仕事クルマの「キャンター」が来て数カ月が経過したが、旧型からの乗り換えと言う事もあって、新旧の比較と言う色合いが強くなってきたように思う。
職場での、新しい「キャンター」の評価は、正直、あまり芳しくないモノだ。まぁ、ぶっちゃけたハナシ、
「新しいクルマを買ったのに、どうしてこうもまぁ」
というのが本当のところ。
みんカラは、乗用車のクルマが主体の場所なんだが、逆にこうしたトラックのハナシなんぞは、あまり聞かないだろうからご参考までと言う事でご清聴願いたい。
まず、最も不評なのが「乗り心地」。首都高などの継ぎ目の多い道路を走ると、もうそれは酷くて、旧型が普通のヴァンレヴェルだったのが、新型になってショックのチューニングが変わったらしく、バタンバタンと車体がバタついて荷物が少ない時など、荷崩れを気にして丁寧に乗っても絶望的に荷物は最初置いてあった場所から、あらぬ方向へと客先へ到着した時は吹っ飛んでいる。
これが空荷になると、さらに悲惨で、ドライヴァーがギャップを超える度に 「空中浮遊」 が体験できると言う状況に陥ってしまうのだ。走行距離が延びれば足回りも落ち着いてと淡い期待を抱いたが、どうもダンピング不足だけは解消されそうに無いのが現実だ。
段差越えの挙動から考えてみると、バネレートが異常に強化され、ダンパーも縮み側が強くなって、伸び側は相対的に弱くなった関係で、あのドタバタした乗り味が醸し出されている様に思う。
困ったのは、これが荷物を積載しても変わらない・・・、まぁ若干は緩和されるが、それでも旧型の様な「荷物を積めば落ち着く」という挙動が無いので始末が悪いのだ。
そして、今回の買い替えの大きなトピックで、デュアルクラックのM/T 「DUONIC」 なんだが、これは確かにある意味では凄いもんだと実感している。
発進から、まさに電光石火の勢いで、シフトアップを続け、このシフトチェンジの速度は、どんなに人間が頑張っても不可能なくらい素早い。
コイツのシフトアップ、ダウンの速度は尋常でなく早いのだが・・・
発進から、クオーン、ウォーン、ウィーンとあっと言う間に変速して、どんなシュチエーションでも
「意地でも6速に入れてやる!」
というスタンスで変速を行うのだ。
ブレーキング時の、シフトダウンも秀逸で、クォーン、クォーン、クォーンと、ダブルクラッチよろしく、回転数を合わせながら繋いでゆく。
ただ問題なのは、例の 「意地でも6速」 というスケジュールで、例えば、交差点で右折してガスペダルを踏むと、例の如く、クオーン、ウォーン、ウィーンとあっと言う間にシフトアップするのだが、曲がってすぐに路地に入ろうとブレーキングしても、今度はあっと言う間に 「6速」 に入っているギヤが災いして、距離が短い為に、流石の 「DUONIC」 も、 ブレーキング時のシフトダウンが間に合わず、フットブレーキに負担をかけて、減速又は停止しなければならないのだ。
排気ブレーキがあろうと、高いギヤで曲がるのは非常にスムーズさに欠けるし、荷物を積んでいたら、さらにフットブレーキだけでは荷崩れ無しにスムーズに減速停止ができ辛いし、立ち上がりも緩慢になってしまう。
そこで、こういった場面では、ドライヴァーが先読みをして、マニュアルモードにして対応するのだが、今度はシフトレヴァーが遠くて握り辛い。
多くのドライヴァーが悪戦苦闘しているうちに、シフトレヴァーの向きがTOP画像の様になって、これがまた使い勝手が良いと来たものだから困ったモンである。。
いすゞの 「エルフ」 と並んで、小型トラックの代名詞みたいなモンの 三菱「キャンター」。
この新しい「キャンター」もエンヂンが実に良く回り気持ちが良いのだが、乗り心地と 「DUONIC」 の使い勝手悪さから、買うんじゃなかったという声がチラホラと出てしまっている。
さらに、エルフは買いたくないので (もう一台、旧型のキャンターがあるので) 、買ったヤツを売って、それを元手に程度の良い旧型の中古を探そうという、もう更新と言う概念からは本末転倒な意見まで出てしまっている状況なのだ。
凝った造りのメーターなんぞは要らないから、乗る人、ドライヴァーに優しいトラックはできなかったモンだろうかねぇ。
きっと、設計者は、そうしたギミック満載の様子にご満悦なんだろうけど、使い勝手が悪くっちゃねぇ・・・
何だか、今の日本車のある意味で縮図を見たような気がする、新しい「キャンター」であった。
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Posted at
2012/09/16 05:08:07