最近、とみに話題になっているのがガソリン価格の下落と、軽油価格が下がらない事だ。
以前は数十円の価格差で「軽油」が安かったモノだが、最近はどんどん価格差が無くなって数円しか安くない・・という実態になっている。
そもそも、ガソリンも軽油も同じプロセスから造られるので、本来は大きな価格差があってはならないのだが、そこは政治的な策略で課税額がガソリンより大幅に安くされて優遇されてきたのだ。
つまり、「軽油」はトラックやバスなどの物流に使われるクルマの消費が主体で、物流コストのアップを防ぐ為に政治的に税金が安くされてきたのだ。
一方ガソリンは、普通車などの一般消費者が使うものだから
「贅沢税」 という概念で高くされてきた。
その価格差は
約22円 。
原油から消費者に届くまでの税金の流れを、学生時代の帳面を見ながら造り直したのがTOPの画像なんだが、問題はさらに 「消費税」 がガソリンには掛けられて実は
「二重課税」 になっているという点も見逃せない問題だ。
そうそう「軽油」で意外に知られていないのが、自動車以外に使用する場合には、「軽油取引税」が免除されるのだ。
例えば、「農耕車」とか「船舶」に使う場合には、手続きは少々面倒だが「税金」を払わなくていいのだ。詳細は各都道府県の税金に関するHPを見て頂けると幸いだが、これを知らないと、払わなくてもいい「税金」を払うハメになるので注意が必要だ。。。(閑話休題)
この表を見ても、製造コストの差が無く「税金分」課税差を考えれば、今の「軽油」と「ガソリン」の小売価格差は、大いに疑問になるのは当然の問題だ。
しかも「原油」の取引相場は、下がる一方・・・・・
本来ならガソリンの価格が下がるのと同時に、「軽油」の価格も下がっていいのだが、そうでは無いのはなぜだろう??
今週、「めざましテレビ」でも、「軽油価格」が下がらない事を特集していたが、そこでは「軽油需要」が増えたから・・・と単純にまとめていたが、僕はさらに「軽油」が国際的な「相場取引」の材料になっている事も大きな要因では無いかと思っている。
意外に知られていないが、日本からもゾクゾクと「軽油」が海外に、それこそ流失しているのだ!!!
まったく石油の資源が無く、その大半どころか殆どを「輸入」に頼っている日本が何で??と思われるだろうが、ここ数年の経済成長の目覚しい「亜細亜地域」や「中国」では「軽油」の需要が鰻上りで、「軽油」の在庫がひっ迫しているのだ。
皆さんもご存知だろうが、ガソリンは地域でオクタン価など成分などの差が大きくて、あまり国際的に取引されていないが、「軽油」は無論セタン価などの違いはあるが、工業用などに使用するには支障が少ないので、「先物取引」として盛んに取引されている。
「亜細亜」などの消費が激増するに従って、「軽油」の国際相場も上がっており、今年の初頭には約110ドル/バレルだったものが、ここ数ヶ月は約170ドル/バレルと大幅に上がって、それが維持されて続けているのだ。
原油は、ニュースで盛んに伝えられる様に、現在は下がりに下がりまくっているというのにだ・・・・
ここでほんの少し前までのガソリン価格の高騰で、ガソリンの在庫が増えてきて、在庫がダブついている、すると需要と供給の関係で価格が下がるのと、原油価格の下落で、元値そのものが下がった為にさらにガソリン価格は下がるのに対して、「軽油」は価格が上がっても物流のニーズがあるために消費量はさして減らず、さらに国際相場が高値安定という事もあって、国内消費分以上に、儲けが期待できる海外に輸出されている関係で、「国際相場」に基づいた価格で小売価格も決定される為に、価格が下がらず、下がるガソリンに下がらない「軽油」価格が、いつの間にか
課税差¥22 を超えてしまったというのが実情だと考えている。
確かお隣韓国も、5月くらいからガソリンと「軽油」の価格が逆転して、大きな社会問題となってしまった事は記憶に新しい。。。
そう思えば、まだ「軽油」の方が安い日本はまだまだ「マシ」と言えようが、物流業界などは、現在の価格ではたまったものでは無いだろう。
クリーン・ディーゼルの登場などでようやく、日本でも効率の良いディーゼルが見直されてきたというのに、国際相場に影響されて「軽油」価格が上がり、さらに「硫黄分」の処理でコスト増が避けられない状況では、いつ日本もお隣の国のように「軽油」が「ガソリン」より高くなるのか!?
もはや国内だけでなく、世界の動きも目が離せない、そんな時代の流れが覿面に出たのが今の「軽油」価格なのかもしれない。。。
Posted at 2008/11/29 20:13:26 | |
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