強度や剛性の面で最も優れていると考える。あとは腰ベルトの両側ともシートにある、腰ベルトの片方だけがシートにある、すべてのアンカーが車体にある、の順に強度や剛性が低下する。シートがスライドしたりリクライニングする場合、アンカーをシートに設けたほうがシートベルトのフィッティングという点でメリットがある。それを車体側に設ける理由は、シートの強度を落として軽量化をしたいということだからだ。
 シートバックがリクライニングする場合、シートバックを固定するラッチがシートバックの両側にあるか、片側だけかを確認する。片側だけだと、追突時にシートバックがねじれるように壊れて乗員が投げ出される。シートバックのラッチにはてこの原理で強い力が働くから、片側だけでは持たないのだ。
 最後に、シートバックの背面に鉄板が張ってあるかどうかを見る。ここに鉄板を張ることでシートバックのフレームに筋交いが入り強度と剛性が大幅アップする。また、追突により後方から車体の一部や荷物が突入したときにシートバックを貫通しないようにブロックしてくれる。

 追突安全性に関するチェックポイントが出揃ったところで、これをティーダ(たまたま代車で手元にあるから)に当てはめてみる。
1.30センチ基準               ○
2.バンパーリインフォースメント      ×
3.テールゲート開口部構造        ×(脆弱)
4.ヘッドレスト                △(中央席なし・左右席は○)
5.シートベルトアンカー           △(1点のみ)
6.リクライニング・ラッチ部         ×(片側)
7.シートバック鉄板             ×


なかのひと

 
Posted at 2010/07/23 20:43:13 | コメント(3) | トラックバック(0) | 交通安全 | クルマ
2010年07月22日 イイね!

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(3)

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(3) 前回は後部座席の乗員の頭と車の後端の距離が30センチ以下だと追突時の安全性が確保できていない可能性が高いということを述べた。では、それ以外に追突時の安全性について何か目安になるものはないだろうか。車体後部の強度が十分に確保されているかどうかという点については、衝突試験をしなければ実際のところはわからない。でも、メーカーが追突時の車体強度についてどの程度配慮しているか窺い知ることができるポイントがある。
 まず、後部バンパーの内部にバンパーリインフォースメントが設置されているかを見てみることだ。バンパーリインフォースメントとは、鋼板プレスやアルミ材で作られたバンパーの骨格にあたる部品である。この部品がないとオフセット衝突の際などに車体が部分的に大きく変形して乗員に危害を加える危険がある。
 次に、テールゲートの開口部の下側の構造を見てみる。この部分もバンパーリインフォースメントと同じくオフセット衝突の際などに入力を分散して部分的な破壊を防ぐのに重要である。奥行きが大きくてボックス状になっていれば強度が高い。強度は高いが、奥行きが大きいとトランクが狭くなるし荷物の出し入れもしにくい。つまり、メーカーのトランクの広さをとるか安全をとるかの価値判断がよく反映されるのだ。


なかのひと

 
Posted at 2010/07/22 23:04:04 | コメント(2) | トラックバック(0) | 交通安全 | クルマ
2010年07月21日 イイね!

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(2)

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(2) 後席搭乗者の追突時の安全性についてはシート構造やシート強度の影響が大きいことを前回のブログで指摘した。とはいえ、どんなに頑丈なシートでも車体の最後部に密着しているようではとても安全とは思われない。
 ボルボ社では、後席乗員の頭部と車体後端との距離が12インチ(約30センチ)あれば安全性が確保できるとしている。もちろん、これはボロンや超高張力鋼板を使用したテールゲート周辺の徹底的な補強や頑強なシートといったボルボ流の安全対策を行った場合の話である。それでも、ボルボでさえも30センチの空間がないと安全性を保証できないという点でひとつの基準になると思う。
 乗員の頭と車体後端の距離が30センチ以上という基準をあてはめると、3列シートのミニバンと軽乗用車以外はほとんどの車種で楽々とクリアしていることがわかる。マーチやヴィッツといったコンパクトカーでも、リアのオーバーハングはけっこう長い。リアウインドウは頭に近いかもしれないが、バンパーレベルではかなり出っ張っているのだ。それに、ホイールハウスや燃料タンクとの場所取り合戦のせいでリアシートはあまり後退させられない。軽自動車はタイヤ・ホイールと燃料タンクを小さくすることでリアシートを限界まで後退させている。3列シートのミニバンは床を上げることでホイールハウスと燃料タンクをかわして3列目を押し込んでいる。3列目は床を高くしたおかげでボディの最後部まで後退させることができる。軽乗用車とミニバンは手法は異なっているが、ボディ後部の余裕空間(荷室)を押し縮めることで乗員の空間を広げている点は共通である。
 よくネット上の議論ではミニバン、コンパクトカーのハッチバック、軽乗用車がセットになって追突時の安全性を問われているが、どうやらコンパクトカーは同列に扱うべきではなさそうである。


なかのひと
Posted at 2010/07/21 22:23:27 | コメント(2) | トラックバック(0) | 交通安全 | クルマ
2010年07月20日 イイね!

