
今日は出勤日なのだが、さすがにインフルエンザを押して一週間を闘ったのだが、疲れた・・・まったくホンネである。
そこで、今日は休みを取る事にしていたのだが、大きなニュースが入って来た。
みやこし氏 から、彼がMTに開眼した記念碑的
VZ-R を売っても良い・・・というくらい珍しく、懐かしいクルマを発見したというのだ!
まったく、車種記号の全てを記憶して、歩く「FAST」とも言われる彼が惚れ込むくらいのクルマならぜひ見て見たい・・・と思い、1も2も無く彼の中古車チェックに同行させてもらうことにした。
朝9時、我が家の近所のコンビニの駐車場へ向かうと、見慣れたサニーの姿が見えた。
175PS/7,800rpm 16.5kgm/7,200rpm・・・
一見するとどうでないスペックに見えるが、クルマの本質は数字だけでは分からない。。。
これが、あのSRかと思わせる低速から豊かに盛り上がるトルク、途中からカムが切り替わると、狂ったように赤い目盛りまで美しい紅色の針が飛び込んでゆく。。。
それが、あのオーソドックスな3ボックススタイルに秘められているのだ。
そのVZ-Rをも驚愕するクルマとは・・・
早めの時間の16号線を、ゆったりとした速度で北上し、八王子の某所に到着した。
おかしい?そのお店の周りに、それらしいクルマを見つける事が出来ないのだ?売れたか?いや、それは無いはずだ。。。
お店に入り、担当者に会うとクルマは別の場所にあるという事で、持って来る・・・事になった。
しばし暖を取り、店の前を眺めていると・・・彼はやってきた。
ブルーイッシュシルバーのU13ブルーバード2.4スーパーツゥリングZだ!
歴代ブルーバードで唯一の3ナンバーで、これでもか!というくらいの装備が奢られている。その中でも、このブルには、我々が乗っていた当時、手が届かないくらいのオプションがまた散りばめられていた。
アクティブ・ノイズ・コントロール と言われる、エレキ仕掛けのノイズ緩和装置。
フロントウィンドゥディスプレィ、本皮シート、リアワイパーにリアスポイラー、さらにOPのELガーニッシュに、ゴールドエンブレム・・・と、まさに贅を尽くすという言葉がピッタリと当てはまる仕様だ。
正直、セダンのSSS乗りだった私にとってARXのHTボディは好きではなかった。
しかし、久々に接するU13のARXは、エンジンがトルクフルな2.4LのKA24DE。。。
ある程度年数が経っているので、そのボディ剛性の低下が懸念されたが、エンジンマウントのヘタリさえ気にしなければ、充分に現代に通用するパフォーマンスを発揮してくれた。
しかし・・・前のオーナーの趣味であろう。。。色々な装備を取り付けた後が散見され、それを取り外した弊害か・・・多くの内装を固定するネジが無いのには驚いてしまった。。。
さらにボディの経年変化による疲れは如何ともしがたく、果して、あの素晴らしいコンディションのVZ-Rを手放してまで、この希少なU13を買うのかと考えると、躊躇してしまったというのが偽らざる事実であった。
さらに追い討ちをかけたのが、諸経費という目に見えない弊害だ。。。
実際に乗って、その豊かな乗り心地と操縦性の奥の深さ、2.4Lというエンジンがもたらすトルクフルな乗り味には後ろ髪を引かれる思いがしたが、このARXの購入を断念することにしたのだ。
最近、G11のシルフィに乗ったりして、何かが足りない・・・何かが違うと・・・感じていた僕たちであったが、コンディションは別にして、久々に乗った正当な血筋のブルーバードに、何かを感じていたのは事実だ。
乗った瞬間に感じる安堵感、スッと手を伸ばすと思ったところに思ったスイッチを見つけることができ、走らせると、ストロークがタップリとありながら、決してコーナーでだらしなくボディが傾く事の無い操縦性。。。
今回、目玉だった
アクティブ・ノイズ・コントロール だが、ON・OFFが出来ないので(トヨタならこれ見よがしにスイッチがあって、有り難味を増幅させるのだが・・・)ハッキリとした効果と言えるか一抹の不安があるが、U13の苦手としていたロードノイズもかなり低いレヴェルだったと感じた。
何より内装の、凝ったつくりはバブル期のクルマらしく、豪勢で乗るものに豊かさを感じさせてくれるものだった。
しかし、ここでも、走っていなくても20km/hを指し示すスピードメーター・・など問題があった事も見送りのひとつの要素であった。。。
我々が名づけた「止まっていてもやる気マンマンのメーター」だが、速度指示もそうだが、他にも意外な弊害もあった。。。
止まっていても速度が出ているとクルマが感知してしまうので、「車速感知のドアロック」が開かないのだ。。。
エンジンを切らないと開けられないドア・・というのも困ったものであった。。
数々の問題があったが、僕はこのU13に日産の懐かしいにおいを感じた。。
それは操縦性にしても、エンジンのフィーリングにしてもそうだ。
G11のシルフィが、うわべだけのブルーバードの血統を連呼しているが、決してそれは正しくは無い・・・と断言させるに充分な試乗であった。。
懐古主義・・・そういう連中もいるだろう、しかし、歴史と伝統と言う貴重な財産を捨ててまで進化を進めるやり方に、僕は大きな疑問を隠す事が出来ないのだ。。
この先、このARXがどうなるか?一抹の不安はあるが、日常の足として乗るには、これほど最上のクルマはないだろう。。。
新しい、心あるオーナーに巡り合う事を願いつつ、この中古車屋を後にしたのだ。。。
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ブルーバード | クルマ
Posted at
2006/02/11 22:13:33