七夕生まれの君へ。
今年も12時を無事に過ぎました。お誕生日おめでとう。
11年と言う、長いような、短いような時間を君と過ごせた事、そして、奇跡が続いて11歳という歳を重ねる事が出来た事に神様に感謝しています。
これまで、奇跡的に処方されている薬が君には効いて、大きな変化も無くここまで来ました。
そのことについて、お父さんもお母さんも、神様に感謝しています。
ただ、だんだんと、薬の効き目も、これまでの様に効かなくなって、今では握力も「2Kg」あるのか無いのかという感じで、足の筋力も少し落ちてしまって、力のない足の筋力で懸命に歩く姿に胸が痛むこともしばしばです。
一番悲しいのは、見かけは、本当に普通の子供なので、筋力なくて足が上がらず、階段の昇り降りや、エスカレータでさえ、乗り降りに苦労していると、
「何をもたもたしているんだ」とか「遊んでいるな」などという声が聞こえて来て、とても悲しい気持ちになります。
それでも、君は懸命に足を上げて、笑顔で一生懸命に、そんな声にも負けないで、自分の足で歩くんだと頑張っている姿に、君の親である事を誇りに思える様になりました。
学校の先生方も、本当に良くしてくれて、君が少しでも歩くので負担にならない様に、できるだけ教室の階を下にしてくれたり、階段の昇り降りで、歩けなくなっても、すぐに手助けするのでなく、ギリギリまで君が歩けるところまで声をかけながら、最後までやりぬけるように見守ってくれている姿には感謝の気持ちでいっぱいです。
君の病気の治療について、今年は大きな動きがありましたね。
STAP細胞が発表された時、同じ病気を抱える人たちや、その親や家族の人達に、本当に明るい日差しが射し込みました。
「まだ時間が掛かるかもしれないけど、これで不治の病では無くなる」と。
でも、その希望はあっという間に消えてなくなりそうですが、逆に、君の病気を治すために、まだまだ多くの人達が研究を諦めていないんだって気持ちを切り替えて、前を向いて行くことにしました。
これだけ、名前が知られている病気なのに、患者数が少ないという製薬会社の論理に立ち向かうために、日本だけの患者では数で戦えない、世界の患者さんと戦おうと立ち上げた集まりも、ようやく1,000人を超え、世界中の患者さんや医療関係者にも声をかけ続けています。
その活動のおかげで、ようやく日本の製薬会社も、治験を始めようかという段階になって来たことは、これまで何もできなかった僕たち親や家族にとって、STAP細胞と共に大きな期待となっています。
本当は子供の成長を喜ぶのが親の姿なのでしょうが、君の病気は、成長と共に加速度的に、病気が進行してしまうので、素直に成長を喜べないのが本当に悲しいです。
でも、少しずつですが、君の病気に対する国や製薬会社、医療機関の変化を感じることが多くなって、完璧ではなくとも、病気の進行を遅らせて、君との時間を出来るだけ長く、そうすれば、完治するまでの時間を稼ぐこともできるのではないかと、前を向いて行く事にしています。
自転車にも乗りたい、スケートもしたい、水泳だって・・・オリンピックやスケート、マラソンの中継を誰よりも一生懸命に観て応援するのは、自分が出来ない事を、そうした選手が努力して素晴らしい活躍をしている姿に自分を重ねて、そうした選手みたいにはなれないけど、自分もいつか、自由に身体を動かして、スポーツをしてみたいんだって、教えてくれた時は涙が出そうになりました。
正直、まだまだ辛くて苦しい時間が続くでしょうが、持ち前の明るさと、頑張りで、病気に負けないで、また一年を過ごせたら・・・そう思って止みません。
七夕の日、本当に日付が変わった瞬間に、生まれるよってお母さんを驚かせた君。
君がお父さんとお母さんを選んで生まれて来てくれたことに、また今年も感謝しています。
ありがとう。
またいっぱいクルマに乗ろうね。
またいっぱい家族でお出掛けをしようね。
七夕生まれの君へ 父より。
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七夕生まれの君へ | 暮らし/家族
Posted at
2014/07/07 01:10:06