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(1)

後席(特に3列目)搭乗者の安全性についての考察(1) コンパクトミニバンの3列目シートがあまりに車のリアガラスに近いことに不安を覚えたことをきっかけに、後席の安全性について興味をもって見ている。いろいろ調べているうちに、現時点での私の見解に完全に一致する記事を発見した。記事が長いので内容を少しずつ分けてアップしようと思う。
 今回は、前面衝突においては3列目に乗っている人も2列目と同じ程度の衝撃を受けること、および追突の場合にはシートの強度が安全性に大きく影響することを取りあげる。
 前面衝突の場合、衝撃を吸収する部分は運転席よりも前、ボンネット部分に設けられている。だから、車室部分はほとんど衝撃を吸収せず、2列目でも3列目でも受ける加速度、衝撃は同じ程度となる。「前面衝突の場合は後席のほうが安全」とよく言われるが、それはイメージ的にそう思うだけである。3列目シートは2列目のシートバックに接近して設置されている場合が多いから、2列目シートに衝突して受傷することも考えられる。
 追突された場合、シートの構造や強度が乗員の安全性に大きく影響する。まず、シートバックが硬すぎてヘッドレストのほうが後方にあるようなシートだと、ムチウチ症になる危険性が高くなる。それ以上に問題なのは、強度の低いシートである。追突と同時に崩壊してしまうようなシートだと、リヤガラスやテールゲート、さらには侵入してくる追突車の車体に頭を直接ぶつけることになってしまう。国産車の3列目シートは座るよりも畳むことを優先するようなものが多く、格納する際に力が要らないように極力軽量に作ってある。このような軽量なシートが十分な強度を有しているかどうかはかなり心許ないところだ。欧州のピープルムーバーでは3列目もシートベルト内蔵型の重くて頑丈なシートになっていることが多い。それと比較すると、いっそう心配になってくる。

なかのひと
 

Posted at 2010/07/20 00:09:11 | コメント(3) | トラックバック(0) | 交通安全 | クルマ
2010年07月15日 イイね!

泣く子には勝てない?

泣く子には勝てない? 国産車の後席に子供を乗せるとき、いつもイライラさせられる。理由は、「シートベルトのバックルが自立式ではない」からだ。ジュニアシートに子供を乗せ、私がシートベルトを掛けるのだが、バックルが座面と背もたれの間に入り込んだり、ジュニアシートの下敷きになっていたり、ねじれたり、中央席のバックルと間違えたりする。このバックルを設計した人には子供がいないに違いない。もしいれば絶対に設計がまずいことに気づくはずだからだ。今日のように激しい夕立の中でシートベルトがバックルにはまらずごそごそやっていて、その間に背中がびしょぬれになる腹立たしさといったらない。

 YOMIURI ONLINEで気になる記事を見つけた。

~泣く・嫌がる…チャイルドシート6割不使用 (読売新聞)

 乳幼児を自動車に乗せる際に着用が義務づけられているチャイルドシートについて「子どもが泣く」「同乗者が抱いてくれる」などを理由に、6割の保護者が使用していないことが13日、ベビー用品メーカーの調査で分かった。~

 何のことはない、夕立の中でバックルと格闘して舌打ちしている人は保護者の4割にすぎないのである。残りの6割は「子供が嫌がる」という理由で子供を拘束しないでいる。当然、シートベルトのバックルなど気にもとめないだろう。使わないのだとすると、簡単にシートの隙間に押し込んでおける自立式でないバックルのほうが「邪魔にならない」のでよいことになる。国産車は「どうせシートベルトなど使用しない」ことを想定して作られているのだ。

 結局、ユーザーの意識レベルに合わせてメーカーも製品を作っているということだ。ESCを付けられない現状もユーザーが招いたものといえそうだ。


なかのひと
Posted at 2010/07/15 21:00:15 | コメント(4) | トラックバック(0) | クルマ談義 | クルマ

プロフィール

「久々のパンダネタ(ポロリもあるよ) http://cvw.jp/b/122990/48613693/
何シテル?   08/22 14:59
日本、米国、そしてベトナムで運転してきました。国が変わっても運転好きは変わりません。 ふとした思いつきからトラックボディ制作、始めました。

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