七夕生まれの君へ。
お誕生日おめでとう。君が僕たち夫婦のもとへやって来て七年目の七夕を迎える事が出来ました。
今年から小学校へ通い、同い年の子供達に比べて、ふたまわりも小さな君は、ランドセルの重さに泣きながら通った事もありましたね。
ほかの子が、何気なくできる動作ができなくて、悔し涙を流している君を見て、お父さんも、お母さんも本当に辛かったです。
でも、子供はすごいです。
いつの間にか、ランドセルの重みを使って、前かがみで勢いをつけてほかの子に負けないくらいの早足で、ちょっぴり危なっかしいですが、ついて行っているのを見た時には、驚くやら感心するやら・・・まったくたくましいものです。
小学校に入ったばかりの頃は、病気の為に、言葉もおぼつかなかった君が、たった3ヶ月でずいぶんと話せるようになったのも、本当にうれしいことです。
毎日、会社から帰る時に、お母さんの携帯へ電話をかけるのですが、最近はほとんど君が電話に出てくれて、うれしいそうに学校であった事や、今やっている事を楽しそうに話してくれるのが、今は一番お父さんの楽しみだったりします。
そして、家へ帰って玄関を開けると、「おかえりなさい」と言って、満面の笑顔で飛びついてくる君が世界で一番好きです。
その君が、去年の夏に、信じられない病気である事が分った時は、お父さんも、お母さんも、驚いたし、信じられなかったし、何日も君が寝た後に、ふたりで寝顔を見ながら泣いていました。
今は、まだはっきりとした病状が出ていませんが、それでも病気は君の身体の中で徐々に徐々に進んでいる事が辛くて苦しくてしかたありません。
5月のある日、テレビを見ていると「車いす」の話題をやっていて、それを見た君が、「ぼく、これに乗るようになるんだね」と言った時は、小さいながら、自分の運命を、ぼんやりだけど、感じているんだなって、正直びっくりしました。
小学校へ入学を期に、その病気の唯一の進行を遅らせる可能性がある薬を飲み始めました。
大人でもびっくりするくらいの量なんですが、「僕、元気になるからね」と言って、時間をかけて一生懸命飲む君に、僕たち夫婦も負けていられないねと思うようになりました。
そして、治療法が無いと言われていた、この病気にも、最近になって、ようやく本当に効果的に進行を遅らせる薬の目処が立ちつつあって、治験の話が出始めて来て、患者のネットワークに登録をしました。
二十歳までと言われた君の命が、どこまで頑張れるか、医学の進歩が君の病気に勝つのか、そのギリギリまで親子三人でがんばろうね。
時々、病気のせいで、足が痛くなって動けなくなった君をお父さんは、おんぶするのですが、その時に背中越しに伝わって来る君のぬくもりが、いとおしくてたまりません。
自転車にも乗れるようにしてあげたい。
もっと時間をつくって、声を出して君にたくさんの本を読んであげたい。
男同士で、お母さんに内緒で美味しいものも食べに行きたい。
もっと、もっと、色々な世界を見せてあげたい。
ステキな恋愛もさせてあげたい。
君への、お父さんの夢は果てしなく広がります。
7月7日で七歳という、「七」が、みっつ揃った今年の誕生日には、君が大好きなチョコに、君が好きなイチゴがのっかった、かわいいケーキを密かに用意しました。
それを見た君が、どんな顔をするのか、今からとても楽しみです。
7歳の君の一年が始まりました。
これから、何を見て、何を見つめて、何を感じて、何を話してくれるのでしょうか。
君にとって、また、ステキな一年でありますように、お父さんも心から祈っています。
七夕生まれの君へ 父より。
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Posted at
2010/07/07 03:14:35