スゴク短絡的な考え方なんだが、タイアのパターンを見て、快適性を上げるロードノイズなどを減らすには、パターンを細かくすればいい。
ただ、そうするとパターンとパターンの間の島、つまりブロックが小さくなって、そのブロックの剛性が弱くなるのでグリップ力とか、パターンの溝も細くなりがちなので排水性も悪くなる・・・
グリップ性と排水性などを考えて、溝の大きさや配置をメーカーを考えるのだが、最近のタイアに求められる性能を考えると、パターンだけでは対応しきれなくなってしまった。
そこで化学の得意な国産メーカーは、路面に接する面のゴム、コンパウンドを色々と弄って、パターンだけでは解決できない、乗り心地やロードノイズと、グリップ感のチューニングが盛んになった訳だ。
オレンヂオイル配合やら、シリカ配合などがそうだ。
ところがコンチネンタルは、もはやパターンだけでは・・と思われた所に意外なアプローチを仕掛けてきた。
それが亜細亜専売の、コンフォート寄りのタイア
CONTINENTAL UltraContact UC6 とそして排水性を極限まで追求した
ComfortContact CC6 の二種類だ。
一見するとフツウのパターンの様にみえるが・・・・左が ComfortContact CC6 で 右が UltraContact UC6
コイツの凄いところは、トレッドのパターンの断面に、どちらも縦穴というか実に物理的な面白い断面形状を与えている点だ。
懐かしい学生時代に習った 「ヘルムホルツ共鳴器」 がこんなところに・・・・
まずは「ComfortContact CC6 」なんだが、一見して印象的な星形のパターンは見た目だけでなく、実は断面を見ると、あたかもワイングラスの様な断面になっている。
これは「ヘルムホルツ共鳴器」を応用した消音装置。
恐らく、容量の違う断面「ヘルムホルム共鳴形状」 を幾パターンか作って、それを配列して幅広い音域の音に対応して居る筈。
そして、排水性を上げるストレイトグルウプには、何やら何とも言えない突起があるのだが、これは、ストレイトグルウプが路面と接して、あたかもパイプ状になった時に発生する共鳴音を、この突起で断面変化を作り上げる事によって共鳴音を消している。
日本のタイアメーカーの製品にもこうした構造で消音するモノがあるが、ココまで徹底的に構造で消音しているタイアは少数派だ。
よほどゲルマン民族は物理学が好きならしい(笑)
ロウトの先端の様な形状で積極的に水を吸い込む工夫をしている。
「UltraContact UC6」の方は、アクアチャンネルという断面形状を採用することによって、トレッド面の水膜を積極的に排水するというモノ。
よく見ると、この構造はセンターに近い部分い採用しているので、恐らくなんだが、回頭性や初期のステアリング操作に対する対応性を上げたいので、溝を切りたくない、そこで、溝の代わりに「アクアチャンネル」を採用したと思われるのだが、もう少し頑張れば、従来の方式で解決しそうな気がするのだが・・・・
ゲルマン民族は物理学が好きならしい・・・(汗)
もちろん何度も言うが、BSをはじめとした国産タイアにも、これに近い構造のモノがあるが、ここまで徹底しているのはコンチだけの様な気がするのだ。
まぁ絶対的なグリップなどは、コンチの出る幕は無いキャラクターなんだが、オウトバーンを超高速で走って、間違った操作をしても寛容に受け止めてくれるチューニングで、とにかく穏やかな特性を持つコンチの性格は、普通に乗る、ちょっと元気に走るユーザーの多い日本には意外にマッチしているのかもしれない。
だから、雨の多い亜細亜地域限定のこうしたタイアを選ぶのは、ある意味で「賢者の選択」ともいえると思うのだ。
最近、確か去年だったが、コンチの日本版のHPもルニューアルしたのだが、その意気込みとは反対に、
コンチネンタルタイヤ日本版
→ www.continental-tire.jp/
サイトに行って文章を読むと、直訳的なセンテンスがあって、結構笑えるのだが、まじめにタイアを作って来た雰囲気はそこはかとなく伝わって実に興味深いモノがある。
国産タイアも良いけど、ピレリやミシュランとは違ったタイアをという向きには、コンチネンタルのタイアを選ぶというのも僕は面白いと、今回の二種類のタイアのリリースを見て感じた次第なのだ。
Posted at 2017/05/20 14:23:46 | |
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