これはイケル!そう思った矢先、プリンスに思わぬライヴァルが現われた。
ポルシェ904であった。
スカイラインGT
重量1100Kg最高出力165PS
ポルシェ904
重量650Kg 最高出力180PS
まさにケタ違いとはこの事だった。
後で分かったことだが、プリンスの躍進を見て名古屋のメーカーが、その野望を打ち砕くべく、このポルシェを参加させた・・・と。。。
予選開始
ポルシェは、その空気抵抗の少ないボディと軽量さを生かして、恐ろしく速いペースでコースを走り始めたが、第一コーナで思わぬアクシデントが発生した。
スロットルワイヤーが引っ掛かり、コースアウトしフロントを大破してしまったのだ。
その瞬間、思わず櫻井眞一郎を初め、プリンスのメンバーが、手を叩いて喜んでしまった・・・事は内緒である。
しかし決勝当日、二日二晩にわたる不眠不休の修理で、ガムテープだらけの様相でポルシェがスタンディング・グリッドに並んだ。
その瞬間、静まり返ったスタンドからは万来の拍手が起こった。
レースが始まった。
ポルシェは速い・・・たちまちスカイランを引き離してしまうが、スカイラインも意地を見せつけ喰いついて行く、どんどんと時間が経過してゆく中、7週目、ヘアピンに差し掛かった時に、そのドラマは起こった。
ポルシェが周回遅れにブロックされて一瞬ペースダウンしたところを、矢沢のスカイラインがポルシェを抜いたのだ!!
その瞬間17万人の観客は、愛国心に酔ったのだ。
日本が独逸に勝った!!
8週目には再びポルシェに抜き返されるが、たった一週とはいえ、「醜いアヒルの子」が世界のポルシェを抜いたのだ。
これが「スカG伝説」の始まりであった。。
結果としては、このレースでもスカGは勝てなかったが、あの一周のお陰で、プリンスには同じクルマを売ってくれないか!???という問い合わせが殺到し、100台だけつくられた「S54-Ⅰ」はあっと言う間に売切れてしまった。
それでもプリンス社内では
「あんなクルマ、走り屋連中の好き物クルマで売れっこない」という声が大半であったし、造る工場だって、ボディを切断して、わざわざロングノーズのボディを溶接し直してと手間隙かけないといけないクルマを量産するなんて・・と良い顔をしなかった。。。
スカイランGTこれまでか!??
しかし歴史は思わぬ方向に進むのであった。
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Posted at 2007/04/02 03:42:51 | |
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