七夕生まれの君へ
お誕生日おめでとう。
最近は仕事が忙しく、家に帰るのも日付が変わりそうな時間なので、君に逢える時間が少なくて、ちょっぴりお父さんは寂しいです。
それに、これまで何とか持ちこたえていた君の身体も、そろそろ限界が近い様で、階段の昇り降りもそうですが、普通に歩くのも、きつい事が見ていても分かって本当に辛いです。
そんな不自由な状態でも、皆と学校へ行くんだと言って、歯を食いしばって朝の登校班を絶対に止めようとしない姿に、どこまで無理をさせていいのかってお母さんとも毎日話しています。
学校では、学校のはからいで、介助の人を付けてくれたので、何とかやっていっていますが、六年生、修学旅行は日光の方に行くらしいのですが、階段も多く、登り降りも多いので、さすがに介助の先生も負担が大きいので、学校で対応するのは無理かなぁなんていう声も聞こえて、どうしていいのかお父さんも、お母さんも悩んでいます。
「学校教育の充実」や「児童の豊かな育成」という事を声高に相模原の市は言ってますが、相談に行っても、「市では対応できない」と、つれない答えしか返ってこず途方に暮れています。
身体の不自由な人に対しての理解や、補助が充実してきていると言いますが、現実には、予算や、そうした介助、補助の実績が無い事には、どうする事も出来ないという現実に悲しい思いでいっぱいです。
どうしても、小学生最後のイベントである修学旅行へ参加して欲しいと思っているので、お父さんかお母さんが、さすがに宿は別ですが、一緒に行こうかと学校に相談しています。
不自由とは言え、まだまだ身体が動くので、少しでも楽しい思いを、思い出を作って欲しいと思うので、お父さんもお母さんも、修学旅行に行きたいという君の夢を叶える為に、ギリギリまでがんばるからね。
君の病気に対する治験も、思ったほど進まないのですが、少しでも効果がありそうな治療やリハビリは病院の先生と相談しながら、そして、こうした今の自分の身体の事を理解できるようになった君と話し合いながら進めて行きたいと思っています。
この前は、普段、あれをしたい、これをやってみたいって、あまり言わない君が、「ボーリングをやってみたい」というので家族で初めてボーリング場に行ってみましたね。
「テレビを見ていて、ボーリングって楽しそうに見えたから」と言う君のリクエストで、体力的に1ゲームがやっとでしたが、途中、すごく難しいスプリットを倒したりして、周りの知らない人たちからも、頑張れがんばれの声に押されて、楽しそうにボーリングをしている君と過ごした時間が本当に最高に楽しい時間になりました。
ボーリングが終わると、家族で「うなぎ」を食べに行きましたね。
お父さんの知っている古い、うなぎ屋さんでしたが、親父さんが「ジュース」を一杯サービスしてくれた時の笑顔が、なんだか嬉しくて、これまでに食べたうなぎの中で、一番おいしいうなぎに感じましたよ。
どうも君の病気に対する治験も、治療方法の確立も、残念ながら難しい感じですが、瞬間瞬間、お父さんとして、お母さんとして君にできる事を精一杯やって行って、身体が不自由でも、少しでも君が楽しかったって笑顔が溢れる様に毎日を過ごして行きたいって思っています。
君が小さかった頃、こんな事を言ってくれましたね。
お父さんもお母さんも、その一言は一生涯忘れる事が出来ません。
「僕は、遠いお空の上から見ていて、お父さんとお母さんのところなら楽しそうだなって思って、お父さんとお母さんのところを選んで来たんだよ」 って。
身体のハンディは、正直、本人もそうでしょうが、お父さんもお母さんも大変なんですが、その言葉を聞いてからは、お父さんとお母さんを信じて、選んで生まれて来てくれた君を、どんな状況になっても、くじけず、明るく、楽しく、家族三人で過ごして行くんだって思って、願っています。
たくさんの人達の笑顔を見たいから、綺麗なお花を、たくさんの人に届けたいからと、小さな頃から、お花屋さんになりたいって言っていましたが、今年も七夕の短冊にも「お花屋さんになりたい」って書いてましたね。
不自由な身体なのに、周りの人の笑顔や幸せを望む君の姿は凄いと思います。
そんな君の願いや、思いが一つでも適う様に、できる様に、お父さんお母さんは頑張りたいと思います。
七夕と言う素敵な日を選んで生まれてきた君へ、お父さんとお母さんを選んで生まれて来てくれた君と、また一年を過ごせることが本当にほんとうに幸せだなって思います。
12歳の一年。
色々な事を、家族で経験して元気に過ごしましょう。
七夕生まれの君へ 父より
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Posted at
2015/07/07 05:05:51